不貞慰謝料 ①離婚せずに慰謝料請求することの留意点

2018-07-31

1 離婚しなくても慰謝料請求はできるか

配偶者の不倫(不貞行為)が原因で離婚する場合に、不倫をした配偶者やその不倫相手に対して慰謝料を請求するのはよくあることです。離婚しなければ慰謝料を請求することはできないのでしょうか。

そもそも慰謝料は、不倫(不貞行為)という不法行為によって精神的損害を被ったことの損害賠償であるため、離婚をするか否かに関わらず請求することが可能です。

 

2 慰謝料の請求相手は誰か

では、慰謝料の請求相手は誰になるのでしょうか。不倫をした配偶者でしょうか?それとも不倫相手でしょうか?

この点、不倫は、不倫をした配偶者と不倫相手の共同不法行為になりますので、どちらに対しても請求をすることができます。とはいえ、離婚しない場合に、夫婦間で慰謝料のやり取りをしたところで、家庭内でお金が動くにすぎず、あまり意味がありませんので、不倫相手に請求することが多いといえます。

 

3 慰謝料請求の流れ

不倫による慰謝料の請求は以下のような流れで行います。

 

(1)不倫の証拠を集める

慰謝料を請求するには、不倫をしていたという事実が確認できる証拠が必要になります。

 

(2)交渉

証拠がそろったら、慰謝料請求の交渉を開始することになります。

交渉方法は法律等で決まってはいないため、どのような方法を選択するかは、事案に応じて検討する必要があります。

不倫相手に対し、請求者の意思を示すとともに、慰謝料請求をしたという事実を残すためには、内容証明郵便を利用し、慰謝料を支払ってほしい旨とその金額を記載した書面を送ることになります。

慰謝料請求の内容証明郵便に対し、相手がこれに応じるようであれば、示談書等を作成して慰謝料の金額を取り決め、期日までに支払ってもらうようにします。

 

(3)訴訟

当事者同士での話し合いで慰謝料の支払いについて合意に至らない場合は、裁判を起こして慰謝料を請求していくことになります。裁判を起こすには、不倫の内容や、それによって婚姻生活がどのように破壊されたか等を主張し、慰謝料の金額等を記載した訴状と証拠を提出する必要があります。その後、双方で準備書面を提出しあい、主張と反論を繰り返した後、裁判官が判断を下します。

 

4 不貞行為があれば慰謝料が認められるか

不倫の場合ではどんな場合でも慰謝料の請求が認められるのかというと、そういうわけではありません。以下の条件に該当する必要があります。

 

(1)不法行為に当たる必要がある

不倫と言っても、各自の価値観によってイメージはまちまちかもしれません。慰謝料は、不法行為に基づく損害賠償になりますので、不倫が不法行為に当たる必要があります。

 

(2)不法行為に当たるための要件

基本的には次の3つの要件全てを満たす必要があります。

 

① 不貞行為があること

不貞行為とは、配偶者のある人が配偶者以外と肉体関係を持つことが典型例となります。

 

② 不貞行為に故意又は過失があること

不貞行為のときに相手が婚姻関係にあることを知っていた(故意の場合)か、知らなかったとしても知らなかったことに落ち度がある(過失の場合)ことが求められます。

 

③ 不貞行為よって権利の侵害があること

婚姻期間中に、配偶者の一方が他の異性と肉体関係を持てば、夫婦の平穏や円満を保持するという権利・利益が侵害されることになります。

 

5 離婚しない場合の慰謝料の相場はどれくらいか

慰謝料の金額に決まりはありませんので、当事者同士が合意できるのであれば数十万円から数百万円まで幅広い金額が考えられます。当事者同士での合意が難しい場合には、裁判所の判決に従うことになります。過去の判例をみてみると、離婚しない場合の慰謝料の相場は50万円〜から100万円程度ということもあるようです。

 

6 離婚せずに慰謝料請求をする場合のメリット・デメリット

離婚せずに配偶者の不倫相手に慰謝料を請求する主な目的の一つには、不倫相手と配偶者との関係を断つことが挙げられます。

離婚せずに不倫相手に対する慰謝料請求をするメリットとしては、①金銭的な賠償請求をする、②不倫をした配偶者との繋がりを断つこと、が挙げられます。

もっとも、離婚せずに不倫相手に対する慰謝料請求をするデメリットとしては、①不倫相手と接触する必要がある、②他方配偶者(不倫した配偶者)が不倫相手から求償される可能性がある、ということが挙げられます。

 

7 まとめ

配偶者に不倫されたために、精神的に多大な苦痛を受けた方にとっては、不倫相手に対して慰謝料請求をすることは、精神的な慰謝だけではなく、経済的な慰謝、そして他方配偶者との婚姻生活の平穏を回復するための手段といえます。

もっとも、不倫相手に慰謝料を請求することは、必然的に不倫相手との接触が生じる上、他方配偶者と不倫相手との不倫の状況を確認する必要もあるため、より大きなストレスを被ることにもなりません。

一方、不倫相手に対する慰謝料請求を弁護士に依頼することで、弁護士が依頼者の代理人として、不倫相手との交渉や、証拠の整理等を対応することになるため、慰謝料請求に伴うストレスを軽減することが期待できます。

茨城県で、離婚問題や不倫相手に対する慰謝料請求にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

 

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