よくあるご質問

離婚について

  • 離婚は、市役所に届出をしてしまえば成立すると聞きました。もし夫が私に無断で離婚届を出してしまったら、離婚は成立してしまうのでしょうか。

離婚届の審査は形式審査です。
したがって、たとえ偽造された離婚届でも、形式さえ整っていれば受理されてしまいます。
そうすると、ご本人の知らないところで、相手方が無断で離婚届を出してしまうということが想定されます。
そこで、離婚を希望しない者から、あらかじめ離婚届を受理させないための、不受理申出制度が設けられました。
不受理申出をしておくことで、ご本人に無断で離婚届が提出されることを防ぐことができます。


  • 離婚の際、相手方に強く押し切られてしまい、お金は一切もらえずに離婚届にサインしてしまいました。離婚が成立してしまっている以上、もう何も請求できないのでしょうか。


離婚が成立した後でも、財産分与や慰謝料、養育費を請求することは可能です。
もっとも、財産分与請求権は、離婚してから2年が経過すると、消滅してしまいます。
したがって、離婚成立後に財産分与等を請求することをご検討の方は、出来る限り早く動く必要があります。


  • 相手方から、養育費の提案がありましたが、収入に比べてかなり低い金額のように思えます。 養育費の相場はあるのでしょうか。


養育費や婚姻費用は、平成15年に「東京・大阪養育費等研究会」がまとめた算定表が発表されて以来、この算定表に基づいて算定することが実務上一般的になっています。
もっとも、特別な事情がある場合には、この算定表に従わないで算定することもあります。
相手方が提示した養育費や婚姻費用に疑問があれば、お気軽にご相談ください。


  • 相手方が浮気をして家を出て行ってしまいました。相手方に離婚の原因がある場合にも、婚姻費用を支払わなければならないのでしょうか。


婚姻費用のうち、養育費に該当する部分は、相手方に責任があるかどうかに関わらず支払わなければなりません。
また、婚姻費用のうち、相手方の生活費に該当する部分も、原則として支払わなければなりません。但し、離婚の原因が主に相手方にあるような場合には、減額されると判断した審判もあります。


  • 離婚した後に仕事が変わってしまい、給料が大きく下がってしまいました。 このままでは養育費を支払い続けられないと思います。どうすればよいでしょうか。


収入が減ってしまい、養育費の支払が困難になった場合には、まず相手方に連絡し、その旨を伝えた上で、養育費の減額に応じてもらうよう話し合うべきです。
話合いでも解決しない場合には、養育費の減額を求める調停を起こす必要があります。


  • 夫が浮気相手と一緒になるから離婚したいと切り出してきました。夫からの離婚は認められるのでしょうか。


離婚の原因を作った者からの離婚請求は、別居期間が長期にわたるなど、特別な事情がなければ原則として認められません。

親権者をどちらとするかで争いになっています。親権者は、どのような基準で決まるのでしょうか。
親権者をどちらとするかが争いになった裁判例を整理すると、概ね以下の判断基準があると考えられます。

  1. 父母の事情
    監護に対する意欲(子に対する愛情の度合い)や監護に対する現在及び将来の能力(親の年齢、心身の健康状態、経済力、生活環境等)等があります。
  2. 子の事情
    子の年齢、性別、子の意思、子の心身の発育状況、兄弟姉妹の関係、環境の変化による影響の度合い、親や親族との情緒的結びつきなどがあります。
  3. 継続性の原則
    これまでに実際に子を監護してきた者を優先させるという考え方です。
  4. 兄弟姉妹不分離の原則
    兄弟姉妹は一緒に育てるべきであるという考え方です。
  5. 母親優先の基準
    乳幼児については、特別の事情がない限り母親に監護させることが子の福祉にかなうとした裁判例があります。


  • 相手方がどうしても話合いでは離婚に応じてくれません。どうすればよいのでしょうか。


協議離婚に応じてくれない場合には、調停離婚を検討する必要があります。
また、調停離婚も成立しない場合には、裁判離婚を検討することになります。
なお、裁判離婚の前に、調停離婚を申し立てなければなりません(調停前置主義)。


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