【離婚問題コラム】再婚までの準備⑩ 配偶者と死別した場合

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1.死別と離婚との違い

離婚も死別も婚姻関係が消滅しますが、どのような違いがあるのでしょうか。

離婚とは、婚姻関係にある生存中の当事者同士が、有効に成立した婚姻を婚姻後に生じた事情を理由として将来に向かって解消することであり、死別とは、配偶者と死に別れることです。

 

(1)相続

離婚の場合相続は発生しませんが、死別の場合は相続が開始されます。

 

(2)財産分与

離婚の場合は財産分与について話し合われますが、死別の場合は財産分与は問題になりません。

 

(3)姻族関係

姻族とは、婚姻関係を契機とする配偶者の血族および血族の配偶者のことです。姻族関係は、離婚によって当然に消滅しますが、死別の場合は、残された配偶者が姻族関係終了の意思表示をしてはじめて終了します。

 

(4)復氏

婚姻による氏を改めた配偶者は、離婚によって当然に婚姻前の氏に復しますが、死別の場合は、残された配偶者が復氏を望んだ場合にのみ婚姻前の氏に復します。

 

(5)子どもの親権者および監護権者

未成年の子どもがいる場合、離婚するときには子どもの親権者や監護権者を決定するということが問題になりますが、死別の場合はこれらの問題は生じません。

 

2.配偶者の死別後の再婚

(1)再婚後、結婚はいつからできるか

配偶者との死別は悲しい出来事ですが、新しい出会いがあって、再婚を希望することももちろんあります。この場合、結婚までの期間の制限はあるのでしょうか。

男性の場合は、再婚の期間制限はありません。これに対し、女性の場合、死別後100日が経過しなければ、再婚することができません(死別時に妊娠していなかった場合や死別後に出産した場合を除く)。女性だけこのような制限があるのは、死別後すぐに再婚して子どもが生まれた場合、子どもの父親がどちらかわからなくなるということを避けるためです。

以上のように、法律では、男性ならすぐ、女性でも死別後3ヶ月もすれば再婚することができます。しかし、三回忌や七回忌を節目と考える人も多いようです。一般的な感覚としては、少し期間をおいてから再婚するのがいいかもしれません。

 

(2)再婚後、恋愛はいつからできるか

では、死別後の恋愛は、いつから許されるのでしょうか。恋愛については、法律による制限はありませんので、いつから恋愛しても自由です。ただ、一般的には少し時間をおいてから、という人が多いのではないでしょうか。

 

3.まとめ

今回は、離婚と死別の違いや、再婚における注意点の解説をしました。平成28年の民法改正により、女性の再婚禁止期間の制限も緩やかになり、以前より早くに再婚できるようになりました。とはいえ、死別の場合は、恋愛関係になったり再婚を考えたりするのは、心理的に抵抗があるかもしれませんし、子どもがいる場合は、子どもへの配慮も必要になります。離婚や死別、その後の再婚に関連してお悩みのことがあれば、弁護士に相談しましょう。ご相談者様のお話を丁寧に伺い、解決に向けてサポート致します。茨城県内で弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご連絡ください。

 

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