調停前置主義

【質問】

夫の浮気が原因で,夫との離婚を決意しました。

ところが,夫は言い逃れをするだけで,離婚を受け入れようとしません。

離婚調停を申し立てると言っても,夫は調停には出頭しないと言っています。

 

離婚するためには,訴訟の前にまず離婚調停を申し立てなければならないと聞きましたが,離婚調停をやっても時間の無駄になるだけのようにも思います。

最初から離婚訴訟を提起したいと思うのですが,できないのでしょうか。

 

【回答】

離婚事件について,訴えを提起しようとする者は,まず家庭裁判所に調停の申立をしなければなりません(家事審判法17条・18条1項)(これを「調停前置主義」と言います。)。

この調停前置主義に違反して離婚訴訟を最初から提起した場合には,原則としてその事件を家庭裁判所の調停に付し,調停を経ることになります。

もっとも,調停前置主義にも例外はあります。調停前置主義の例外は,家事審判法18条2項但書に規定されています(「但し,裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは,この限りでない。」)。

具体的には,①相手方との合意が事実上不可能である場合(❶相手方が死亡しているとき,❷相手方が行方不明であるとき,❸相手方が強度の精神障害者であり,調停能力を欠くとき,❹事件が準拠法との関係などから判決による解決しかありえない渉外事件であるとき),②事案の具体的内容から合意がほとんど見込まれない場合,などが挙げられます。

 

本件では,上記②に該当するかどうかが問題となりますが,②はかなり厳格に判断される傾向にあります。

あなたの夫は,「調停に出頭しない。」と言っているようですが,この程度では最初から離婚訴訟を提起することは難しいでしょう。

 

 

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