慰謝料の請求を受けた場合、以上に述べたように、裁判外での示談交渉による解決を図ったほうが、早期解決を図る可能性が高まる等、メリットが多いといえます。
しかし、示談交渉にも以下のようなデメリットがあり、このような場合には裁判での解決も視野に入れたほうが良い場合もあるといえます。
1 相手方の手持ち証拠を閲覧できる機会が保障されていないこと
相手方から訴訟を提起され、裁判となった場合、相手方は慰謝料請求の根拠となる証拠も提出しますので、請求をうけた側としても、その証拠を見ることができます。そこで、その証拠の有無・程度によって、相手方からの請求を認めるほうが得策か等、対策を立てることが可能となります。
これに対して、裁判の前段階の示談交渉では、相手方に証拠の開示を要求しても、相手方がそれに応じるとは限りません。むしろ、開示には応じない場合が多いでしょう。そうすると、請求を受けた側としては、相手方の請求にどの程度根拠があるのかの判断がつきかねる場合があるといえます。
この場合に相手方からの請求に応じるべきか否かは難しい判断を迫られることになりますので、まさに経験豊富な弁護士のアドバイスを求めるべき場面といえるでしょう。
2 相手方が相場よりも過大な請求をしている場合
相手方の被害感情が強い場合などには、請求している慰謝料の金額が、相場と比べても明らかに過大であり、しかも、これ以上示談交渉をしてみても減額に応じる様子がないというような場合もあります。このような場合には、それ以上、示談交渉を続けても、その過程で減額を認めさせることが困難であるとして、訴訟において適正な金額での解決を図っていくほうが妥当といえる場合もあることになります。
このように、示談交渉にもデメリットは存在しますので、どのような方策がベストな解決方法かについては、すみやかに、専門家である弁護士に相談されることをおすすめいたします。
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