これまで、当事務所で解決してきた事件についてご紹介いたします。
(ご留意事項)
- 実際に担当した案件に基づいておりますが、掲載・解説の都合上、一部事情を抽象化しております。
- あくまでも参考例であり、個別のケースによって解決内容や方針は異なります。結果をお約束するものではないことを予めご了承ください。
【相談者】
突然に離婚を求められた女性からの相談 |
【相談前】
突然に離婚を求められた女性からの相談です。
女性は、夫とは10年以上にわたり婚姻生活を送り、平穏な日々を過ごしていました。
ところが、夫が精神疾患に罹患し、自宅に引きこもるようになってから、徐々に夫との関係が変わってくるようになりました。
当初は夫も献身的に支える女性に対して感謝の気持ちを示していましたが、引きこもり生活が長引くようになると、自由気ままな生活を優先するようになり、女性との衝突が増えてくるようになりました。
そして、些細なことをきっかけに夫婦喧嘩が起きたとき、夫は実家に帰ってしまい、女性だけが1人自宅に残されてしまいました。
その後、夫は、女性に対して一方的に離婚を求めてきました。
女性は、夫との関係修復を求めて話し合いをしようとしましたが、夫は一切応じようとしませんでした。
女性は、今後の夫との関係をどうしたらよいかわからず、当事務所に相談に来られました。
【相談後】
これまでの婚姻生活の経緯等をうかがったところ、本件では女性側に法定離婚原因があるとは言い難いケースでした。
また、別居期間もまだ数か月に過ぎなかったため、別居期間という点からも離婚が認められるとは考えにくいケースでした。
女性には、法定離婚原因があるとは言い難く、裁判等で争っても夫からの離婚請求は認められないのではないかという見通しをお話しました。
当初は女性も夫とのやり直しを希望し、離婚請求自体を争う方針でした。
しかし、交渉や調停を通じて夫側の対応をみるにつけ、夫にはもう婚姻生活をやり直す意思がないことを悟ると、女性も離婚請求自体は争わず、慰謝料や財産分与を請求する方針に切り替えました。
裁判では、財産関係の資料の調査・検討を中心に行い、最終的に解決金約500万円を獲得することで離婚が成立しました。
【担当弁護士からのコメント】
明らかな離婚原因がないにもかかわらず、他方配偶者から一方的に離婚を求められるということは少なからず見受けられます。
このようなケースでは、徹底して離婚自体を争うか、離婚自体は認めるとしても財産的請求で譲歩を引き出すかを検討する必要があります。
適切な離婚問題の解決のためには、どのような方針で臨むのかを選択することが大切ですので、この点については弁護士とよく相談した上で決めるべきといえます。