調停離婚(家事審判法第21条)は、当事者が家庭裁判所に調停を申し立て、調停委員が間に入り夫婦それぞれの主張を聞きつつ話し合い進め、当事者双方の合意のもと、離婚に至る形態です。
裁判離婚をする場合、訴訟を提起する前に、調停を経ていなければなりません(調停前置主義、家事事件手続法257条)。
調停を行う事は実際に紛争解決に効果的で、調停の申立のうち不成立に終わるものは全体の2割となっています。
離婚調停は男女それぞれ1名ずつ、2名の調停委員により進められます。
調停委員の人選は裁判所の裁量で行われ、40歳から70歳で、調停委員となる希望を出した者の中から調停を行うについて相当な見識を有すると認める者の中から選ばれます。
弁護士、税理士などの士業のほか、会社を定年退職した方など、様々なバックグラウンドを持つ方が選ばれているようです。
調停は月に1回のぺースで行われ、おおむね半年間程度続けられます。
代理人弁護士のみを出頭させることができますが、第一回目及び最後の調停だけは本人も出頭しなければなりません。
相手方と顔を合わせたくない場合、その理由を裁判官に上申すれば、個別聞き取りの方式を採ってもらえます。
離婚調停の費用は手数料のほか、呼び出し状の郵送代などで数千円の費用がかかります。
ただ、調停の代理人として弁護士を付ける場合、弁護士費用が別途必要になります。
調停申立書には慰謝料、養育費、財産分与の希望金額の記載をしなければなりません。
この金額を元に双方の互譲を引き出すよう調停が進められます。
金額の相場がわからない場合は、事前に弁護士に相談するなどしておきましょう。
また、離婚調停では、調停委員にこちらの言い分を理解してもらい、有利に進めていく必要があります。
離婚調停であっても、通常の交渉事案と同様、高度な交渉能力が求められます。
ご自分での対応が困難だと感じた場合には、弁護士へのご相談もご検討ください。