Archive for the ‘再婚までの準備’ Category
【離婚問題コラム】再婚までの準備⑥ 面会交流
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1.面会交流とは
面会交流とは、離婚の際に、親権者とならず、子を監護していない親が子どもと会うなどして交流することです。離婚は夫婦の問題ですが、離婚しても子どもとっては両親です。子どもにとって何か一番大切かを考えて冷静に対応する必要があります。
とはいえ、離婚の際には感情的対立も激化するため、監護する側の親は、相手方が子どもと会う機会をできるだけ減らしたいと考え、逆に監護をしない親はできるだけ子どもと会いたいと考え、面会交流についてなかなか合意できないこともあります。そこで、お互いの協議により、合意できない場合には、家庭裁判所に調停・審判を申し立てて決定することになります。
2.再婚と面会交流
離婚した後も、面会交流を続けることは、子ども健全な成長のためには欠くことができないものであり、子どもの福祉・利益に資するものになります。しかし、将来、子どもの監護をする親が再婚し、再婚相手が子どもと養子縁組をした場合には、従前の面会交流の内容を見直す必要があります。
子を監護してしていない親にとっては、厳しい内容かもしれませんが、子どもが新しい環境になれようと一生懸命に努力しているのであれば、面会を減らす等の見直しをした方が良いこともあるのです。なお、将来の再婚を見据え、離婚に際して面会交流の取り決めをする場合には、親が再婚する場合には、面会交流の内容を見直す旨の条項も入れておくようにしましょう。
3.面会交流の内容の見直しに応じない場合の対応
子どもを監護している親が再婚をし、再婚相手と子どもが養子縁組をしたため、子どもを監護していない親に対して、面会交流の見直しを要求した場合、相手方がこれに応じてくれないことがあるかもしれません。
家庭裁判所を通じて面会交流についての取り決めがなされたような場合、子どもを監護していない親は、強制的に面会交流を実現することができます。判例では「面会交流の日時または頻度、各回の面会交流時間の長さ、この引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがない」ときに間接強制できる、となっています。つまり、将来、強制的にでも面会交流をしたい親は、面会交流の内容をできるだけ具体的に定める必要があり、逆に、面会交流を阻止したい親は面会交流の内容を具体的には定めないようにする必要があります。
4.まとめ
面会交流は子どもにとっても、子どもを監護していない親にとっても重要なものです。離婚に際して面会交流の取り決めをどうすべきかお悩みの方も、再婚に際して面会交流がどうなるかお悩みの方も、不安なことがある場合は、早めに弁護士に相談しましょう。
茨城県で離婚、慰謝料、養育費等に関する問題に強い弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご連絡ください。ご相談様のお気持ちを慎重しながら、親身になってアドバイス致します。
【離婚問題コラム】再婚までの準備⑤ 子供の養育費
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1.養育費とは
養育費とは、子どもを監護・教育するために必要な費用で、子どもと離れて暮らす親が、子どもを監督・保護する親に対して支払われる子どもの養育に費用になります。具体的には、生活に必要な経費、教育費、医療費などになります。
2.養育費の決定方法
養育費の金額については、父母の協議により決定することができます。協議により合意できない場合には、家庭裁判所での調停・審判により決定されることになります。実務では、裁判官等から構成される「東京・大阪養育費等研究会」が公表している「簡易迅速な養育費の算定を目指して」(判例タイムズ平成15年4月1日第1111号掲載)という算定表を参考にして決定するのが一般的です。
なお、養育費の支払いを受ける側の親が、将来再婚した場合には、以後の養育費の支払いを免除するような取り決めをすることも可能です。ただし、そのようにしてしまうと養育費を支払う側の親と子どもとの結びつきも弱まってしまう可能性もありますので、取り決めの際には慎重に考える必要があります。
3.養育費の変更について
養育費については、一旦取り決めがなされても、その後の事情の変化により、金額を変更することができます。ただし、養育費について合意をしたときに予想できた範囲内の変化であれば、養育費の金額を変更することは容易に認められません。養育費の合意をしたときにはお互いに想定できなかったような事情が発生したときは、養育費の金額を見直す余地があるということです。
このような場合、まずは父母の間で養育費の変更について協議をしますが、協議により養育費の変更が決まらないときは、家庭裁判所に対して調停・審判を申し立てることになります。
4.養育費を一括で受け取った場合の再婚
養育費は、生活費等に充てられるものになりますので、毎月払いが原則です。家庭裁判所の調停・審判では、養育費の一括払いは認められないのが通常です。ただし、協議により養育費を決めた場合には、一括払いと決めることも可能です。
では、養育費を一括で受け取った親が再婚をした場合に、払った親は、養育の一部返金を求めることができるのでしょうか。これについては、過払い金について返還を求めることもできそうではありますが、相手の再婚は離婚時にも想定できることになりますので、養育費の一部返還の理由にはならないと考えられます。
5.まとめ
離婚を考えているけれど、子どもの養育費について悩んでいる、または現在養育費の取り決めがあるけれど、再婚の予定もあり、養育費がどうなるのか知りたい等々、養育費についてお悩みの方も多いのではないでしょうか。
大切な子どもを育てるためのお金になりますので、しっかりと請求する必要がありますし、そのの状況の変化等にも対応していく必要があります。
子どもの養育費についてわからないことがあれば、早めに専門家である弁護士に相談するようにしましょう。茨城県で離婚・再婚、養育費等に強い弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご相談ください。経験豊富な弁護士がご相談者様にとって最善のご提案をさせていただきます。
【離婚問題コラム】再婚までの準備④ 慰謝料
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1.慰謝料とは
慰謝料とは、精神的な被害に対する損害賠償であり、夫婦が離婚することに至った原因がある配偶者は、他方の配偶者に対して離婚にかかる慰謝料を支払う義務を負うことになります。慰謝料が生じる主な離婚原因としては、配偶者による不貞行為、暴力などがあります。
判例での慰謝料の金額としては、①離婚も別居せず、夫婦関係を継続する場合は、50万円~100万円②不貞が原因で別居に至った場合は、100万円~200万円③不貞が原因で離婚に至った場合は、200万円~300万円が相場といえます。ただし、裁判ではなくお互いの合意により決まる場合は必ずしもこれらの金額に当てはまるとは限りません。
なお、離婚についての慰謝料は、一定期間を経過すると請求ができなくなってしまいます。法律では、権利が消滅してしまうまでの期間として2つの期間が定められており、いずれかの期間が経過した時点で時効消滅することとなります。具体的には、①不倫関係があったときから20年間(除斥期間)②不倫関係があったことと不倫相手を不倫された側が知ってから3年間(消滅時効)のいずれかになります。
2.離婚後(再婚後)に不貞が発覚した場合の慰謝料について
離婚後に不貞が発覚した場合であっても、離婚の際に「慰謝料の請求はしない」など金銭面の取り決めをしていた場合を除いては、元配偶者に慰謝料を請求することが可能です。また、既に不倫相手と再婚していた場合であっても、不倫された側は、不倫をして離婚した元配偶者とその新しい配偶者(再婚相手)に対して慰謝料請求をすることが可能になります。
3.慰謝料支払いが再婚に及ぼす影響
特にこれと言って法的な影響はありませんが、結婚する相手が慰謝料を払っていたという事実をどう受け止められるかについては、再婚相手の状況にもよるのではないでしょうか。自分自身が原因となっての離婚により慰謝料を支払ったということであれば、やむを得ないと捉えてくれることが多いでしょうし、暴力等が原因での離婚による慰謝料であれば、いつかは自分の身に降りかかってくるかもしれませんので、慰謝料の支払いにはネガティブなイメージを持つのではないでしょうか。
したがって、慰謝料を支払った事実を再婚相手に伝えるか伝えないか、伝える場合、どこまでどう伝えるか、は慎重に検討した方が良いといえます。
4.まとめ
離婚後に再婚をお考えの方も多くいらっしゃると思います。新しい相手と人生の再スタートをきるにあたり、不安の種を減らしておきたいと思うのは当然のことと言えます。もし、前婚での慰謝料についてお悩みであれば、早めに弁護士に相談しましょう。
茨城県で離婚に伴う慰謝料についてのサポートをご希望であれば、当事務所にご相談ください。離婚・再婚問題について経験豊富な弁護士が、丁寧にアドバイス致します。
【離婚問題コラム】財産分与
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1.離婚における財産分与とは
財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で共に築き上げてきた財産は、離婚の際に分配することです。法律では、財産分与の請求が、民法第761条第1項で定められています。
離婚を急ぐと、財産の分配についてはしっかりと話し合うことなく別れてしまいがちですが、法律上定められている権利になりますので、後々そちらかが損をしないよう離婚の際には何等かの取り決めをすることが重要になります。
2.財産分与の種類
財産分与には、①清算的財産分与②不要的財産分与③慰謝料的財産分与の3つの種類があります。以下、詳しく見ていきましょう。
(1)清算的財産分与
夫婦が婚姻中に形成した財産の清算で、言い換えると、結婚している間に夫婦間で協力して築いた財産については、どちらの名義になっているかにかかわらず、離婚の際にはそれを合算した上で、それぞれの貢献度に応じて公平に分配しよう、という考えに基づくものです。
(2)扶養的財産分与
離婚により、経済的に困窮してしまう配偶者に対して、経済的に強い立場の配偶者が、離婚後もその者を扶養するための一定額を定期的に支払うといった内容の財産分与になります。
(3)慰謝料的財産分与
本来、財産分与は、慰謝料(精神的な被害に対する損害賠償)とは性質が異なるため、両者は別々に算出・請求するのが原則です。しかし、いずれも金銭での支払いになりますので、両者を区別せずにまとめて財産分与として請求することがあります。そのような場合は、慰謝料的財産分与と呼ばれることがあります。
3.財産分与の対象となる財産
財産分与の対象となるのはどのような財産なのでしょうか。財産分与の対象となるのは、夫婦で共同して築き上げた財産ですが、単純に財産の名義で決まるわけではなく、実質的に判断されることになります。具体的には、夫婦で購入した不動産、家財道具、車、それぞれの預貯金、有価証券等は、名義の如何を問わずすべて共有財産として、財産分与の対象となる可能性があります。
また、借金等マイナスの財産についても、夫婦の共同生活を営むために生じたものであれば、夫婦共同の債務として財産分与に組み入れられることになります。ただし、配偶者のどちらかが、もっぱら自分のために借り入れた借金は、財産分与において考慮されないと考えられています。
4.再婚における注意点
扶養的財産分与を受けている者が再婚した場合、新しい配偶者が扶養の義務を負いますので、前に配偶者に再婚を知らせる必要があります。扶養的財産分与は生活が困窮する場合に限って認められるものになりますので、再婚したことを前の配偶者に告げずに扶養的財産分与を受け取り続けることはできません。
5.まとめ
財産分与は離婚した後に請求することも可能ですが、離婚成立後2年以内に請求しなければ無効になってしまいます。離婚が成立した後では、相手方が話し合いに応じてくれるかどうかもわかりませんし、分与すべき財産を処分されてしまう恐れもありますので、できるだけ離婚と同時に請求することをお勧めします。
財産分与について不安なことがある場合は、早めに弁護士に相談しましょう。離婚・再婚について経験豊富な弁護士が数多く所属しておりますので、将来を見据えてのアドバイスが可能です。ご相談者様のご意向を最大限に尊重しながら、丁寧にサポートさせていただきます。
【離婚問題コラム】子供の親権・監護権
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1.親権と監護権について
夫婦の間に子どもがいる場合で離婚する際には、子どもをどちらが引き取るか、ということが問題になります。これが、親権・監護権の問題になります。
(1)親権とは
親権とは、子どもが成人するまでの間、子どもを養育監護しながら、子どもの財産管理をしていく権限のことです。具体的な内容は以下のとおりです。
【財産管理権】① 包括的な財産の管理権 【身上監護権】① 身分行為の代理権 ② 居所指定権 ③ 懲戒権 ④ 職業許可権 |
(2)監護権とは
(1)で述べたように、親権の中には身上監護権が含まれていますが、親権からこの権利だけを取りだして監護権といいます。つまり、監護権とは、親権に含まれる子供に関する権利のうち、子どもと共に生活をして日常の世話や教育を行う権利のことです。通常は、親権を有する親が監護権も有するのですが、何らかの事情により、親権者と監護権者が別々になることがあります。
2.監護権者と親権者を分ける際の注意点
離婚時に親権と監護権を分ける場合、離婚届には監護権を記入する箇所がないため、監護権の内容を離婚協議書などに書面として残しておく必要があります。
(1)監護権者と親権者を分けるメリット
①離婚の話し合いがスムーズに進むことがある
離婚に向けた話し合いの中で、お互い子どもの親権だけは渡したくないと話し合いがこじれることがあります。そうなった場合に、親権者と監護権者をわけることで、双方が納得する形で話し合いがまとまり、スムーズに離婚が成立する可能性があります。
②子どもの安心感
たとえ離婚したとしても、父と母それぞれが親権又は監護権を有するということになれば、それぞれが法律上も子どもと繋がることになりますので、子どもにとっても安心感が生まれます。
(2)監護権者と親権者を分けるデメリット
子供に何かあった時に、監護権者の同意だけでは足りず、親権者の同意が必要となることがデメリットといえます。たとえば、子供が交通事故に巻き込まれ損害賠償を求める訴訟を起こすような場合、親権者は子供の財産管理権を持つため、このようなトラブルにあった時に、監護権者だけでは迅速な動きが取れないのはデメリットということになります。
3.離婚したあとに親権者を変更することはできるか
離婚した後に状況が変わることはあり得ますので、「子の利益のために必要がある」場合には、親権者を変更することができます。親権者の変更をする際には、必ず家庭裁判所の調停または審判を経る必要があります。また子どもが15歳以上の場合には、審判前に必ず子どもの陳述を聴く必要があります。
では、どのような基準で変更が認められるのでしょうか。親権者変更の場合は、父母双方の事情に加えて、実際の監護実績を踏まえて変更すべき事情の有無を検討します。ただし、親権者を変更することは、子どもにとっても大きな影響を与えることになりますので、必要性が相当高くないと変更は認められない、ということになります。
4.まとめ
離婚に際して、親権や監護権についてどうすべきかお悩みの方も多いでしょう。その場合であっても、離婚を急ぐあまり、納得しないまま親権等を決めてしまうと後々の変更が難しくなることもありますので、注意が必要です。子どもの親権・監護権についてお悩みの方は、早めに弁護士に相談しましょう。
茨城県で子どもの親権・監護権決定についてのサポートをご希望であれば、当事務所にご相談ください。
【離婚問題コラム】再婚相手との交際と不貞問題
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1.現在の配偶者と離婚後に再婚を考えている相手との交際
婚姻中であり、配偶者がいるにも関わらず交際相手がいる、現在の配偶者とは離婚をして、交際相手と結婚したい、と考えている場合、こちら側から現在の配偶者に対して離婚を請求することが可能なのでしょうか。
2.離婚について
日本の場合は、協議離婚が認められていますので、現在の配偶者と協議し、お互いに合意ができればスムーズに離婚し、交際相手と再婚をすることが可能です。しかし、配偶者が離婚自体に納得しなかったり、慰謝料等の離婚条件に合意ができなかったりすると、家庭裁判所での調停や離婚訴訟(裁判)により解決を図っていくことになります。
なお、裁判で離婚できるのは、民法第770条第1項により、以下の場合に限られています。
(1)配偶者に不貞行為(他の異性との肉体関係)があった場合
(2)配偶者に悪意で遺棄された場合
(3)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
(4)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
(5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
4.有責配偶者からの離婚請求は認められにくい
よくあるのは、配偶者に不貞行為をされた側の当事者が、離婚の請求をするケースですが、逆に不貞行為をした側から離婚を請求することは可能なのでしょうか。いわゆる有責配偶者からの離婚請求は認められるのでしょうか。
過去の判例によると、昭和の終わりごろまでは最高裁判所は有責配偶者からの離婚は認めませんでした。しかしその後は、①別居期間が長期間に及ぶこと②未成熟の子どもが存在しないこと③離婚することによって配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態にならないことの3つの要件を満たした場合に有責配偶者からの離婚を認めるようになりました。ただし、これら3要件を満たすための基準は相当高く、容易に認められるわけではないことには注意が必要です。
5.有責配偶者からの離婚請求が認められる場合
不貞行為をした側からの離婚請求であっても、離婚が認められる場合があります。それは既に夫婦関係が破綻した後に不貞が行われた場合です。なぜなら、この場合は不貞行為が離婚の原因で夫婦関係が破綻したわけではない、と判断されるからになります。
では、夫婦関係が破綻した場合とは、どのような状況を指すのでしょうか。夫婦関係が破綻したかどうかは、夫婦が婚姻生活の継続意思を失い、回復の見込みがないと客観的に判断できる状態かどうかで決まります。単にセックスレスである場合や家庭内別居というだけでは、夫婦関係が破綻しているとまでは言えないことになります。
6.まとめ
一度結婚したものの、その後様々な事情があり、離婚を考えることはあると思います。現在の配偶者と離婚して、新しい相手との結婚を考えている場合、まずは誠意をもって現在の配偶者と協議し、婚姻関係を解消できるよう努力するのが一番です。早く離婚したいからといって、短絡的な行動をとることはお勧めできません。
離婚をしてからの再婚準備等でお悩みのことがあれば、早めに弁護士に相談しましょう。茨城県で離婚、再婚についてのサポートをご希望であれば、当事務所にご相談ください。
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