婚姻関係破綻の認識

最三小判平8.3.26に基づき,婚姻関係が不貞当時すでに破綻していると過失なく誤信した場合には不法行為が成立しないという主張があります。

この点,不貞に及んだ第三者としては,他方配偶者が既婚者である以上,安易に不貞関係に入らないように注意すべきであり,無過失と認めるためには,婚姻関係が破綻しているとの他方配偶者の言葉を信用しただけでは足りず,他方配偶者の言葉を裏付ける根拠があることが必要であるとされています(判例タイムズNo1278・53頁)。

「婚姻関係が破綻していることを知らなかった(認識していなかった)」という反論がなされることは少なくありませんが,決して簡単に認められるわけではないことに注意しましょう。

⑤慰謝料に関する解説はこちらをご覧ください

慰謝料の性質       慰謝料の算定要素

類型別慰謝料の金額    不貞行為とは

婚姻関係破綻後の不貞   婚姻関係破綻の認識

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