1 離婚における年金分割は、請求しないともらえない
離婚における年金分割とは、夫婦間の年金額を決められた割合により分割する制度です。
2007年から「合意分割制度」、2008年から「3号分割制度」が始まって10年以上経ちますので、かなり定着してきた制度ですが、詳しい手続きについて浸透しているかというとそうでもないようです。
分割について合意できたからといってもらえるものではなく、請求期間内に適切な手続きをとって初めてもらえるものになりますので注意が必要です。
2 離婚時の年金分割の手続きは、いつから可能?
年金分割の手続きは、離婚届けを提出した後でなければできません。とはいえ、スムースに手続きをするためには、事前に十分な準備をしておく必要があります。
事前準備としては、まず第一に額の確認をすることが考えられますが、50歳以上の場合は年金事務所で実際の額を確認することが可能です。
50歳未満の場合は、少し面倒ですが、ねんきん定期便等の数字から計算し、大体の金額を把握することが可能です。
次に、合意分割を行う場合には、離婚前から夫婦で割合について話し合っておく必要があります。
また分割の合意書を準備したり、戸籍謄本の準備をしたり、必要書類に漏れがないかどうか等も確認もしておきましょう。
3 離婚時の年金分割はいつまで可能?
離婚届を出した翌日から2年間、年金分割の請求をすることが出来ます。
当事者同士での話し合いがなかなか進まず、年金分割の請求期限が迫ったきた場合は、調停等の手続きを利用すれば、調停の成立翌日から1ヶ月が経過するまで、年金分割の期間が延期されます。
また、年金分割の按分割合を定めるにあたり、当事者が分割の対象となる期間やその期間における当事者それぞれの標準報酬月額・標準賞与額等の情報を正確に把握するために行う情報提供の請求も、年金分割請求と同様に、原則として、離婚が成立した日の翌日から起算して2年以内に行う必要があります。
4 まとめ
年金分割の制度は、離婚後の老後資金の不安を解消する一つの手段です。期間内に適切な手続きを済ませ、しっかり受け取れるようにしましょう。請求は離婚後にしかできませんが、準備は早い時期からすることが可能です。わからないこと、不安に思うことがあれば、早めに弁護士に相談しましょう。
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