離婚原因としての不貞

【質問】

私は,長年単身赴任をして,家を空けていることが多い生活をしていました。

ところが,私が単身赴任をしている間に,妻に不信な様子が見られるようになったのです。妻に男ができたのではないかと勘ぐってしまいました。

ある日,私が家に帰る途中で,妻がほかの男と一緒に居酒屋から出てくるところを目撃しました。

一体どういうことかと妻に問いつめたのですが,妻はその男とは一緒に食事をしただけで,それ以上の関係はないと言い張るだけでした。

ですが,私が目撃したとき,妻とその男の様子は明らかにただならない雰囲気でした。

仮に妻が言うように,その男と肉体関係までないとしても,私を裏切っていたことには変わりないと思います。

 

このような妻の行為を理由として,妻と離婚することはできないのでしょうか。

 

【回答】

民法770条1項1号は,「配偶者に不貞な行為があったとき。」に他の配偶者が離婚の訴えを提起できると規定しています。

そこで,妻に「不貞な行為」があったかどうかは,この「不貞な行為」の意味をどう理解するのかに関わってきます。

「不貞な行為」の意味を広く捉えれば,妻が夫以外の男と頻繁につき合っているということはあなたにとって不信な行為であり,不貞行為と言える余地もあるかもしれません。

しかし,「不貞な行為」とは姦通(性的関係を持つこと)を指すと狭く解する立場からは,少なくともその事実がはっきりしない以上,妻にはなお「不貞な行為」があったとは言い難いと思われます。

 

このような場合には,「不貞な行為」があることを理由に離婚をするのではなく,「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)があることを理由に離婚することを検討する方がよいでしょう。

あなたが単身赴任をしてまで仕事を頑張っているにもかかわらず,妻があなたとの円満な夫婦関係を維持する努力をしていないと考える余地もあります。

但し,離婚の訴えを提起したからといって,当然に離婚が認められるとは限りません。

民法770条2項は,「裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」と規定しています。

すなわち,あなたがどれだけ強く離婚を求めても,事情によっては,裁判所が離婚を認めないことがあるのです。

なお,ここでいう「一切の事情」とは,妻の反省の有無,程度,子どもの有無,年齢,当事者双方の年齢,資産の程度,婚姻の期間などの諸事情が勘案されます。

 

 

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