医師の財産分与のポイント

医師の夫婦の財産分与に際し特に注意すべき点を挙げてみましょう。

まず、医師の側の方の注意点です。

開業医などをされている方は、地域の方からの評判は気になるかと思いますので、離婚で揉めているという事実は秘密にしておきたいでしょう。しかし、相手方を精神的に怒らせ、あるいは追いつめてしまい仕事場や勤務先などに押しかけられてしまうことがあります。また、風評被害を恐れているという事実はそのまま相手方にとって有利な交渉材料となってしまいます。立場上、早期に決着をつけることもご検討すべきでしょう。そのような場合、交渉に強い弁護士を代理人にご選任下さい。

続いて、子どもがいらっしゃる場合の問題点です。医師の側は多くは男性であり、子どもに業務を継いでもらいたいと考えている方が多いかと思います。しかし、子どもの親権については、女親に軍配が上がりやすいのが実情です。子どもの親権を材料に財産分与の増額を要求することもありえます。親権争いが予想される場合、財産分与の協議に入る前の段階から、子どもの監護能力に不足があることを示す証拠を集めておくべきでしょう。

次に、医師ではない側の方の注意点です。

医療法人を経営している医師の方は、理事の報酬、法人の利益の留保、出資などを自由に設定できます。したがって、医療法人と個人財産が混在している状態となっていることが考えられます。実質的にどれだけ共同財産があるのか、理事報酬や出資について細かく調査を行いましょう。医療法人の財産が共同財産とされることがあります。

医師の財産は多様な形態にわたりますので、前もって財産調査をしておかなければ隠し財産を見逃してしまう場合があります。この財産調査には、弁護士照会(弁護士法23条)による財産開示が効果的です。

 

財産の範囲が不明確である場合、ぜひ弁護士をご利用ください。

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