はじめに
不倫・不貞相手に対する慰謝料請求をするにあたって、手続の流れは以下のフローチャートのとおりです。
このように、不倫・不貞相手に対する慰謝料請求では、示談交渉以外にも、裁判手続に移行する方法もあります。
裁判手続による解決には、示談交渉にはないメリットがあります。
本稿では、弁護士に依頼した場合の民事裁判による不倫・不貞相手に対する慰謝料請求の解決のメリットについてご説明します。
民事裁判による慰謝料請求のメリット
弁護士に依頼した場合の民事裁判による不倫・不貞相手に対する慰謝料請求の解決のメリットは、以下の3点に整理できます。
1 当事者の合意がなくとも解決できる
2 民事裁判による慰謝料の増額が期待できる場合がある 3 直ちに強制執行が可能となる |
当事者の合意がなくとも解決できる
示談交渉は、あくまでも当事者間の合意があって初めて成立するものですが、民事裁判は、当事者の合意がなくとも、裁判所の判断(=判決)によって解決することが可能です。
したがって、示談交渉では相手方が慰謝料の支払義務を拒み続けているような場合でも、民事裁判を提起することで、最終的な解決を得ることが期待できます。
民事裁判による慰謝料の増額が期待できる場合がある
示談交渉による場合、相手方も訴訟までは移行しないと軽く見て、低額の慰謝料しか提案してこないケースもあります。
このようなケースでは、民事裁判に移行することで、事実関係及び証拠を踏まえて適正な慰謝料を認定してくれる結果、示談交渉時よりも民事裁判による慰謝料の方が増額できることがあります。
例えば、相手方が示談交渉段階では20万円程度の慰謝料しか提案しなかったとしても、訴訟に移行することによって、150万円程度まで慰謝料が増額されるということもあります。
なお、このようなケースでは、相手方も訴訟までは移行しないと軽く見ていたために低額な慰謝料しか提示しないため、訴訟が提起された段階で態度を一変させ、より高額な慰謝料による早期の示談交渉を提案し直してくることもありえます。
直ちに強制執行が可能となる
また、民事裁判による解決の場合(判決や裁判上の和解)、民事裁判による解決が債務名義となって、直ちに強制執行を行うことが可能となります。
最後に
以上が民事裁判による不倫・不貞慰謝料請求をする場合のメリットとなります。
示談交渉による解決とは一長一短がありますので、いずれの方法が事案の解決にとって適当といえるか、よくご検討の上、選択していただくことになります。