1 離婚後の手続き
離婚そのものの手続きが終わってもそれで終わりではありません。新しい生活を送るためには、離婚後の各種手続きが必要になります。以下、順番に見ていきましょう。
2 「住民票移動届」「世帯主変更届」を提出
婚姻中に住んでいた場所から引っ越しをする場合には、役所に「住民票異動届」を提出します。届出には、印鑑が必要になります。
離婚により、自分が世帯主になる場合は、役所に行って「世帯主変更届」を提出します。「世帯主変更届」の手続きには、①免許証やパスポートなどの本人確認ができるもの②国民健康保険に加入している場合は、国民健康保険証③印鑑が必要です。
また、住所や苗字が変わると「印鑑登録の変更」が必要になりますので、こちらも併せて手続きをする必要があります。
3 「国民健康保険」の手続き
(1)国民健康保険に加入する場合
離婚したことにより元配偶者の健康保険から外れる場合は、離婚から14日以内に役所に行って、国民健康保険の加入手続きをする必要があります。
「国民健康保険」の加入手続きには、①免許証やパスポートなどの本人確認ができるもの②国民健康保険被保険者取得届③健康保険資格喪失証明書④印鑑が必要です。
(2)婚姻中に国民健康保険に加入していた場合
婚姻中に国民健康保険に入っていた場合は、「世帯変更」の手続きを行ったうえで、自分が世帯主となり、子どもがいる場合は被保険者として入れます。
(3)会社の健康保険に入る場合
離婚後に自分の勤務先の会社の健康保険に切り替える場合には、会社に対して加入手続きの依頼をするとともに、国民健康保険の脱会手続きをします。
「国民健康保険の脱会」に必要なものは、①国民健康保険被保険者資格喪失届②国民健康保険証③新しい健康保険証または資格取得証明書④印鑑になります。なお、脱会手続きは資格喪失の日から14日以内に行う必要があります。
4 「児童扶養手当」「児童手当」の手続き
18歳未満の子どもがいる場合は、離婚後に役所「児童扶養手当」の手続きをすると、収入に応じて所定金額の支援を受けることができます。「児童扶養手当」「児童手当」の申請手続きには、①子どもの入籍届出後の戸籍謄本②住民票③申請者名義の預金通帳④所得証明書⑤健康保険証が必要です。
また、学校に通う子どもがいる場合、「就学援助」の申請をして、審査が通れば就学にかかる費用の一部を支給してくれる制度もあります。
5 「保育園(保育所)」の申し込み
子どもを保育園に預けて働く場合は、役所で保育園(保育所)への入園の申し込みをします。地域によっては待機児童も出ており、空きがないこともありますので早めに手続きをとりましょう。
申し込みに必要な書類は、住んでいる地域にとっても若干の違いはありますが、①入所申込書②家庭内保育ができないことが確認できる書類③収入が確認できる書類等が必要になります。
6 「国民年金」または「社会保険」の手続きをする
(1)会社員の場合
会社員で、「健康保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」などの社会保険に加入している場合は、会社の担当部署に依頼をすると苗字の変更や住所変更に伴う手続きをまとめてしてもらえます。
(2)会社員ではない場合
「国民年金」の変更手続きを行う必要があります。役所に行き、扶養家族でなくなったことや住所・苗字の変更を伝えて手続きします。
「国民年金」の変更手続きには、①年金手帳②離婚届受理証明書(または離婚後の戸籍謄本)③免許証やパスポートなど本人確認のできるものが必要です。
7 各種名義変更・住所変更
離婚に伴い、「土地」「家」「車」の財産分与をした場合は、早急に名義変更の手続きを行いましょう。また、「運転免許証」「預金通帳・銀行カード」「クレジットカード」「パスポート」など、住所や苗字の変更をする必要があるものは、速やかに変更手続きを行いましょう。
8 「年金分割」の手続き
離婚の際、年金分割の取り決めをした場合は、元配偶者とともに年金事務所に出向き、年金分割の手続きをします。
年金分割請求の期限は2年以内となっており、手続きが遅れると時効になってしまうので、早めに手続きをしましょう。
「年金分割」の手続きに必要なものは、①年金分割の合意書(または公正証書)②双方の年金手帳③双方の戸籍謄本④免許証やパスポートなど本人確認のできるものです。
9 まとめ
離婚はそれだけでも相当なエネルギーが必要ですが、離婚後の各種手続きも重要であり、忘れてしまったら大変なことになってしまうものもあります。後々不利にならないように漏れなく手続きをしなくてはなりません。
どんな手続きが必要なのか迷ったら、早めに弁護士にご相談ください。当事務所には様々な手続きにも精通した弁護士が多数在籍しております。親身になってサポート致しますので、ぜひ一度ご連絡ください。