【コラム】養育費について8 過去の養育費をまとめて請求することの可否

2020-07-29

質問

離婚時より子どもも大きくなってきて生活費や教育費がかかるようになってきました。養育費が欲しいのですが、過去に遡って支払ってもらうことはできるのでしょうか。

 

回答

養育費は、養育費請求権を具体化したあと、つまり請求した時を基準として払ってもらうことができます。そのため、過去に遡って支払ってもらうことができる場合があります。

 

解説

1 養育費の取り決めが既になされている場合

事前に養育費の取り決めがなされていたにもかかわらず養育費の支払いをしてもらえない場合には、過去に遡って未払い養育費の請求をすることが可能です。

 

2 養育費の取り決めがなされていない場合

問題は、事前に養育費の取り決めがなされていない場合です。離婚を急ぐあまり、養育費などについて十分な取り決めをしないまま離婚してしまうことがあります。

もちろん、養育費について、あとから決めることも可能ですので、まずは当事者で話し合いをして決めるようにします。当事者で話し合っても合意できない場合は、裁判所の調停や審判で決まることになります。

では、養育費の取り決めがなされるまでの過去の分について、遡って請求することができるのでしょうか。この点、裁判所は、養育費が定期的に発生するものであること、これまで養育費請求をしなくとも生活できていたこと、扶養が必要な状態にあったか否かの判断が難しいこと等の理由から、遡っての請求を認めないことがほとんどです。

もっともすべての場合に認められないわけではなく、過去に遡っての養育費の請求が認められる場合もあります。いずれにせよ、裁判所が両親双方の資力・財産・収入の状況、両親双方の現在の生活状態、子どもの年齢、人数、養育状況などを総合的に考慮して判断することになります。

 

3 養育費請求権と消滅時効について

養育費請求権も、長期間行使していないと時効にかかることがあります。では、養育費の時効期間は何年なのでしょうか。

これについては、離婚時に養育費の取り決めをしていたかどうか、で異なります。離婚時に取り決めをしていて、すでに養育費が具体的に発生している場合、養育費の時効期間は基本的に5年です(民法第169条、提起給付債権)。ただし、離婚調停や養育費調停・審判、離婚訴訟などの裁判所の手続きによって養育費が決定された場合は、時効期間は10年となります。

いずれにせよ、未払い状態を放置してしまうと、消滅時効により養育費請求権が消滅する可能性がありますので注意が必要です。

 

4 まとめ

未払いの養育費についてお困りのことがあれば、弁護士に相談するようにしましょう。前述のように、養育費請求権には消滅時効もありますし、早めに対処する必要があります。弁護士であれば、相手との交渉から調停・審判の手続きまですべて任せることができます。

茨城県で弁護士をお探しであれば、当事務所にご連絡ください。離婚にまつわる問題に精通した弁護士が丁寧に対応いたします。

 

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