Archive for the ‘年金分割’ Category

年金分割 ⑦按分割合を0.5以外に定める方法は?

2018-07-20

1 3号分割の場合

3号分割とは、3号被保険者に適用される年金分割方法で、相手の了承なしに当然に分割請求できる年金分割制度です。

3号分割が適用されるのは、2008年4月以降の年金積立分のみで、分割割合は当然に0.5になり、割合を変更することはできません。

なお、第3号被保険者とは、会社員や公務員など国民年金の第2号被保険者に扶養される配偶者の方(20歳以上60歳未満)が対象となります。

(参考)

  • 第1号被保険者:自営業者や学生等
  • 第2号被保険者:厚生年金保険の加入者及び共済組合の加入者

 

2 合意分割の場合

合意分割とは、夫婦が合意によって行う年金分割です。2007年4月から導入されている制度で、当事者同士で合意できない場合には家庭裁判所に調停や審判を申し立てることにより、年金分割することもできます。合意分割する場合は、年金の分割割合は、0.5を上限に当事者が自分達で決めることができます。

年金分割は、離婚後の高齢者の生活を保障するための制度になりますので、按分割合については原則0.5とすべきと考えられており、協議が整わず家庭裁判所で調停、審判、判決によって決められる場合、ほとんどの事例で按分割合は上限の50%(0.5)になります。

ただし、あくまでも0.5を上限に定めるということになりますので、離婚における他の条件との兼ね合いで、当事者が0.5よりも低い割合で合意することは十分に可能です。

なお、そもそもなぜ上限が0.5なのかというと、0.5を超えて年金分割をすることは、社会保障制度に基づく年金を奪ってしまうことになり許されないという考えに基づいています。

たとえ、離婚に有責性があったとしても、賠償は慰謝料や財産分与で行われるべきということになります。

 

3 まとめ

年金分割は手続きによって受け取る金額が変わるため、年金分割制度を正しく理解しておかないと、大きな損失となる可能性があります。

そもそも年金分割制度とはどのような制度なのか、分割できる割合はどれくらいか、どのように手続きをすればよいのかを正確に理解しておく必要があります。

年金分割について弁護士をお探しであれば、水戸市、日立市、牛久市を中心に茨城県全域に対応している当事務所にぜひご相談ください。

当事務所には経験豊富な弁護士が多数在籍しており、迅速・丁寧な対応でご依頼者様に安心していただけるよう心がけています。些細なことでもご相談を承りますので、まずは一度ご連絡ください。

 

年金分割 ⑥清算条項を定めたら

2018-07-19

1 清算条項とは               

離婚の際には、夫婦で話し合って決定した財産分与、慰謝料などの離婚に関する条件を整理してまとめ離婚協議書を作成します。後々のトラブルを避けるため、離婚時に協議した内容を証拠として書面に残しておくのです。

離婚協議書では夫婦の権利関係を確定させるために、「清算条項」を記載します。たとえば、「本件離婚に関して、以上をもってすべて解決したものとし、以後、財産分与、慰謝料など名目の如何を問わず互いに何らの財産上の請求をしない。」というものが清算条項になります。

この清算条項により権利関係が確定すると、その後請求し忘れていた金銭を思い出したとしても、相手方に請求をすることはできなくなります。

 

2 清算条項を定めたら

一度清算条項を定めたら、以降は年金分割の請求もすることができなくなるのでしょうか。

結論から言うと、離婚協議書に清算条項が入っているに過ぎない場合は、合意分割も3号分割も請求することができます。なぜなら、年金分割請求権は、権利の性質上、当事者が自由に処分できない公法上の権利(厚生労働大臣への請求権)なので、清算条項が対象としている債権債務には含まれないと考えられるからです。

なお、合意分割とは、夫婦が合意によって行うことが必要になる年金分割であり、3号分割とは、3号被保険者(専業主婦など)に適用される年金分割方法で、相手の了承なしに当然に分割請求できる年金分割です。

ただ、年金分割請求は、離婚をした日の翌日から2年以内にしなければならないので、離婚後に年金分割請求をする場合には期限にも留意する必要があります。

※関連条文

【厚生年金保険法 第78条の2】

第1号改定者(略)又は第2号改定者(略)は、離婚等(略)をした場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、厚生労働大臣に対し、当該離婚等について対象期間(略)に係る被保険者期間の標準報酬(略)の改定又は決定を請求することができる。

 

3 まとめ

当事務所は水戸市、牛久市、日立市を中心に茨城県全域にお住まいの皆様から相談をお受けしています。

慰謝料、親権、養育費を含めた離婚問題から遺言・相続に関する問題、借金・損害賠償等金銭に関わる問題まで皆様の暮らしにまつわる法律相談に幅広く対応しております。

年金分割についても、知識と経験豊富な弁護士が丁寧にアドバイス致しますので、ぜひ一度当事務所にご連絡ください。

 

年金分割 ⑤年金分割をしない合意をしてしまったら

2018-07-18

1 年金分割をしない合意をして離婚

離婚を急ぐあまり、離婚時には相手の条件をのんでしまった、ということは比較的よくあるのではないかと思いますが、その条件として年金分割をしないという内容があった場合、後から年金分割を請求することはできないのでしょうか。

年金分割は老後の生活資金を支えるものになるため、できれば請求できたほうが安心です。分割制度ごとにわけて見ていきましょう。

 

2 合意分割の場合

年金を合意分割する場合は、当事者同士で、どのような割合で按分するのか定めることになります(上限0.5)。

按分割合は、原則として当事者の合意により定めますが、どうしても合意ができない場合には、家庭裁判所に調停・審判の申立てをして按分割合を決めることになります。

離婚の際の条件として、『相手方が年金分割請求をしないなら離婚してもよい』、『相手方が年金分割請求をしないなら慰謝料/損害賠償を多めに払う』等の合意をすることがあります。

その場合、単に清算条項(当事者間に債権債務はないとする旨の条項)を入れただけであれば、年金分割請求権は公法上の請求権であるため、それだけで年金分割請求ができなくなるわけではありません。

ただし、「請求すべき按分割合に関する処分の審判もしくは調停の申立てをしない」という条項を入れた場合には、結局、当事者間(裁判所を通じても)で年金分割の按分割合を定めることができず合意分割はできなくなります。

 

3 3号分割の場合

3号分割の場合には、按分割合は0.5と決まっているため、当事者間で按分割合を合意することができません。

そのため、家庭裁判所への申立ても不要になり、たとえ離婚協議書等に家庭裁判所に申立てをしない旨の条項を入れたとしても、当事者の一方は年金分割請求をすることができます。

 

4 まとめ

年金分割については、そもそも年金自体の仕組みが複雑なため、年金の知識が少ない一般の方が対応するのはとても難しいといえます。

離婚を考えた場合には、まず離婚後の生活設計を考える必要があります。しかしながら離婚時の差し迫った事情により、不利な内容で離婚の合意をしてしまうこともあると思います。

離婚時の合意の内容に不安がある場合には、後で取り返しのつかないことになる前に弁護士に相談しましょう。

茨城県で離婚問題や年金分割について詳しい弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご相談ください。様々な分野に精通した経験豊富な弁護士が丁寧にサポート致します。

 

年金分割 ④年金分割を留保して先に離婚をすることは可能か

2018-07-17

1 年金分割と離婚

年金分割とは、一定の条件を満たした場合、婚姻期間中の夫婦の厚生、又は、共済年金記録を、一方からの請求により分割することができる制度です。

分割の種類は、夫婦間の話し合いにより決定する合意分割と、専業主婦などの3号被保険者に適用される年金分割方法で、相手の了承なしに当然に分割請求できる3号分割があります。

離婚後、高齢者になってからの生活も考え、どのような場合にどんな方法での手続きが必要か等、しっかりとポイントを押さえ、適切なタイミングで年金分割請求をしていく必要があります。

 

2 離婚と同時に年金分割を行う場合

年金分割の請求は、離婚後(離婚の翌日)からしかできませんが、忘れずに適切な手続きを行うためには、事前の準備を行っておくと良いでしょう。具体的には、「年金分割のための情報提供通知書」の入手、按分割合の決定等をしておくと良いでしょう。

 

3 年金分割を留保して年金分割を行う場合

離婚時に年金分割の請求まで済ませてしまうことができれば良いのですが、様々な事情により、離婚のみ先に成立させ、後で年金分割の手続きをとることも可能です。

このような場合、離婚時には、年金分割請求をすること及び上限を0.5とした按分割合についてだけ合意しておくことも可能です。また、年金分割については別途協議の上定めるとの合意をすることも可能です。

なお、離婚協議書を作成した際、精算条項(当事者間に債権債務がない旨を確認する条項)を定めてしまった場合であっても、年金分割請求権は公法上の請求権であり、離婚をする当事者間の債権債務関係ではないため、年金分割事件の申立てや厚生労働大臣に対する請求である年金分割請求をすることは可能になります。

 

4 まとめ

離婚はこれまでの夫婦生活の清算ですが、新しい生活のスタートでもあります。年金分割も後々の生活を維持するめの大切な制度です。

お金の面での不安が少しでも解消できるよう当事務所の弁護士がサポート致します。当事務所に所属している弁護士は、様々な業種・業態の案件を取り扱っており、事務所として対応できる業種・業態、法律の範囲が広くなっております。

それぞれの弁護士が得意とする分野は異なっておりますので、様々な法律に対応することが可能です。離婚問題や年金分割に詳しい弁護士を探されている場合には、是非、当事務所へご連絡ください。

 

年金分割 ③年金分割請求はいつまでにすることができるのか

2018-07-13

1 離婚における年金分割は、請求しないともらえない

離婚における年金分割とは、夫婦間の年金額を決められた割合により分割する制度です。

2007年から「合意分割制度」、2008年から「3号分割制度」が始まって10年以上経ちますので、かなり定着してきた制度ですが、詳しい手続きについて浸透しているかというとそうでもないようです。

分割について合意できたからといってもらえるものではなく、請求期間内に適切な手続きをとって初めてもらえるものになりますので注意が必要です。

 

2 離婚時の年金分割の手続きは、いつから可能?

年金分割の手続きは、離婚届けを提出した後でなければできません。とはいえ、スムースに手続きをするためには、事前に十分な準備をしておく必要があります。

事前準備としては、まず第一に額の確認をすることが考えられますが、50歳以上の場合は年金事務所で実際の額を確認することが可能です。

50歳未満の場合は、少し面倒ですが、ねんきん定期便等の数字から計算し、大体の金額を把握することが可能です。

次に、合意分割を行う場合には、離婚前から夫婦で割合について話し合っておく必要があります。

また分割の合意書を準備したり、戸籍謄本の準備をしたり、必要書類に漏れがないかどうか等も確認もしておきましょう。

 

3 離婚時の年金分割はいつまで可能?

離婚届を出した翌日から2年間、年金分割の請求をすることが出来ます。

当事者同士での話し合いがなかなか進まず、年金分割の請求期限が迫ったきた場合は、調停等の手続きを利用すれば、調停の成立翌日から1ヶ月が経過するまで、年金分割の期間が延期されます。

また、年金分割の按分割合を定めるにあたり、当事者が分割の対象となる期間やその期間における当事者それぞれの標準報酬月額・標準賞与額等の情報を正確に把握するために行う情報提供の請求も、年金分割請求と同様に、原則として、離婚が成立した日の翌日から起算して2年以内に行う必要があります。

 

4 まとめ

年金分割の制度は、離婚後の老後資金の不安を解消する一つの手段です。期間内に適切な手続きを済ませ、しっかり受け取れるようにしましょう。請求は離婚後にしかできませんが、準備は早い時期からすることが可能です。わからないこと、不安に思うことがあれば、早めに弁護士に相談しましょう。

茨城県という地域に密着したサービスを展開している当事務所には、経験豊富な弁護士が多数在籍しております。お困りのことがあればぜひ一度当事務所にご相談ください。

年金分割 ②年金分割請求の手続きはどうすればよいか

2018-07-12

1 合意分割の手続き

(1)「年金分割のための情報提供」を受ける

合意分割をするためには、「年金分割のための情報提供請求書」に必要書類を添えて年金事務所に情報提供請求をし、「年金分割のための情報通知書」という書類を入手します。年金分割のための情報提供請求に必要な書類は、①年金手帳、国民年金手帳または基礎年金番号通知書②戸籍謄本です。

なお、離婚後に情報提供請求をする場合は、それぞれの現在の戸籍謄本及び離婚時の戸籍謄本が必要になります。

「年金分割のための情報提供請求書」を提出すると「年金分割のための情報通知書」が発行されます。通知書の発行は、早ければ1週間程度遅くとも1ヶ月以内には行われます。

 

(2)按分割合についての合意

情報通知書に記載されている「按分割合の範囲」で、年金記録を分割する割合(按分割合)の合意をします。なお、合意については、以下のいずれかの方法で行う必要があります。

① 裁判所の調停・審判 (訴訟の場合は、判決・和解)
② 公証人役場での公正証書作成
③ 公証人役場での私署証書認証
④ 合意書を夫婦2人が年金事務所に直接持参

 

(3)年金事務所での手続き

合意後は、「標準報酬改定請求書」に必要事項を記載し、必要書類を添付して提出します。期限は、離婚成立から2年以内です(相手が死亡すると死亡から1ヶ月)。

 

(4)改定の通知書受領

「標準報酬改定請求書」を提出して受理されると、「標準報酬改定通知書」が双方に届きます。既に年金受給中の場合は、改定請求の翌月分の年金から額が変更になります。

 

2 3号分割の手続き

(1)3号分割は合意が不要

3号分割は、合意が不要ですので、一人で手続きが可能です。また、割合は2分の1ずつに決まっており、夫婦間で按分割合を決めることはできません。

 

(2)3号分割の手続き

分割を請求する当事者が、離婚後に必要書類を揃えて年金事務所等へ出向き「年金分割の標準報酬改定請求」という手続きを行います。期限は、離婚成立から2年以内です(相手が死亡すると死亡から1ヶ月)。

 

3 まとめ

年金分割について弁護士をお探しであれば、水戸市、日立市、牛久市を中心に茨城県全域に対応している当事務所にぜひ一度ご相談ください。

弁護士にご依頼いただければ、代理人として相手とやり取りをすることも可能ですし、必要書類の準備や各種手続きも迅速に行うことが可能です。

一人での手続きに不安がある場合は、早めにご相談ください。経験豊富な弁護士がサポート致します。

年金分割 ①年金分割とはどのような制度か

2018-07-11

1 年金分割制度とは

夫婦が離婚する場合、離婚時年金分割を請求することができます。

離婚時年金分割とは、夫婦が離婚する際に、婚姻期間中に支払った年金保険料に対応して、厚生年金や共済年金の婚姻期間に比例する部分を按分する制度です。

婚姻中はお互いが協力し合って財産を形成するものであるため、年金についても公平に分割すべきという考え方に基づき、2007年4月から導入された制度になります。

年金分割の対象になるのは、厚生年金と共済年金のみであり、国民年金や国民年金基金、厚生年金基金、確定給付企業年金や確定拠出年金は、年金分割の対象にならないため注意が必要です。

また、年金分割とは言っても、婚姻期間中の年金保険料積立分に対応する部分しか対象にならないので、婚姻前の支払分については分割できません。

さらに、夫婦の双方が会社員でそれぞれ厚生年金に加入している場合には、夫婦それぞれの年金保険料の支払いを計算して、それを按分することになります。

 

2 被保険者の種類

年金分割にあたっては、被保険者の種類も関係しますので、ここで種類を確認しておきます。

(1)第1号被保険者

20歳以上60歳未満の人であって、厚生年金又は共済年金に加入しておらず、且つ厚生年金または共済年金の加入者に扶養されていない人。

 

(2)第2号被保険者

厚生年金保険の被保険者、国家公務員共済組合・地方公務員共済組合の組合員、および日本私立学校振興・共済事業団年金の加入者。

 

(3)第3号被保険者

第2号被保険者の被扶養配偶者であって、20歳以上60歳未満の人。

 

2 年金分割の種類

(1)合意分割

2007年4月1日以後に離婚等をし、以下の条件に該当したときに,婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割することができる制度です。

① 婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること。
② 当事者双方の合意又は裁判手続により按分割合を定めたこと。

当事者間の話し合いによって合意分割を行うためには、当事者間で決定した按分割合を定めた書面を作成します。当事者同士では合意できない場合は、一方の当事者が家庭裁判所に申立をして、その割合を定めることができます。

 

(2)3号分割

夫婦が2008年5月1日以降に離婚をした場合で、2008年4月1日以降に、国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)がある場合に、2008年4月1日以降の第3号被保険者期間における年金(正確には「年金記録」)を分割するという制度です。3号分割の場合、年金の按分割合は、当然に2分の1となり、当事者の同意は不要です。

 

3 合意分割と3号分割の関係

2008年4月1日以降に関しては、合意分割と3号分割が併存することになります。3号分割の請求のみがなされた場合には、対象となる2008年4月1日以降の期間についてのみ年金分割が行われることになります。

他方、2008年3月31日以前の対象期間を含めて合意分割の請求を行った場合には、合意分割の請求と同時に3号分割の請求もあったものとされます。

 

4 まとめ

年金分割のことでわからないことあれば、すぐに弁護士に相談してみましょう。

弁護士であれば、どのような場合にどのような分割請求の手続きが必要になるのかアドバイスすることが可能ですし、年金分割の調停や審判での代理人を依頼することも可能です。何かと不安なことの多い離婚関連の手続きも安心して行うことができます。

茨城県全域にわたり、地域に密着したサポートを行っている当事務所にぜひ一度ご連絡ください。

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