銀行員に特有の離婚問題

銀行員の特徴

離婚問題は、家族関係の精算だけではなく、財産関係の精算という面もあります。

財産関係の精算という観点からは、夫婦それぞれの職業が影響することが少なくありません。

夫婦のいずれかが銀行員の場合、銀行員特有の離婚問題を検討する必要があります。

銀行員は、勤務先の銀行が「大手都市銀行」か、「地方銀行」か、国内資本銀行か外資系銀行かによって年収も福利厚生も大きく異なるという特徴が挙げられます。

もっとも、銀行員は、他の職業よりも一般に平均年収が高い傾向にあります。

銀行員特有の離婚問題の留意点

1 退職金が財産分与の対象となるか

銀行員の場合、自営業者とは異なり、退職金制度が設けられていることは少なくありません。

退職金制度が設計されている場合、将来入る予定の退職金が財産分与の対象となるかどうかが問題となります。

退職金が財産分与の対象となるかどうかは、勤務先の安定性や、退職金が支払われる時期がいつ頃になるのか等の事情によって左右されることになります。

勤務先が安定している業種である場合には、退職金を受領する蓋然性が高いといえ、退職金が支払われる時期が10年以上先であっても、財産分与の対象となる可能性があります。

また、

2 財形貯蓄が財産分与の対象となるか

銀行員の場合、「財形貯蓄」(給料から一定額を控除し、会社と提携した金融機関で貯蓄されるという制度)を利用していることも少なくありません。

もっとも、銀行員が社内積立金制度の存在を明らかにしない場合もあります。

このような場合には、銀行員の給与明細を確認したりすることで、財形貯蓄がないか確認する必要があります。

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