1 不倫相手の損害賠償義務
ご夫婦の一方の配偶者と不貞行為(不倫・浮気)に及んだ第三者は、故意または過失がある限り、他方の配偶者が被った精神上の苦痛に対する損害賠償義務があります。
最高裁判例では、「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両者の関係が事前の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯、右他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである。」と判示され、慰謝料請求を認めています。
不倫相手に対する慰謝料請求は、配偶者に対する離婚請求と併合し、家庭裁判所に請求することもできます(人事訴訟法17条)。
2 慰謝料額の相場
慰謝料額は、不倫相手の関与の程度や、ご本人の受けた苦痛の程度によって異なります。
慰謝料額の算定は、相手方の年齢や資力、関係の発生や継続についての主導性、不貞行為により夫婦関係が破綻に至ったか等、諸事情が考慮され金額が決定されます。
不倫相手に対する慰謝料の相場は、現在は100万円〜300万円程度が多いようです。
3 立証のポイント
不貞行為は、その性質上、立証が困難なことが多い傾向にあります。
浮気相手と連絡をとり合っている趣旨の手紙やメールなども重要な証拠となります。
まずは、立証できるだけの証拠があるかどうかを検討する必要があります。
また、興信所で調査してもらい、証拠を集めた上でご相談に来る方もいらっしゃいます。
もっとも、興信所では高額の調査費用がかかるほか、空振りに終わってしまうこともありますので、ご利用するかどうかは慎重にお考えください。
なお、興信所等の調査に要した費用も、不倫相手に対して損害賠償請求することもできますので、ご相談ください(調査費用全額が認められるとは限らないことにご留意ください)。
4 婚姻関係破綻後の不貞行為(不倫・浮気)について
ところで、婚姻関係が破綻した後に、一方配偶者と不貞行為(不倫・浮気)に至った場合には、慰謝料請求は認められません。
最高裁判例では、「婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情がない限り、不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。」と判示され、慰謝料請求を認めていません。
実務上、いつの時点で婚姻関係が破綻していたと言えるのかがよく問題となります。
一つの判断要素として、別居が先行している場合には破綻していたと判断される傾向にあるようですが、別居=破綻と必ずしも判断されるわけではないことにご注意ください。
5 弁護士費用について
不貞行為(不倫・浮気)の相手方に対する慰謝料請求をご検討されている方にとって、当事務所はご相談しやすいよう、シンプルかつリーズナブルな弁護士費用を設定しています。
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