「パートナーが不倫をしたことを知ってしまった」
「パートナーが不倫相手と一緒になりたいから離婚してほしいと言ってきている。こんな身勝手な人とはもう一緒に過ごしたくない」
パートナーが不倫をしたことを知ったとき、多くの方は信頼している人から裏切られたと感じ、強い悲しみと怒りを覚えると思います。当事務所にご相談に来られる方も、多くが強いショックを受け、悲しみと怒りの感情を吐露されています。
このようなパートナーと一緒に過ごすことはできないと考え、離婚しようと考えられるかもしれません。そのようなお気持ちはもっともなことと思います。
ですが、すぐに離婚届を提出するのではなく、一旦冷静に考えていただく必要があります。
パートナーが不倫をした場合、離婚の交渉にあたっての主導権は、不倫をされた側にあります。不倫・不貞をしたパートナーは、有責配偶者にあたり、離婚請求が認めらないことが原則です。
つまり、原則として、不倫・不貞をされた側が離婚に同意しなければ、不倫・不貞をしたパートナーは離婚したくとも離婚できない、ということが原則となります。
したがって、交渉次第では、離婚に応じる代わりに相当有利な慰謝料や財産分与等を引き出すことも可能となります。
離婚交渉にあたって注意すべきポイント
このように、不倫・不貞をされた側は有利な立場にありますが、注意してきただきたい3つのポイントがあります。
不倫・不貞の証拠の確保
前提として、パートナーが不倫・不貞をしたことの証拠を確保する必要があります。
この点、友人や知人など、第三者がパートナーの不倫・不貞を目撃したという程度の証拠では信用性に乏しいため、不倫・不貞の決定的な証拠とはいえません。
写真やメール、FacebookやLINE、本人の謝罪文や謝罪の言葉(録音)など、不倫・不貞を証明できる証拠を確保する必要があります。
なお、仮に不倫・不貞の証拠を得たとしても、相手方が消去しないとも限りませんので、保全しておくことも注意しなければなりません。
生活費(婚姻費用)の確保
不倫・不貞をしたパートナーの中には、離婚が成立していないにもかかわらず不貞相手と同居するようになり、生活費を一切支払わなくなることもあります。
このような場合には、離婚が成立するまでの間、不倫・不貞をしたパートナーに対し生活費(婚姻費用)を請求することが考えられます。
交渉のみでは支払いに応じない場合には、婚姻費用分担調停を提起することで、裁判所から支払を命じてもらうことが可能となります。
不倫・不貞をしたパートナーにとって、生活費(婚姻費用)の支払を命じられることは大きな負担となります。今後の交渉を有利に進めるためにも、生活費(婚姻費用)の支払は確保しておく必要があります。
安易に離婚に応じない
不倫・不貞をされた側が離婚にあたって交渉を有利にすすめることができる理由は、離婚に応じるかどうかを選択できる主導権を有していることにあります。
仮に、不倫・不貞をされたショックで、安易にパートナーに対して離婚に応じることを約束してしまうと、この主導権を放棄したことになりかねません。
したがって、慰謝料や財産分与等で納得できる条件がまとまるまでは、決して安易に離婚に応じることのないようにしましょう。
不倫・不貞をされお悩みの方へ
信頼しているパートナーに不倫・不貞をされてしまい、強い苦痛を受けている方は少なくありません。すぐにでも離婚したいというお気持ちももっともかと思います。
ですが、すぐに離婚に応じるのではなく、どのような条件で離婚をしたほうがよいのかを、一度立ち止まって考えていただきたいと思います。
当事務所では、不倫・不貞をされた方からのご相談も多数受け付けております。不倫・不貞をされてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談にお越しください。