Archive for the ‘再婚と財産’ Category

【離婚問題コラム】再婚と財産3 再婚と社会保険

2019-06-27

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1.健康保険と離婚

医療保険には、大きく分けて「国民健康保険」(自営業や農業、現在職についていない方などが加入)と「健康保険(被用者保険)」(サラリーマンなどが加入)の二つがあります。

 

(1)婚姻時、国民健康保険に加入

前の配偶者を世帯主とする国民健康保険に加入していた場合

 

① 離婚後すぐに仕事に就かない場合

市区町村役場に転入・転出届を出せば、前の配偶者の世帯から脱退して、新たに国民健康保険に加入することができます。

 

② 離婚後すぐに仕事に就く場合

新しい職場で健康保険に加入する場合は、勤務先企業を通じて手続きをすることになります。

 

(2)婚姻時、配偶者の会社の健康保険に加入

夫がサラリーマンで、妻が専業主婦またはパートの場合、妻は夫の被扶養者として夫の健康保険に加入しています。この場合も次のように場合分けをして考えていきます。

 

① 離婚後すぐに仕事に就かない場合

離婚によって、配偶者の被扶養者ではなくなりますから、配偶者の健康保険からは脱退することになります。そのため、離婚後にすぐに仕事に就かない場合には、新たに国民健康保険に加入する必要があります。

元配偶者を通じて、勤務先から「資格喪失証明書」をとってもらい、その証明書を市区町村役場に提出して、国民健康保険の加入手続をすることになります。

なお、子どもについては、何もしなければ元配偶者の健康保険に入ったままの状態になります。子どもを国民健康保険に加入させることも可能ですが、その場合には元配偶者から子どもの「資格喪失証明書」も取り寄せる必要があります。

 

② 離婚後すぐに仕事に就く場合

離婚後すぐに就職する場合には、勤務先を通じて新たな健康保険に加入することになります。また、子どもを扶養に入れる場合には、勤務先を通じて子どもの健康保険被扶養者届を提出することが必要です。

 

2.再婚後の社会保険

再婚に伴い、後の配偶者の被扶養者となった場合は、後の配偶者の勤務先を通じて保険者に移動届を提出します。その際には、被扶養者の状況確認のため、市区町村税の課税証明書等を添付する必要があります。

また、後の配偶者が、もう一方の配偶者の連れ子と同居している場合、連れ子は被扶養者となります。このような場合は、添付書類として、住民票も必要になります。

 

3.まとめ

離婚や再婚の際には、付随する手続きがたくさんあります。どれを忘れても後々不利益になる可能性がありますので、どんな手続きが必要なのかをあらかじめ調べ、適切な手続きを行うようにしましょう。また、わからないことがあれば弁護士等の専門家に相談しましょう。茨城県全域にリーガルサービスを提供している当事務所には、様々な手続きにも精通した弁護士が多数在籍しております。親身になってサポート致しますので、ぜひ一度ご連絡ください。

 

【離婚問題コラム】再婚と財産2 再婚と年金

2019-06-26

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1.遺族年金とは

遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、亡くなられた方の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。

 

2.国民年金保険―遺族基礎年金とは

(1)支給要件

被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。(ただし、死亡した者について、保険料免除期間を含めて、保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あること)

 

(2)対象者

死亡した者によって生計を維持されていた、①子のある配偶者 ②子

 

3.厚生年金保険―遺族厚生年金とは

(1)支給要件

① 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、死亡した者について、保険料免除期間を含めて、保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あること)

② 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。

③ 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

 

(2)対象者

死亡した者によって生計を維持されていた、

 ① 妻

 ② 子、孫(一定の要件あり)

 ③ 55歳以上の夫、父母、祖父母(一定の要件あり)

 

4.遺族年金を受け取っている者が再婚した場合

(1)遺族厚生年金のみを受給している場合

厚生年金に加入する配偶者が亡くなり、18歳以下の子供(18歳到達年度の末日までにある子供)がいない者は、遺族厚生年金のみを受給することが可能です。この場合、遺族厚生年金を受給していた者が再婚すると遺族年金の受給資格が消滅し、支給はゼロになります。

なお、前の配偶者と死別し、遺族厚生年金受給していた者が、再婚によって受給権が失権することを避けるために、再婚の届をしないことが起こり得ます。しかし、「失権」の理由となる「婚姻」には、事実婚いわゆる内縁関係も含まれますので、注意が必要です。

 

(2)遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給している場合

厚生年金に加入している配偶者を亡くし、18歳以下の子供(18歳到達年度の末日までにある子供)がいる家庭であれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金の双方を受給することが可能です。ただし、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給者が再婚した場合は双方の年金が支給停止となります。

一方で18歳到達年度の末日までにある子供は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給資格を有しておりますので、支給停止要件に該当しなければ遺族年金を受給することが可能です。

 

6.まとめ

配偶者が死亡した場合に受け取れる可能性のあるお金が遺族年金になります。どういった要件でどれくらいのお金がもらえるのかや、今まで受給してきたけれど再婚することが決まった場合にはどうなるかについて、わからないことがある場合は、弁護士に相談しましょう。茨城県全域にわたり、地域に密着したサポートを行っている当事務所にぜひ一度ご連絡ください。離婚や再婚問題で経験を積んだ弁護士が丁寧にサポート致します。

【離婚問題コラム】再婚と財産1 再婚と婚姻費用

2019-06-25

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1.婚姻費用の扱いについて

婚姻費用とは、夫婦が生活するために必要な費用であり(民法第760条)、夫婦はお互いに協力し、扶助し合わなくてはならないこととされています(民法第752条)。

婚姻費用の範囲は、衣食住にかかるお金、子にかかる費用、医療費や娯楽費など、婚姻共同生活を営むために必要な一切の費用が含まれます。婚姻費用が問題になるケースとしては、離婚を決意してから、実際に離婚するまでに時間がかかり、別居状態になった場合などが挙げられます。婚姻費用は、このような場合に、収入の多い方から収入の少ない配偶者に対して支払われるものです。

 

2.婚姻費用の算定

婚姻費用の額は、当事者の合意によって決定しますが、夫婦間の協議が決裂してしまい、合意できないような場合には、家庭裁判所における家事調停または家事審判によって決めることになります。

当事者間での協議の場合でも、何の基準もなく決定するのは難しいため、現在は、養育費と同様に婚姻費用分担額の標準額を示した「算定表」に基づいて算定していくことになります。

 

3.いつからいつまで支払いが必要か

婚姻費用分担請求は、「請求したとき」から認められる、というのが,現在の裁判所の考え方です。つまり、過去にもらえるはずだった婚姻費用を、後になってから婚姻費用分担請求として請求するのは原則としてできないということになります。婚姻費用分担請求の終わりは、婚姻費用分担義務がなくなるまでであり、具体的には「離婚するまで」、あるいは「再び同居するようになるまで」となります。

 

4.再婚と婚姻費用

再婚の夫婦であっても、婚姻費用の考え方は、初婚の夫婦の場合と同様です。つまり、婚姻費用の分担を考慮しなくてはならなくなった場合に、収入の多い方から収入の少ない配偶者に対して、「算定表」に基づく金銭が支払われます。

ただし、初婚の夫婦とは異なる点もあります。それは、再婚後の婚姻費用分担において、初婚の相手との間に子どもがいて、養育費を払っているような場合には、その子どもに対する扶養を考慮した上で、婚姻費用の分担が決まるということです。要するに、再婚後の家庭における婚姻費用の分担は、その分だけ減額されることになります。

 

5.まとめ

再婚後の婚姻費用について、いかがでしたでしょうか。前婚での養育費の支払いは、再婚後の婚姻費用の分担に影響します。再婚時に、相手が養育費を支払っていることを知っていたとしても、再婚後に婚姻費用分担をする際にはできるだけ多く相手方に請求したいと思われるのではないでしょうか。当事者同士で協議をして円満に解決できるのが一番ですが、当事者同士での協議は決裂することもありますし、不安なことがあれば弁護士に相談しましょう。

茨城県で弁護士をお探しであれば、当事務所にご相談ください。離婚・再婚問題に詳しい弁護士がきめ細かなサポートを致します。

 

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