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【コラム】親権について5 離婚後の親権変更の可否と4つのポイント

2020-07-09

質問

離婚時子どもの親権を妻に渡しましたが、最近恋人ができたようで子どもの世話をしていないようです。子どもの親権を取り戻すことはできるのでしょうか。

 

回答

可能ですが、離婚する際に決めた親権の変更には、家庭裁判所の調停・審判を経る必要があります。では、どのような場合に認められて、どのような手続きが必要なのか詳しくみていきましょう。

 

解説

1 親権者変更について

子どもの幸せが第一優先になりますが、親権者は離婚時に決定されていますので、わざわざもう片方の親に変更する必要があるのかどうか、慎重な判断が求められます。現実問題として、親権変更は難しくあえて変更すべき相当な理由がない限りは、変更が認められるケースはあまりありません。

親権の変更が認められるのは子供の利益や福祉を考え、子どもに必要だと判断される場合のみで、具体的には以下のような場合に認められる可能性があります。

  1. 親権者から子供へ暴力や虐待
  2. 養育環境の悪化
  3. 病気や海外転勤
  4. 育児放棄、親権者が行方不明

 

2 親権者変更の手続について

親権変更調停の流れは、①家庭裁判所へ調停の申立て②調停期日の決定③第一回の調停④第二回以降の調停⑤調停の終了です。

申立てには、親権者変更調停申立書、当事者目録、当事者についての戸籍謄本等の書類を相手方の住宅地の家庭裁判所に提出する必要があります。

申立てには、収入印紙代(子ども1人につき1,200円)、郵便切手代(家庭裁判所によって異なる)がかかります。

親権変更の調停が成立した場合、親権者変更の届出を行うことになりますが、調停不成立の場合は審判へ移行することが可能です。

 

3 親権者変更についてのポイント4つ

親権者変更を勝ち取るためのポイントを4つご説明致します。

(1)裁判所が考慮する基準を知るめには

親権者変更にあたって裁判所が考慮する基準を知っておきましょう。

① 親の状況

変更調停を申し立てた側の事情として、養育環境は適切であること、心身が健康であること、子どもに対する愛情があることが考慮されます。変更調停を申し立てられた側の事情としても同じような観点から状況が考慮されます。

② 子どもの事情

子どもの事情としては、子どもの年齢、精神的安定等が考慮されます。

 

(2)調停委員には印象良く接する

調停は話し合いの場ではありますが、話し合いを有利に進めるためにも、発言は事実をしっかり伝えるようにし、服装や身だしなみも好感を持たれるような清潔で常識的なものにするのが望ましいです。

 

(3)家庭裁判所調査官の調査には事前に準備を

家事審判調査官は、家庭や学校を訪問したり、親や子どもへの意見聴取したりして調査を行います。そのため、変更調停を申し立てた側が有利になるように、普段からしっかり準備しておきましょう。

 

(4)弁護士に依頼する

もちろん本人のみで手続きをすることも可能ですが、親権者変更調停を起こす際には、弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士の知識や経験を味方につけることで安心して手続きを進めることができます。

 

4 まとめ

親権者変更についてお困りのことがあれば当事務所にご相談ください。当事務所は茨城県全域にリーガルサービスを提供しており、離婚にまつわる様々な問題解決の実績がございます。些細なことでも丁寧にサポートさせていただきます。

【コラム】親権について4 離婚に伴う子の姓名・戸籍への影響は?

2020-07-09

質問

離婚を検討していますが、子どもの姓や戸籍にはどのような影響があるのでしょうか。

 

回答

ポイントとなるのは、親子の戸籍や氏は連動していないことと1つの戸籍に入るには同じ氏である必要があることです。以下、解説していきます。

 

解説

1 親の戸籍について

婚姻時に氏を変更した親は、離婚によって当然に婚姻中の戸籍から抜けます。

婚姻中の戸籍を抜けた後は、婚姻前の戸籍に戻るのが原則です。婚姻前に父母の戸籍に入っていた場合は父母の戸籍に戻ります。また、婚姻前の戸籍に戻らず、新しい戸籍を作ることも可能です。

 

2 子供の戸籍について

両親が離婚した場合、子供は婚姻中の戸籍、つまり婚姻時に氏を変更しなかった親の戸籍に入ったままになります。子どもが未成年の場合、離婚時に父母の一方を親権者に定めることになりますが、婚姻時に氏を変更した親が親権者になった場合であっても、子どもは氏を変更しなかった親の戸籍に残ったままなのです。

子供が父親と母親どちらの戸籍に入っているかということと、親権者が父親なのか母親なのかということは無関係です。

 

3 親の氏について

婚姻時に氏を変更しなかった人は、離婚しても氏はそのままです。一方、婚姻時に氏を変更した人は、離婚によって、法律上当然に婚姻前の氏に戻ります(復氏)。ただし、婚姻時に氏を変更した人は、離婚後3か月以内に、その本籍地または市区町村役場に、離婚の際に称していた氏を称する届を届け出ることにより、婚姻中の氏を使い続けることもできます(婚氏続称)。この場合であっても、法律上は婚姻時とは別の氏として取扱いますので注意が必要です。

 

4 子どもの氏について

両親が離婚した場合、何も手続をしなければ、子どもの氏は婚姻時に氏を変更しなかった親(筆頭者)の戸籍の氏のままで変更はありません。

 

5 子どもを自分の戸籍に入れるには

婚姻時に氏を変更してその後離婚した親が、子どもを自分の戸籍に入れるには、次の三つのステップが必要になります。

(1)新しい戸籍をつくる

婚姻中の戸籍から抜けた親は、離婚後に自分を筆頭者とする新しい戸籍を作る必要があります。

(2)子の氏の変更

子どもの住所地の家庭裁判所に対して、「子の氏の変更」についての許可の審判(民法第791条、家事事件手続法第160条)の申立てをします。

(3)入籍届を出す

子の氏の変更が許可についての審判書謄本を添付して、子どもの本籍地又は届出人の住所地の市区町村役場に入籍届を提出します。

 

6 まとめ

離婚に伴う子の氏や戸籍についてお困りのことがあれば、早めに弁護士に相談しましょう。戸籍や氏に関連する手続きは自分でもできますが、煩雑で面倒なものもあります。その際、弁護士にお任せいただければスムーズに手続きをすることが可能です。茨城県で弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご連絡ください。

【コラム】親権について3 離婚時に未成年の子がいる場合の3つの留意点

2020-07-09

質問

未成年の子がいますが、離婚を考えています。どのようなことに留意して離婚の話を進めていけば良いのでしょうか。

 

回答・解説

ここでは、 親権者・監護権者の決定、面会交流の条件、養育費の決定という三つの観点から解説していきます。

 

1  親権者・監護権者の決定

親権とは、未成年者の子どもを監護・養育し、その財産を管理し、その子どもの代理人として法律行為をする権利や義務です。具体的には、財産管理権(注意義務・法定代理)と身上監護権(居所指定・懲戒・営業許可等)があります。

親権から、身上監護権を取り出して、監護権といいます。つまり、監護権とは、親権のうち子どもの近くにいて、子どもの世話や教育をする親の権利義務といえます。

通常は、親権者が監護権も行使しますが、親権者が子どもを監護できない場合や、親権者でない親の方が監護権者として適当である場合には、親権者と監護権者が別々になることがあります。

ただし、未成年の子がアルバイトを始めるような場合は、監護権者ではなく親権者の同意が必要になったり、監護権者の再婚により、再婚相手と子どもが養子縁組をする際にも親権者の同意が必要になったりして、後々トラブルになることもありえますので、親権者と監護権者を分ける場合には慎重な検討が必要になります。

 

2 面会交流の条件

面会交流権とは、親と子どもが別居している場合に親子が面会をする権利で、親のための権利でもありますが、子どものための権利でもあります。

面会交流の具体的な内容については、離婚後にトラブルになることがないように、離婚協議書等に記載しておくことが望ましいといえます。具体的には、①面接の頻度、②1回の面接時間、③宿泊の可否、④面会交流する場所、⑤子どもの受渡し方法などがあげられます。

 

3 養育費の決定

養育費とは、子どもが健全に成長するために必要な費用のことをいいます。具体的には、子ども自身の生活に必要な費用、教育費、医療費などが含まれます。

一般的には子どもが二十歳になるまで支払われることが多いですが、大学卒業まで支払われることもあります。

養育費は、離婚の際にきちんと取り決めをして、取り決めた養育費をしっかり支払ってもらうことが大切です。そのため、後々トラブルにならないよう、公正証書等にしておくことが望ましいといえます。

 

4 まとめ

離婚は精神的に大きな負担ですが、未成年の子がいる場合は自分のことだけではなく、子どものケアも考えなくてはなりません。離婚に関する問題でお悩みの場合は、専門家である弁護士に早めに相談しましょう。茨城県で弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご連絡ください。ご相談者様のお気持ちにそったアドバイスをさせていただきます。

【コラム】親権について2 親権が裁判で争われた場合の4つのポイント

2020-07-09

質問

親権について配偶者と合意できず、裁判で争うことになりました。親権を獲得するにはどうしたらよいのでしょう?

 

回答

親権が決まるポイントは以下の4つです。

  1. 子ども監護割合
  2. 子どもの福祉の尊重
  3. 心身の健康状態
  4. 子どもの状況

 以下、詳しくみていきましょう。

 

解説

1 子どもの監護割合

これまで、どれくらい子どもの世話や教育をしてたかやどんな接し方をしてきたか等が考慮されます。また、子どもが乳幼児の場合には、母親の方が優先的に考えられてきました。ただし、母親が子どもを虐待している場合や育児放棄している場合は、優先されません。

 

2 子どもの福祉の尊重

子どもの幸せにとって何が良いかという観点を持つことが大切です。そのため、自分が親権者となった場合に、子どものことを考え、もう一方の親との面会交流を認めるかどうかも重要な判断要素になります。また、親が仕事をしている場合は、親の不在時に子どもの世話を頼める人がいるかどうかというのも判断のポイントになります。

 

3 心身の健康状態

親権者自身の心身の健康状態が良くなければ、子どもをしっかり監護することはできません。精神的に不安定な場合は、親権者としてふさわしくないと判断される可能性があります。

 

4 子どもの状況

子どもの状況とは、具体的に、子どもの意思、子どもの年齢、兄弟姉妹の有無、環境の変化の有無が考慮されます。

子どもが15歳以上の場合は、その子の意思を尊重します。もっとも実務上は、子どもがある程度意思を持っている10歳以上の場合、本人の意思が反映されることも多くあります。また、兄弟姉妹がいる場合、引き離すことで子どもの人格形成などに影響があると考えられるため不分離を原則としています。

 

5 まとめ

子どもの親権を決定するには、様々な要素を検討する必要があり、当事者同士ではなかなか決定できないこともあります。子どもの親権を決められない場合に、親権ほしさに子どもの連れ去りが行われたりして、子どもを傷つけてしまうこともよくあります。大切な子どものことを第一に考え、円満な解決を目指しましょう。

そのためには、親権問題に精通している弁護士に依頼するのが得策です。弁護士であれば、当事者同士での話し合いの段階から間に入ってもらうことができます。また、調停や訴訟になった場合も、代理人として手続きをしてもらうことが可能です。

 

茨城県で離婚問題・親権問題に詳しい弁護士をお探しであれば、当事務所にご連絡ください。離婚にまつわる問題に精通した弁護士が、ご相談者様のご希望に沿った解決のお手伝いをさせていただきます。

【コラム】親権について1 親権を譲った場合の面会交流・同居の可否

2020-07-09

質問

配偶者に親権を譲った場合、子どもと一緒に住んだり、会ったりすることはできないのでしょうか。

 

回答

親権がなくても子どもと一緒に住んだり、会ったりすることは可能です。

 

解説

1 親権と監護権

親権とは、未成年者の子どもを監護・養育し、その財産を管理し、その子どもの代理人として法律行為をする権利義務のことです。具体的には、財産管理権(包括的な財産管理権と子どもの法律行為に対する同意権)と身上監護権(身分行為の代理権、居所指定権など)があります。

一方、監護権とは、親権のうち、身上監護権のみを取り出したものになります。つまり、子どもの近くにいて、生活の世話をしたり教育をしたりする権利になります。親権と監護権は同一の親が取得するのが望ましいと言えますが、親権は父親に残したままで、母親を監護権者にすると、いう場合もあります。

 

2 面会交流権

親が離婚した場合、子どもは親権者となった方の親と生活をすることになります。また、親権と監護権を分けたケースでは、子どもは監護権者となった親と暮らします。面会交流権とは、その際に、一緒に暮らせなくなった親子が面会をする権利のことです。

面会交流権は親の権利でもありますが、子どもの権利という側面が強いです。そのため、面会交流の取り決めをする際には、子どものために一番良いことは何かという観点から考えるようにしましょう。

 

3 親権、監護権、面会交流権における問題点

親権と監護権を分離した場合、子どもと一緒に生活して監護しているのは母でも、各種手当の受給については親権者である父の協力が必要であったり、子の氏を監護権者である母の氏にする場合、親権者である父の協力が必要であったり、監護権者だけでは手続きできないこともあります。

また、面会交流についても、当初の取り決め通りに交流させなかったり、そもそも面会事態を拒否したりとトラブルになることがあります。

 

4 まとめ

親権、監護権、面会交流権についてお悩みのことがあれば、早めに弁護士に相談しましょう。弁護士に相談すると以下のメリットがあります。

① 専門知識の豊富な専門家に相談ができる

離婚にまつわる様々な問題を解決するためには、法的な専門知識はもちろん、経験やノウハウも必要になります。早期解決のためには、早めに専門家である弁護士に相談しましょう。

② 代理交渉をしてもらえる

当事者同士での交渉がうまくまとまらない場合、弁護士を代理人として交渉をすることで、調停や訴訟に発展する前に解決することができる場合があります。

③ 調停や訴訟でもサポートしてもらえる

当事者同士での話し合いがまとまらない場合は、調停や訴訟で解決を図ることになりますが、初めから弁護士に依頼していればスムーズに手続きを進めることができます。

 

茨城県内で弁護士をお探しであれば、当事務所にご連絡ください。離婚問題で経験豊富な弁護士が丁寧にサポート致します。

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