配偶者がアスペルガー症候群である、またはADHDである、ということで、夫婦間でご苦労を抱えていたり、またはそのような診断を受けてはいないものの、配偶者の様子にどことなく気になる点がある、おかしいと感じる行動がある、と悩んでいたりする方は多いのではないでしょうか。
ここでは、アスペルガー症候群とADHDについて説明いたします。
1 アスペルガー症候群とは
自閉症スペクトラムの中にカテゴライズされるアスペルガー症候群とは、先天的な脳の機能障害です。
アスペルガー症候群の人は、職場でのコミュニケーションや人間関係に難しさを感じたり、興味や関心の幅がせまく、特定の対象に強いこだわりを見せたりすることがあります。
また、日常生活がパターン化しやすかったり、五感が非常に敏感(またはその逆)だったりします。
(1)具体的な特徴
① チーム・グループでの業務が苦手
アスペルガー症候群の人は、集団の中で行動することが苦手な場合が多いので、職場や町内会等の活動で適切な距離感を持ちながら行動することが難しいことがあります。
チームの中で自分がどう動けばよいかが把握できないまま、自分が良いと思ったことを行動に移してしまい、「空気が読めない」と思われてしまうこともしばしばです。
② 伝えたいことが伝わらない
アスペルガー症候群の人は、職場での業務の指示を誤って理解したり、伝えるべきことがうまく伝えらなかったりします。
ビジネスの場では、言われたことを瞬時に理解して返答しなくてはならないような場面もありますが、なかなか理解のスピードが追い付かなかったり、相手の気持ちに沿った返答をすることが難しかったりして苦労することがあります。
③ 自己流で物事を進めてしまう
アスペルガー症候群の人は、特定の物事にこだわる傾向があるので、業務上マニュアル通りに進めなくてはならないものであっても、自分が気になるところがあるとそこにだけ注力してしまうことがあります。
(2)診断
アスペルガー症候群の診断は、医師が行います。
インターネットでもセルフチェックテスト等を行うことができますが、不安があれば病院を受診するようにしましょう。
医師による問診、これまでの経緯、日常生活で困っていること等の確認後に心理的検査や生理的検査が行われることになります。
2 ADHDとは
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は不注意、多動性、衝動性の3つの症状がみられる発達障害のことです。行動へのあらわれ方は人それぞれですが、日常のコミュニケーションに支障をきたすことがあり、職場での業務に問題が生じることもあります。
(1)具体的な特徴
① ミスが多い
ADHDの人は、仕事に必要なことを忘れたり、ケアレスミスが多かったりします。
また、期日管理が難しく、提出物が締め切りまでに提出できないこともあります。
② 落ち着きがなく見える
ADHDの人は、指先で机をトントン叩く癖や貧乏ゆすりがやめられないことがあります。
また、会議中であっても集中することができず、そわそわと落ち着かない素振りを見せることがあります。
③ 自分が抑えられない
ADHDの人は、会議中に不用意な発言をしてしまったり、みんなで物事を進めるべき場面でも、自分が良いと判断したことは物事を他人の意見を聞かずに進めてしまったりすることがあります。
(2)診断
ADHDかどうかについての診断も、医師が行います。
まずは問診から始まりますので、受診する前に、日常生活で困っていることや悩んでいることなどをまとめておくとよいでしょう。
問診後は、心理的検査や生理的検査が行われることになります。
3 まとめ
配偶者がアスペルガー症候群またはADHDである場合やそれらが疑われる場合、症状が出ている本人も苦しいですが、それを支える側もまた苦労が絶えないでしょう。
配偶者の症状が重篤な場合、離婚についても考えることがあるかもしれません。そのようなときは、夫婦の問題だから、と一人で抱えこまずに専門家に相談するようにしましょう。第三者が間に立って話をすることで、解決策が見えてくることもあります。
当事務所は茨城県全域に渡ってサービスを展開しており、経験豊富な弁護士がサポート致します。配偶者がアスペルガー症候群またはADHDで離婚をお考えの場合は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。