1 再婚について
再婚をする場合、手続きは初婚の場合と変わりません。再婚するにあたって気を付けるべき点はあるのでしょうか。以下詳しくみてみましょう。
2 再婚に関する法律と戸籍
まずは、婚姻適齢、重婚の禁止など「婚姻できる条件」を満たす必要があります。
加えて、女性が再婚する場合は、「再婚禁止期間」に留意する必要があります。この再婚禁止期間は、平成28年6月1日に改正され、この改正によって、女性の再婚禁止期間は大幅に短縮されました。さらに以下の条件さえ満たせば、再婚禁止期間内でも再婚できるようになったのです。
① 離婚が成立した日から100日経った
② 離婚したとき妊娠していなかった証明書の提出
③ 離婚後に出産したという証明書の提出
【参考条文】
第733条 (再婚禁止期間) 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 1.女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合 2.女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合 (再婚禁止期間内にした婚姻の取消し) 第746条 第733条の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消しの日から起算して百日を経過し、又は女が再婚後に出産したときは、その取消しを請求することができない。 |
3 戸籍の変更
初婚同様、再婚相手と同一の戸籍に入ることになります。これに伴い、①婚姻届の提出と同時に、どちらかを筆頭者にした戸籍が新たに作られ、②相手の戸籍へ移動した時点で、これまで入っていた戸籍からは除籍される、ということになります。
4 再婚するための手続き
再婚相手とともに、婚姻届を提出して手続き完了です。入籍後は、住民票や社会保険などの手続きを行っておきましょう。姓が変わった場合には、銀行口座やクレジットカードの名義変更手続きも必要になります。
5 どちらかに子どもがいるときの再婚
自分か再婚相手に子どもがいる場合は、再婚前に「子どもの名字や戸籍」のことを決めておく必要があります。再婚すると、自分は再婚相手と同じ苗字になり、同一の戸籍に入ることになりますが、何もしなければ子どもの戸籍はもちろん、苗字も変わりません。子どもの養育や相続ついても後々トラブルにならないようきちんと考えておく必要があります。
6 養子縁組・特別養子縁組とは
養子縁組とは、血縁関係がない者同士を、法律上の親子関係とする契約のことを指します。養子縁組には、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2つの制度があります。
(1)普通養子縁組
血のつながった父母との親子関係を維持したまま、新たに養親とも法律上の親子となる制度です。この場合、養子になる子どもは「普通養子」と呼ばれます。一般的に再婚時に行われる養子縁組はこの普通養子縁組になります。
(2)特別養子縁組制度
血のつながった父または母との関係は完全に断ち切り、養親となる方を実親と同じ扱いにするための制度です。特別養子縁組を行うためには、様々な条件が規定されています。
7 離婚した元配偶者との再婚
一度離婚をした相手とでも特別な手続きをすることなく再婚できます。
8 再婚したことを前の配偶者に知られてしまうことはあるのか
元配偶者は、離婚により他人になっているため、現在の状況を探ることはできません。そのため、再婚したことを知られることはないと言えます。ただし、元配偶者は、実子の戸籍抄本を取ることは可能です。そのため、元配偶者との間に子どもがいる場合は注意が必要です。市区町村役場で、戸籍や住民票の閲覧制限について相談しておくと安心です。
9 まとめ
縁あって再婚をされる場合には、心おきなく新しい生活を楽しみたいと思われることでしょう。そのためにも再婚における留意点を理解しておくことはとても重要です。
再婚にあたってはそれほど難しい手続きもありませんが、少しでも不安なことがあればすぐに弁護士に相談しましょう。
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