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不倫とは?
不倫とは、既婚者と第三者が不貞関係を持つことをいいます。
そして、中には、既婚者同士が、配偶者以外と不貞関係を持ってしまうこともあります。
本稿では、このように、不貞関係に及んだ2人がどちらも既婚者である場合を「W不倫」と呼ぶこととします。
W不倫となった場合、独身の第三者と不貞行為に及んだ場合の不倫とは異なる特徴があります。
本稿では、W不倫において慰謝料請求を受けた場合の留意点についてご説明します。
W不倫の特色
W不倫の特色としては、慰謝料請求権者(慰謝料請求をする人間)が複数いるという点があります。
すなわち、BとCが不貞行為に及んだとすると、Cの夫であるDがBに対して慰謝料請求をすることになりますし、Bの妻Aは、Cに対して慰謝料請求をすることが可能となります。
W不倫の場合には、それに加え、Dは自分の妻Cに対しても慰謝料請求をすること、および、Aは自分の夫Bに対して慰謝料請求をすることもできることになります。
このように、W不倫の場合には、「自分の配偶者からも慰謝料請求をされてしまう」という特殊性があることになります。
ここから、W不倫の場合には、以下の留意点が生じてきます(以下では、CがAから慰謝料請求を受けているという前提で考えます)。
1 自分の配偶者に不貞の事実が知られているかどうか
不貞行為をして、Aから慰謝料請求をされているCとしては、不貞行為の事実がまだ自分の配偶者Dにばれていない場合には、絶対に知られたくないと考える場合がほとんでしょう。
この場合、もしAがCに対して慰謝料請求訴訟を起こしてきた場合には、訴状が自宅に届きますから、Dに不貞の事実がばれてしまうという危険性があります。
そのため、Aからの慰謝料請求に対し、Cとしては、いろいろと言い分があったとしても、「Dにばれないうちに、早めに解決したい」と考えて、Aからの請求を受け入れて示談してしまうという方法も考えられます。
このように、不貞の事実が自分の配偶者に知られていない場合には、Cとしては強気の交渉はしにくいということになります。
この場合、Cとしては、Aからの請求に対して、どの程度の要求であれば応じるべきなのか、非常に悩ましいところだろうと思います。
しかし、じっくりと考えていると、前述したように、Aが訴えを提起してきてしまい、訴状が自宅に届き、不貞の事実がDに知られてしまうというリスクがあります。
そこで、この場合には、できるだけ早く、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
Aとしても、訴訟になれば、解決まで長期化するリスクや、証拠を揃えなければ勝てないというリスクを伴うことになることから、できれば訴訟に至らずに交渉で解決したいと考えることが通常です。
そのため、Cとしては、早期に弁護士に委任して交渉で解決する道を探ることがベストだと思われます。
2 それぞれの夫婦が離婚するかどうか
W不倫の場合に、それぞれの夫婦が離婚するかどうかによって、解決方法に差が生じる場合があります。
たとえば、両方の夫婦も離婚はしないというときに、不貞行為をした当事者の配偶者が、相手方当事者に対して慰謝料を請求しあう形(AがCに対して慰謝料請求をするとともに、DもBに対して慰謝料請求をする場合)になると、家計単位ではプラスマイナスがゼロになってしまうことがあります。そうなると、時間と費用をかけてまで慰謝料を請求していくことが、果たして妥当なのかという問題になってきます。
また、BとCが不貞をした場合であっても、Dの請求額とAの請求額とが必ずしも同じになるとは限りません。場合によってはDの請求額のほうが低くなってしまい、収支としてはマイナスになってしまう場合も十分ありえます。
これは、それぞれの夫婦が、不貞行為当時に破綻していたのか否か、BとCとではどちらが主導的に不貞行為をしたのか、などの要素で差異が生じてくることになります。
そこで、このような場合には、双方の夫婦がお互いに慰謝料の請求をしないことを約束するという形で、紛争を終わらせるということも十分に考えられます。
このように、W不倫の場合には考慮する要素が数多くありますので、自分ひとりで悩んでいても、適切な解決になるとは限りません。
最近では初回無料で相談を受けられる法律事務所も多いですから、離婚事件を多く手がけている弁護士のところに、できるだけ早めに相談に行くことが最善の方法といえるでしょう。
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