【コラム】親権について12 親権者を変更することはできる?

質問

離婚する際に、子どもの親権を安定的な収入のある元夫にしたのですが、子どもから度々父親が暴力を振るうようになったと相談を受けるようになりした。親権を自分に変更することは可能なのでしょうか。

 

回答

一度親権者を確定した後は、親の勝手な都合で親権者を変更することはできません。親権者が適任ではなく子どもの成長に悪影響があるなどの場合、親権者を変更できることがあります。

 

解説

1 親権者を変更できる場合とは

一度決めた親権者を容易に変更すべきではないということから、親権の変更が認められる場合は限られています。

親権変更の場合には、どちらが適切な親権者かということに加え、離婚時と比べて現在の親権者による養育環境が悪化しているかという点も重視されます。つまり、親権を変更しなくても子どもが育つ環境が問題なく子どもにとっての利益に変わりがなければ、わざわざ親権を変更しなくてもいいと考えられます。

現状では親権変更は難しく、あえて変更すべき相当な理由がない限りは変更が認められるケースはあまりありません。認められ得るケースとしては、子どもが親権者から虐待などを受けているケースや親権者が死亡・行方不明のケースなどがあげられます。 

 

2 親権者変更の手続きについて

親権者の変更は、当事者の合意だけで認められるわけではなく、親権者変更調停・審判という家庭裁判所の手続きを必ず経なければなりません。

親権者を変更するには、現在の親権者の住所地の家庭裁判所か、当事者の合意で決定した家庭裁判所に調停を申し立てます。

申立てには以下の書類が必要です。

  • 申立書とその写し1通
  • 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 相手方の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)

また、申立てにかかる費用は、子ども1人につき1200円分の収入印紙代と連絡用の郵便切手代になります。

なお、親権者変更の調停の場合は、子どもの福祉への配慮が必要になることから家庭裁判所調査官の調査が入ることに注意が必要です。

調停で話し合いが調わなかった場合は、自動的に審判に移行し、裁判官があらゆる事情を考慮して、親権者変更を認めるべきかどうか判断を下します。

 

3 まとめ

親権者変更に関する調停・審判については一人で行うことも可能ですが、専門知識も必要になりますので、弁護士に相談されることをお勧め致します。

茨城県で弁護士をお探しであれば、当事務所にご連絡ください。離婚問題・親権問題に精通した弁護士がサポート致します。

keyboard_arrow_up

0298756812 LINEで予約 問い合わせ