質問
浮気した妻から離婚の請求をされました。これには応じなければならないのでしょうか?
回答
応じる必要はありません。
解説
浮気(不貞行為)等をした配偶者を有責配偶者といい、有責配偶者からの離婚請求は、原則として認められませんが、例外的に認められる場合もあります。最高裁では、婚姻関係が破綻している場合であっても、有責配偶者からの離婚請求は許されないという立場に立ってきましたが、昭和62年以降は以下の三つの条件を満たす場合には、有責配偶者からの離婚請求であっても認められる場合があることを判示しています。
- 別居期間が長期間に及んでいること
- 未成熟子が存在しないこと
- 相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態に置かれるなどの事情がないこと
ただし、これらの例外要件を満たすかどうかの判断は難しいことが多いため、有責配偶者からの離婚請求に関連してお困りのことがあれば、些細なことでも弁護士に相談すると良いでしょう。
これまでの判例には、以下のようなものがあります。
【最大判昭和62年9月2日】離婚を認めた
- 例外要件①相当期間の別居→別居36年、同居10年
- 例外要件②未成熟子の有無→無し
- 例外要件③過酷状態→否定
【大阪高判平成19年5月15日】離婚を認めた
- 例外要件①相当期間の別居→13年
- 例外要件②未成熟子の有無→18歳、16歳
- 例外要件③過酷状態→否定
- 補足:慰謝料支払い等について和解成立
【東京高判平成20年5月14日】離婚は認められず
- 例外要件①相当期間の別居→15年
- 例外要件②未成熟子の有無→無し
- 例外要件③過酷状態→肯定
- 補足:妻が高齢・病気であり、子どもの障害もあり。
有責配偶者からの離婚請求に応じる必要はありませんが、前述の3つの例外要件を考慮すると、離婚を請求する側が別居を求めてきた場合には注意が必要でしし、未成熟子も成長すると未成熟子ではなくなります。
そのため、どう交渉するかを含め、対応策について、早めに弁護士に相談するのが得策です。茨城県で弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご連絡ください。離婚に関連する問題に精通した弁護士が、ご相談者様のご希望に沿った解決方法を提案致します。