シングルマザーの就職・転職で押さえるべきポイント

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はじめに

離婚をしてシングルマザーとなった場合、仕事と子育ての両立は大きな課題です。経済的に自立するためには、就職や転職を前向きに検討する必要がありますが、子どもの年齢や家族環境、勤務条件など制約が多く、思うようにいかないことも少なくありません。また、離婚直後は精神的な負担も大きいため、焦りや不安が募りがちです。

本稿では、シングルマザーの就職・転職に焦点を当て、利用できる公的制度や支援サービス、仕事探しのポイント、生活保護などのセーフティーネットについて解説します。

法的観点だけでなく、就労や福祉制度に関する実務的な知識も交えて、女性が離婚後に自立していくためのヒントを整理しています。

Q&A

子どもが小さいうちにフルタイムで働くのは難しいでしょうか?

保育園や幼稚園、学童保育を上手に活用すればフルタイム勤務も可能ですが、病気や行事などで急に休む必要が出ることも多いです。時短勤務や在宅ワークなど、職場の理解や柔軟性を重視して仕事を探すことが大切です。

生活保護を受けながら就職活動をすることはできますか?

生活保護を受給していても就職活動は可能で、むしろ就労による自立が奨励されます。ただし、収入があると保護費が減額される場合もあります。就職が決まったらケースワーカーに相談しながら手続きを進めましょう。

就職・転職先が見つからない場合、どこに相談すればいいですか?

ハローワークや地方自治体が運営するマザーズハローワーク、子育て支援NPOなどが主な相談先です。母子家庭向けの就労支援プログラムや職業訓練を利用することで、自分のスキルや状況に合った働き方を探しやすくなります。

正社員になるために資格を取得したいのですが、どんな制度が使えますか?

ハローワーク経由で受講できる職業訓練や、自治体の女性支援センターが開催する資格講座などがあります。看護師や介護福祉士、保育士、IT系の資格などは比較的ニーズが高い分野です。資格取得期間中の生活費を補助してもらえる制度もあるのでチェックしてみましょう。

子どもの預け先が見つからないと働けないのですが、どうすればよいですか?

保育園や学童保育の空き状況は地域によって大きく異なります。待機児童が多い地域では、自治体が一時保育や認可外保育の助成を行っていることもあります。早めに情報収集を行い、複数の施設を候補に入れて申し込むのがおすすめです。

解説

シングルマザーの就職・転職ステップ

  1. 自己分析と希望条件の整理
    子どもの年齢やサポート体制(親族の協力など)、現在のスキルや経験などを踏まえて、どんな働き方が理想なのかを考えます。フルタイムが難しければ時短勤務やパート、在宅ワークを検討し、将来的な正社員化を目指す方法もあります。
  2. 情報収集と相談先の確保
    • ハローワークのマザーズコーナー:子育て中の求職者をサポート
    • 自治体の就労支援センター:職業訓練やセミナーの紹介
    • NPO・団体のサポート:シングルマザー向けの交流会や情報提供
  3. 職業訓練や資格取得の検討
    長期的に安定した収入を得るには、資格や専門スキルがあると有利です。看護・介護・保育・ITなど、比較的求人ニーズが高い分野を中心に検討してみましょう。
  4. 就職活動と選考対策
    ブランクがある場合は、履歴書・職務経歴書の書き方や面接練習をしっかり行いましょう。就職活動は思った以上に時間と労力がかかるので、子どもの預け先とスケジュール管理が重要です。

公的制度と支援サービスの活用

  1. 生活保護
    収入や資産が一定以下の場合、生活保護を受けながら就職活動をする選択肢もあります。就職が決まれば保護費が減額・停止されますが、当面の生活を支えつつ仕事を探せるメリットがあります。
  2. 児童扶養手当・児童手当
    • 児童扶養手当:シングルマザー(またはシングルファザー)を対象に、所得制限の範囲内で支給されます。
    • 児童手当:子どもの年齢によって支給額が決まっており、中学生まで支給対象です。
  3. 自立支援教育訓練給付金
    母子家庭が一定の教育訓練を受ける際、費用の一部を助成する制度です。看護・保育・介護等の資格取得を目指す人にとって有益な制度と言えます。
  4. 母子・父子自立支援給付金制度
    高等職業訓練促進給付金など、指定の専門学校や大学に通う場合、生活費に相当する給付が受けられる制度があります。対象となる資格や条件は自治体によって異なるため、詳細はお住まいの市区町村に確認してください。

実務的なポイント

  • 子どもの預け先の確保
    保育園・学童保育は早めの申し込みが基本。認可外保育やファミリーサポートを併用すると選択肢が広がります。
  • 就業条件の確認
    残業の有無や休日出勤、通勤時間、リモートワークの可否などを事前に確認しておくと、入社後のトラブルを回避しやすくなります。
  • キャリアアップの視点
    最初はパートや派遣でも、経験を積んで正社員登用を狙う道があります。経歴や実績を積むことは、将来的な収入アップに直結します。

弁護士に相談するメリット

  1. 離婚協議時の財産分与・養育費を有利に
    離婚時に十分な財産分与や養育費を確保できれば、就職・転職の準備期間をゆとりをもって過ごせます。弁護士は適正な金額や交渉手段をアドバイスしてくれます。
  2. DVやモラハラなどのトラブル対応
    働きたくても夫の暴力や精神的支配によって動きが取れない場合、保護命令や別居サポートなど、法的手段で安全を確保しながら就労の道を探す必要があります。弁護士が状況に応じた対処を行います。
  3. 生活保護の活用と同時進行
    離婚後すぐに働き口を見つけられないケースでは、生活保護の申請を検討することもあります。弁護士に相談すれば、離婚手続き・保護申請・就労に向けた実務的な情報を一括で得られる可能性があります。
  4. 法的視点からのキャリア支援
    一見、弁護士とは無関係に見える就職・転職ですが、離婚後の家計管理やトラブル回避など、法的リスク管理の視点は役立ちます。

まとめ

  • 離婚後の就職・転職は、シングルマザーが経済的自立を達成するための大切なステップ
  • 公的支援(生活保護・児童扶養手当・教育訓練給付など)を活用して、働きながら安定した生活を築く
  • 仕事探しは子どもの預け先や勤務条件を優先的に考慮し、無理のない働き方を模索
  • 弁護士に相談すれば、離婚時の財産分与・養育費の確保からDV対策まで一括でフォローが可能

子どもを抱えながらの離婚は大きな負担ですが、視点を変えれば新しい人生を切り開くチャンスでもあります。必要に応じて支援制度や専門家の力を借りつつ、よりよい職場環境と生活基盤を築いていきましょう。


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