医師特有の財産調査

財産分与(768条1項)とは、結婚期間中に、夫婦が協力して築き上げた財産をそれぞれの財産として分割することを言います。現金以外にも不動産、家具家電、退職金なども分与の対象となっています。医師が離婚する場合の財産分与では、夫婦の財産が有価証券や不動産など様々な形態で存在し、またその総額が高額化していることが多いと言えます。これらを正確に把握・評価し、共有財産を確定することが必要になります。

 

まず、共有財産が広範囲にわたるため、配偶者が隠れて蓄財をしている事に気づかない場合があります。これも当然共有財産にあたります。高額所得者であるほど配偶者に対する隠し財産が多いという統計データもあります。不自然な出費や行動などがあれば、分与前にできるだけ調査してみるべきです。

 

続いて医師が医療法人を経営している場合です。医療法人の有する財産は、医師の財産とは別個になりますので、基本的に共有財産とはなりません。しかし、医師が法人に対して出資していた場合、出資持分として共有財産となります。これは持分の定めのある社団医療法人についてですが、医療法人は多くはこの形態で存在しています。不動産等を有し利益も出ている事が多く、その持分は非常に高額に評価される可能性が高いと言えますのでご注意ください。算定にあたっては専門家にご相談なされるべきでしょう。

持分に関してですが、医師が理事長となり、配偶者その他の親族を理事とするなどして名義上出資持分を持たせている場合がありますが、この名目上の持分も実質的に共有財産ですので、分与の基礎となります。

なお、平成18年以降、新たに持分の定めのある医療法人を設立することはできなくなりました。医療法人の設立が最近である場合は、持分について調べてみてください。

 

最後に、医師の退職金についてです。退職金は給料の後払いの性質がありますので、夫婦が共同して築き上げた財産にあたります。医師には一般的に退職金はありませんが、勤務年数によっては退職金を出す定めを置く勤務先もあるようです。一般の企業ほど多額ではないようですが、調べてみるべきでしょう。

また、医療法人では理事に対し、退職金を出す代わりとして、理事の退任時に保険金を受け取れるような契約をしている事があります。これは節税目的で行われるものですが、そのような形態の退職金も分与の基礎となる可能性があります。

 

概して、医師の財産分与に関しては、専門的な知識が必要とされます。お悩みの方はご気軽にご相談ください。

 

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