【離婚問題コラム】再婚までの準備15 協議離婚の無効・取消しと再婚

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1.虚偽の離婚届

「夫が離婚届を偽造して役所に届け出てしまった」このような場合、離婚は認められるのでしょうか。結論からいうと認められないのですが、以下解説していきます。

 

2.協議離婚の無効

(1)協議離婚の無効

協議離婚が有効であるためには、夫婦ともに、離婚届を提出する時点において離婚する意思が存在する必要があります。もし、どちらか一方の離婚意思が欠けていた場合には、協議離婚は無効になります。その場合に、再婚をすると重婚状態になり、関係者からの請求で再婚が取消されることになります(民法第744条・第732条)。

 

(2)無効の協議離婚の追認

前述のとおり、夫婦の一方が勝手に離婚届を提出してもその協議離婚は無効です。ただし、後から気づいた配偶者が、無効の協議離婚を追認することができます(最判昭和42年12月8日)。

 

(3)不受理申出制度

当事者の一方の意思に基づかない協議離婚は無効なのですが、形式が整っていれば受理されてしまいます。それを防ぐため、不受理申出制度という制度があります。

不受理申出制度とは、養子縁組・協議離縁・婚姻・協議離婚・認知の届出について、「第三者によるなりすまし」や、「一度は届出の意思を持ち、届書に署名・押印したけれど、役所へ提出するまでにその意思を翻したとき」など、本人の意思に基づかない届出が受理されることを防止する制度です。

原則として、不受理申出をする本人自らが、本籍のある役所へ出頭して、申出書等の申請書を提出する必要があります。不受理申出の有効期限は定められておらず、不受理申出の必要がなくなったときには、申出をした本人自らが出頭して「不受理申出の取下げ書」を提出します。

 

3.協議離婚の取消し

配偶者に騙されて協議離婚したり、配偶者から脅されて身体の危険を感じたためにやむを得ずに協議離婚届をしてしまったときには、その協議離婚を取り消すことも可能です。なお、協議離婚の取り消しは、騙されたことを知った後、または強迫を免れた後、3か月以内に家庭裁判所に対して手続きをしなければなりません。

相手の住所地または双方で合意した土地の家庭裁判所に対して、協議離婚取り消しの調停を申し立てします。調停で解決を図ることができなかった場合は、双方の住所地を管轄する家庭裁判所に対して訴訟を提起して解決することになります。

 

4.まとめ

いったん成立した協議離婚を取り消す等をするには、家庭裁判所での手続きが必要になります。もちろん、家庭裁判所に手続きを確認しながら自分で手続きをすることは可能ですが、法的な手続きは煩雑ですし、専門知識が必要になることもあります。協議離婚の無効や取消しについてお困りのことがあれば、法律の専門家である弁護士に相談しましょう。弁護士であれば、法的なアドバイスも可能ですし、裁判所での手続きもご相談者様に代わって行うことができます。茨城県で協議離婚の無効や取消しに強い弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご相談ください。

 

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