年金分割 ⑤年金分割をしない合意をしてしまったら

2018-07-18

1 年金分割をしない合意をして離婚

離婚を急ぐあまり、離婚時には相手の条件をのんでしまった、ということは比較的よくあるのではないかと思いますが、その条件として年金分割をしないという内容があった場合、後から年金分割を請求することはできないのでしょうか。

年金分割は老後の生活資金を支えるものになるため、できれば請求できたほうが安心です。分割制度ごとにわけて見ていきましょう。

 

2 合意分割の場合

年金を合意分割する場合は、当事者同士で、どのような割合で按分するのか定めることになります(上限0.5)。

按分割合は、原則として当事者の合意により定めますが、どうしても合意ができない場合には、家庭裁判所に調停・審判の申立てをして按分割合を決めることになります。

離婚の際の条件として、『相手方が年金分割請求をしないなら離婚してもよい』、『相手方が年金分割請求をしないなら慰謝料/損害賠償を多めに払う』等の合意をすることがあります。

その場合、単に清算条項(当事者間に債権債務はないとする旨の条項)を入れただけであれば、年金分割請求権は公法上の請求権であるため、それだけで年金分割請求ができなくなるわけではありません。

ただし、「請求すべき按分割合に関する処分の審判もしくは調停の申立てをしない」という条項を入れた場合には、結局、当事者間(裁判所を通じても)で年金分割の按分割合を定めることができず合意分割はできなくなります。

 

3 3号分割の場合

3号分割の場合には、按分割合は0.5と決まっているため、当事者間で按分割合を合意することができません。

そのため、家庭裁判所への申立ても不要になり、たとえ離婚協議書等に家庭裁判所に申立てをしない旨の条項を入れたとしても、当事者の一方は年金分割請求をすることができます。

 

4 まとめ

年金分割については、そもそも年金自体の仕組みが複雑なため、年金の知識が少ない一般の方が対応するのはとても難しいといえます。

離婚を考えた場合には、まず離婚後の生活設計を考える必要があります。しかしながら離婚時の差し迫った事情により、不利な内容で離婚の合意をしてしまうこともあると思います。

離婚時の合意の内容に不安がある場合には、後で取り返しのつかないことになる前に弁護士に相談しましょう。

茨城県で離婚問題や年金分割について詳しい弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご相談ください。様々な分野に精通した経験豊富な弁護士が丁寧にサポート致します。

 

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