質問
現在パートで働いていますが、収入は多くはありません。収入が少なくても親権者となることができますか?
回答
収入のみで親権者が決まるわけではありません。
解説
親権者を決定する際に、専業主婦やパートだったりすると母親側としては、親権が貰えないのではないかと不安になる方も少なくありません。ここでは、どのような判断基準で親権者を決定していくのかご説明致します。
1 判断の基準について
(1)離婚後の子ども家庭環境はどうなるか
離婚後、子どもがどのように育てられるか、ということが重要です。働きながら親一人で子育てをすると子どもと接する時間が短くなりますが、接する時間が短いことと家庭環境の悪化が直ちに結びつくわけでもありません。常に子どもに目をかけ、おいしい食事を用意するなど接し方を工夫することもできます。
また、どのようなところに住むかということも重要です。これまでの住居から離れて引っ越しをして新たな場所に済む場合には、実家や知人を頼れる場所なのかどうか、何かあった場合に一緒に子どもの成長を見守ってくれる人がいるかどうかも子どもの成長のためには大切な要素になります。
(2)親に子どもの面倒をみる意欲・能力はあるか
子育てをするためには、基本的な生活能力が必要になります。日常生活を維持し、子どもを育てていくためには、炊事・洗濯等が一通りできることが必要になります。また、子どもの養育にあたって「経済力」も非常に重要ですが、父親が子どもの養育費を払うことも多いため、母親の経済力がそのまま親権の判断に直結するということはありません。生活に必要な最低レベルの収入を得ることができれば、養育していくことは可能でしょう。
(3)親の生活態度はどうか
親が子どもを養育するのに適した生活を送ることができるかどうかも重要な判断要素です。ギャンブルや買い物に依存するような生活を送っているようでは、子どもを安心して任せることはできません。
2 経済力が低い場合の支援制度
「自分ひとりで子どもを育てていけるのか」という経済的な不安を持たれる方も少なくありませんが、以下のような支援制度もあります。
(1)児童扶養手当
いわゆる母子家庭・父子家庭などのひとり親家庭のために設けられた手当で、地方自治体から支給されます。
(2)児童手当
児童手当はひとり親家庭に限って支給される助成金ではなく、支給対象となる子どものいる全家庭を対象としたもので、国が行っている支援制度です。
(3)自治体ごとの支援
自治体独自にひとり親世帯へ手当を支給している場合もありますし、医療費や保育料の減免を行っている場合もあります。具体的な支援や給付手続きについては各自治体に問い合わせてみましょう。
3 まとめ
親権の取得についてお悩みのことがあれば、離婚問題等に精通している弁護士に早めに相談しましょう。茨城県内で弁護士をお探しであれば、当事務所にご連絡ください。離婚問題で経験豊富な弁護士が丁寧にサポート致します。