1 面接交渉
面接交渉権とは、父又は母が子と面接し、もしくはそれ以外の方法で親子として交渉する権利を言います。面接交渉権は、親権・監護権の一部であると考えられています。
離婚にあたっては、この面接交渉権をどのように決めるかが争点となることがあります。
2 離婚時での面接交渉権の決定
離婚の際には、親権者は必ず決める必要があります(民法819条)。
一方、面接交渉については必ずしも決める必要はありません。
ですが、非親権者側(親権を相手に譲る親)においては、今後、親権者側と面接交渉について話し合う機会があるとは限りません。むしろ、離婚後はお互いに連絡を取り合いたくないケースの方が多く見られます。このような場合、離婚後に面接交渉を具体的に決めることは困難です。その結果、離婚後はお子様と容易に連絡がとれず、親子関係が疎遠になってしまうということも往々にして見られます。
離婚にあたり、お子様との面接交渉の条件は決めておくべきでしょう。
3 面接交渉の決め方
面接交渉の決め方は協議、調停、審判があります。
協議が整わない場合には、調停の利用が考えられます。調停が成立しない場合には、調停の申立のときに審判の申立があったものとみなされます。
なお、最初から審判申立を行うことも可能ですが、面接交渉の性質上、職権で調停に付されることも少なくありません(家事審判法11条)。
4 面接交渉の考え方
面接交渉は「子の福祉に合致するか否か」という観点から、どの程度面接交渉が認められるかを決めています。
具体的に「子の福祉に合致するか否か」は、様々な事情を総合考慮して判断することになります。
過去の裁判例を参考にすると、以下の要素を基準にしていると考えられます。
- 子に関する要素(子の意思、子の年齢、子の生活環境に及ぼす影響)
- 監護親に関する要素(監護親の意思、監護親の養育監護への影響、監護親の生活状況)
- 非監護親に関する要素(非監護親の生活状況、非監護親に問題がある場合)
- 両親の関係に関する要素(別居・離婚に至った経緯、現在の両親の関係)
- 子と非監護親の関係に関する要素
これらの事情を主張・立証するためには法的知識・経験が必要です。
面接交渉のことでお悩みの方は、弁護士までご相談ください。