【コラム】様々な離婚について2 婚約破棄と慰謝料

1 婚約とは

婚約とは、将来婚姻を締結しようとする当事者間の契約と考えられており、当事者の合意のみで成立します。つまり、結納や指輪の授受がなくても、当事者同士で合意していれば婚約は成立します。

但し、実際に裁判になった場合には、損約が成立しているかどうかについて、①二人の合意が第三者(親、兄弟、友人、勤務先など)にも明らかにされたかどうか②二人の同意に基づいて新たな生活関係が形成されたかどうか③継続的な性関係があったかどうか④二人が合意したときに、その合意の意味を判断できる成年者であったかどうか⑤父母に言われて簡単に交際を絶ったかどうかなどにより判断されることになります。

 

2 婚約破棄には正当な理由が必要

婚約は、正当な理由がなければ一方的に破棄することはできません。但し、以下のような場合には破棄が認められることがあります。

  1. 婚約相手が浮気をした。
  2. 婚約相手から暴力行為や精神的にダメージを受けるような暴言を受けた。
  3. 婚約相手が精神病患者や身体障害者となってしまった。
  4. 婚約相手が性的不能者となってしまった。
  5. 婚約相手が職を失い、収入が大きく減少した。
  6. 婚約相手の悪質な前科や借金、異性との深い関係が清算されていなかった、などの事実を婚約後に知った。

婚約をしたものの親や兄弟の反対を受けたり、一緒に暮らすことを考えたら性格が合わないと感じたりすることもあるかもしれませんが、それらの理由だけでは正当な理由とは言えず、婚約破棄は認められません。

 

3 婚約破棄の慰謝料・損害賠償の相場

正当な理由がないにも関わらず、相手から一方的に婚約を破棄された場合には、慰謝料(精神的損害)や損害賠償(財産的損害)の請求ができることがあります。

慰謝料の相場としては、50万から200万円程度になりますが、実際には、婚約に至るまでの交際期間、婚約後の期間、婚約破棄の原因、妊娠等の有無、社会的立場や経済的事情等、様々な事情を考慮して決定されることになります。

 

4 慰謝料請求の手順

(1)当事者同士での話し合い

直接会ってでも電話でもメールでもかまいませんので話し合いを行い、当事者同士での合意ができれば、合意に基づいた金額を請求します。

 

(2)調停・裁判

元婚約者が話し合いに応じない、当事者同士での合意ができない場合は、慰謝料請求調停を申し立てます。

調停では、調停員が当事者の婚約破棄に至った事情や原因を聞いたうえで、解決案の提示や助言を行います。

調停でも合意ができなければ、裁判を申立てをします。裁判で有利な判決を得るには、一方的に婚約を破棄されたメールや婚約指輪等、客観的な証拠を準備する必要があります。

 

5 まとめ

婚約破棄をされた場合、慰謝料や損害賠償の請求について検討することもあると思いますが、元婚約者がが話し合いに応じないこともありますし、応じたとしても双方の主張が食い違い、なかなか話がまとまらないこともあります。そのような場合は、一人で悩まずに早急に弁護士に相談するようにしましょう。

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