夫婦どちらにも離婚についての有責性が認められる場合

【質問】

最近,夫の行動が不自然だったので,調べてみたところ,A女と浮気をしていたことが分かりました。

もっとも,私も夫に魅力を感じなくなっていたために,上司であるB男と浮気をしていました。

もう私たち夫婦はお互いに気持ちがありません。

正式に離婚しようと思います。

ですが,私自身にも,浮気をしていたと言う落ち度があります。

私から離婚を求めても,認められるのでしょうか。

 

【回答】

有責配偶者の離婚請求は,原則として認められないのが判例・実務の傾向です。

ですが,夫婦双方に有責性があると言える場合には,一概にこのようには言い切れません。

この点,最高裁は,「婚姻を継続しがたい重大な事由にあたる事態を招いたことにつき,夫婦の一方にもいくらかの落ち度はあったが,相手方により多くの落ち度があった場合には,前者の後者に対する民法770条1項5号に基づく離婚請求を認容しても,違法とはいえない。」と判示しました(最判昭30・11・24民集9・12・1837)。

したがって,夫婦のどちらにより大きな落ち度があったのか,ということが問題となります。

もっとも,この落ち度の比較,は決して簡単ではありません。

ご質問の場合でも,あなたのB男との浮気が,夫とA女との浮気が原因になっていれば,夫の浮気に誘発されたことになりますから,あなたの方が落ち度は小さいと評価されることも考えられます。

お二人がなぜ現在のような関係に至ってしまったのか,その過程を慎重に検討する必要があります。

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