調停中の財産を守る方法

調停は時間がかかります。

調停の成立までには、平均的には半年間、長いものだと1年を要することがあります。

相手方が財産分与や慰謝料の支払いを強く嫌がっている場合、調停期間中に財産を費消したり、他人に賃貸・譲渡してしまうことがあります。

そのような事がされると、調停や判決などで支払うべき額が確定したとしても、相手が有する財産がなく支払が得られないという事になってしまいます。

 

そこで、これを防ぐため、調停前に相手が有する財産の処分を禁じるための手段が用意されています。

 

調停前の仮の処分 

1つは家事審判規則133条を根拠とする「調停前の仮の処分」です。

これは調停委員会に申立を行います。

何を禁じるかは調停委員の裁量に委ねられており、相手方は不動産の譲渡の禁止や、一定の現金の保管、建物の増改築を禁止するなどの制約を受けます。

しかし、この処分は法的拘束力が弱く、これに違反しても相手方は10万円以下の過料に処せられるにすぎないため、実効性が疑問視されています。

 

民事保全上の仮差押・仮処分命令

そこで、2つ目の手段として、民事保全法上の仮差押・仮処分の命令を求めることが考えられます。

これらは保全処分と呼ばれ、申立ては裁判所に対して行います。

この命令が出されると、相手は不動産を他人に移転・処分することが禁じられたり、定期預金を引き出せなくなるなどの効果が生じます。

この命令は強い効力があり、不動産の登記に処分内容が記されたり、預金のある銀行に直接通知が出されたりするため、実質的にも相手方は財産の処分が不可能になります。

しかし、この命令は容易に求められるものではなく、申立てに際して命令の対象となる財産の5~15%の額の担保を立てることを求められることがあります。

また、命令を出すには財産分与・慰謝料支払などを求める訴訟が提起される可能性があることが必要です。

基本的に離婚はしたくないが、離婚となってしまった時に備えたいと考えている当事者にとっては、個別的事情にもよりますが、保全処分を求めた事実が調停に不利に働くことがあります。

 

往々にして、財産確保の手段選択は専門家でないと難しいものがあります。

お悩みの方はお気兼ねなく当事務所にご相談下さい。

 

 

 

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