不貞慰謝料 ③慰謝料請求の時効

2018-08-02

1 不倫の慰謝料請求について

(1)法律上の意味

慰謝料とは、精神的苦痛を受けたことに対して支払われる金銭であり、夫婦の婚姻中に、配偶者が自分以外の異性と性的な関係を持った場合に、不倫をした配偶者もしくは不倫相手に対して請求することが可能です。法律上は、「不法行為に基づく損害賠償請求権」(民法709条)に該当します。

 

(2)不倫による慰謝料はいつでも請求できるか

基本的は以下の①-③の要件をすべて満たした場合に請求できることになります。

① 不倫(不貞行為)の事実

夫婦(婚約・内縁関係)にある男女のどちらかが、配偶者以外の異性と自由な意志で肉体関係を持つ貞操義務違反を不貞行為といい、不倫による慰謝料の請求が認められるためには不貞行為の事実が必要になります。

 

② 不倫相手の故意・過失

不倫相手が、不倫をした配偶者が既婚者であることを知りながら性的関係を持つか、容易に知りうる状況にありながら知らずに性的関係を持ったことが必要です。

 

③ 不貞行為時点で婚姻関係が破綻していないこと

「夫婦円満で家庭が平和であること」が守るべき保護法益になりますので、すでに婚姻関係が破綻しているような場合には、慰謝料を請求することはできません。

 

2 慰謝料請求の時効

(1)慰謝料請求権が消滅するまでの期間

慰謝料請求権が認められるとしても、権利を行使せずに放っておくと、時効によって消滅することになります。

では、どれくらいの期間で消滅してしまうのでしょうか。法律によると、次の2つのうち、いずれかの期間が経過した時点で時効消滅することとなります。

① 不倫関係があったときから20年間(除斥期間)
② 配偶者が不倫をしたことを知ってから3年間(消滅時効)

なお、消滅時効の場合、民法724条により「損害及び加害者を知ったとき」から時効が進行します。具体的には、不倫相手の住所や名前を知ったときから時効が進行することになります。

 

(2)時効期間が経過しても「時効の援用」をされなければ請求可能

消滅時効について、3年という期間が経過したからといっても、自動的に請求ができなくなるわけではありません。不倫をした配偶者や不倫相手が「3年経過したのでもう慰謝料の請求はできませんよ」と時効の援用をして初めて、慰謝料請求権は消滅することになります。

 

3 時効を止めることはできるのか

時効が迫っていることに最近気づき、慌てていらっしゃる方もいるかもしれませんが、以下の2つの方法により、時効を止めることができます。とはいえ、消滅時効期間が間近に迫っているような場合には支払い督促や訴訟提起の手続をすることはなかなか容易ではないかもしれません。

 

(1)消滅時効を一旦ストップさせる方法

「催告」をすることにより、消滅時効を一旦ストップさせることができます。「催告」とは、裁判外で内容証明郵便等を送付して請求しておけば一時的に時効が止まるという制度になります。ただし、時効完成日を6ヶ月だけ先送りにして時間的猶予を与えるという暫定的な効果しかありません。

 

(2)消滅時効をふりだしに戻す方法

裁判上の請求をした場合には、その時点で消滅時効はふりだしに戻ります。時効期間が迫っている場合には支払い督促や訴訟の提起をするとよいでしょう。

 

4 まとめ

配偶者に不倫をされて、慰謝料を請求したいと思っている場合、確たる証拠の収集が難しかったり、慰謝料を請求できる権利に消滅時効があったりするなど、ご注意いただきたい点は多々あります。

お一人では不安な手続も、弁護士にご依頼いただくことで安心して対応することができます。

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