不倫・不貞慰謝料請求の争点② すでに婚姻関係は破綻していた

はじめに

不倫・不貞相手に対する慰謝料請求をするにあたって、相手方が不倫・不貞行為を認めてくれればよいのですが、争う姿勢を示してきたときには、不倫・不貞行為に基づく不法行為責任が成立することを立証する必要があります。

不倫・不貞相手に対する慰謝料請求における主な争点は、以下の4つがあります。

争点① 不貞行為の有無

争点② 既に婚姻関係は破綻していた

争点③ 既婚者(不倫・不貞)とは知らなかった

争点④ 消滅時効

本稿では、争点②「既に婚姻関係は破綻していた」についてご説明するとともに、不倫・不貞慰謝料請求をする側にとって注意すべき点について解説します。

争点② 婚姻関係が不貞行為当時既に破綻していたかどうか

他方配偶者が第三者と不貞に及んだとしても、婚姻関係破綻後に不貞に及んだ場合には、婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益があるとはいえないことから、不法行為が成立しないと解釈されています(最三小判平8.3.26)。

実務では、不貞に対する慰謝料を請求する場合、この婚姻関係破綻の抗弁が被告側から主張されることが珍しくありません。

そこで、具体的にどのような場合に婚姻関係が破綻していたと評価できるかが問題となりますが、裁判例によって判断はまちまちであり、統一的な基準を見出すことは困難といえます。

したがって、個別の事案において、婚姻生活の状況等、丁寧に多くの事情を確認し、有利な主張を展開していく必要があります。

なお、二宮周平・判タ1060号112頁は、同居が継続していれば破綻とはいえないとしていることも参考となります。

婚姻関係が破綻していたかどうかの判断要素

前記のとおり、婚姻関係が破綻していたかどうかは、様々な事情を総合考慮して判断する傾向にあるため、一概に判断することは難しいといえます。

婚姻関係の破綻が争点となった裁判例からすれば、以下の事情が判断要素となることが挙げられます。

慰謝料請求をする場合には、これらの事情を踏まえて婚姻関係の破綻の有無を検討することになります。

1 不倫・不貞をされた配偶者が、他方配偶者と同居を継続しているかどうか

2 離婚調停の申立の有無

3 配偶者間で離婚という言葉が出たかどうか

4 配偶者間で離婚届が作成されたかどうか

5 他方配偶者が強い不満を抱いていたり、夫婦仲が覚めていたかどうか

6 家庭内別居の有無

7 家族旅行・行事等を行っていたかどうか

8 同じ寝室で就寝していたかどうか

9 性交渉の有無

10 他方配偶者に家計を任せていたかどうか

11 互いの生活に関心を有していたかどうか

12 不貞に至った経緯や不貞関係を解消した経緯

13 不貞発覚後も他方配偶者との婚姻継続の意思を有しているかどうか

なお、慰謝料請求をする側にとっては、上記諸事情の中でも軽重があるため、相手方がいずれか1つに該当することを強調したからといって、直ちに婚姻関係の破綻が認められるわけではないことに留意しましょう。

最後に

以上が不倫・不貞相手に対する慰謝料請求の争点②「既に婚姻関係は破綻していた」に関する解説となります。

実務上、婚姻関係が既に破綻していたという反論をされることは多く見受けられます。

婚姻関係破綻の抗弁が認められることは多くはない傾向にありますが、別居等の客観的事実がある場合には、裁判所も婚姻関係破綻の認定に傾く可能性も否定できません。

したがって、婚姻関係の破綻の有無が争点となる場合には、関連事実を詳細に主張していく必要があります。

具体的な主張・立証にあたり不安がある方は、お気軽にご相談ください。

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