養育費の算定表の見方と相場|東京都内の生活費水準を踏まえた弁護士解説

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養育費は、家庭裁判所の算定表に基づき、双方の年収と子どもの人数・年齢から算定されます。東京の生活水準を考慮した加算が認められる場合もあります。

Q. 養育費の算定表とはどのようなものですか?

養育費の算定表は、最高裁判所の司法研修所が策定し、令和元年に改定されたものです。義務者(養育費を支払う側)と権利者(受け取る側)の年収を縦軸と横軸にとり、交差する部分に養育費の月額が記載されています。

算定表は、子どもの人数(1人~3人)と年齢区分(0歳~14歳、15歳以上)ごとに9種類が用意されています。例えば、義務者の年収が600万円(給与所得者)、権利者の年収が200万円、14歳以下の子ども1人の場合、養育費の月額は6万円~8万円の範囲が目安となります。

ただし、算定表はあくまで標準的な生活費に基づく基準であり、個別の事情によって増減する場合があります。算定表は全国一律の基準として作成されているため、東京都内の高い生活費水準が十分に反映されていない可能性があります。

算定表の計算では、給与所得者と自営業者で所得の認定方法が異なります。給与所得者は源泉徴収票で認定が容易ですが、自営業者の場合は税務申告書から認定することになるため、複雑な計算が必要になります。

Q. 東京都内の生活費水準は養育費の算定に影響しますか?

算定表は全国一律の基準であるため、東京都内の生活費水準が直接反映されているわけではありません。しかし、東京都内では住居費が全国平均を大きく上回るため、算定表どおりの金額では子どもの生活水準を維持できないケースがあります。

こうした場合、算定表の金額を超えた養育費を求めることが検討されます。具体的には、子どもの教育費(私立学校の学費等)、医療費(持病がある場合の継続的な治療費)、住居費の加算などが争点となります。

東京家庭裁判所の調停・審判では、算定表を基礎としつつも、個別の事情に応じた修正が認められることがあります。特に、子どもが私立学校に在籍している場合や、婚姱中の生活水準が高かった場合には、増額が認められる可能性があります。千代田区などの都心部では、学費が高い私立学校に子どもが在籍していることも多いため、加算の可能性が高いです。

東京都内の1か月の標準的な生活費は、全国平均より高いとされています。この差を踏まえて、算定表の金額に加算を求めることが合理的です。また、親の所得が高い場合(1,000万円を超える場合など)、算定表の上限を超える計算が必要になります。

Q. 養育費の取り決めで注意すべき点は何ですか?

養育費の取り決めにおいて注意すべき点は、以下の3つです。

第一に、養育費を公正証書で取り決めておくことをお勧めします。公正証書に強制執行認諾条項を付けておくと、相手方が支払いを怠った場合に、裁判手続きを経ずに給与等の差押えが可能になります。これは、子どもの利益を確実に保護するために非常に重要です。東京都内でも、養育費の不払いトラブルは増加しており、公正証書による強制執行可能な形での取り決めが不可欠です。

第二に、養育費の支払期間を明確にしておくことが重要です。一般的には「子が満20歳に達する日の属する月まで」とすることが多いですが、大学進学を見据えて「22歳に達した後の3月まで」と定めるケースもあります。支払い方法(月払い、一括払い等)も明記しておくことが重要です。

第三に、将来の事情変更に備えた条項を設けておくことが有効です。双方の収入の変動、子の進学、再婚などにより、養育費の増減額を協議する旨の条項を入れておくと、将来的なトラブルを防ぐことができます。

第四に、税務申告において養育費の支払いは控除対象にならないことを認識しておくことが重要です。支払う側にとって、養育費は給与から天引きされた後の所得から支払う必要があります。また、受け取る側も養育費は非課税であり、所得税申告の対象にはなりません。

Q. 養育費が支払われない場合はどうすればよいですか?

養育費の支払いが滞った場合の対応方法は、以下のとおりです。

第一に、支払い者に対して催告書を送付することです。内容証明郵便で催告書を送付することで、期間内の支払いを促す効果があります。多くの場合、催告により支払いが再開されます。

第二に、強制執行です。公正証書に強制執行認諾条項がある場合、裁判手続きを経ずに直接強制執行を申し立てることができます。強制執行により、給与や預金を差し押さえることが可能です。東京地方裁判所に申し立てることになります。

第三に、調停或いは審判の申し立てです。養育費の支払い義務の有無や金額について争いがある場合には、東京家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停がまとまらない場合には、自動的に審判に移行し、裁判所が判断します。

第四に、差し押さえ対象の拡大です。従来は給与差押えが主流でしたが、最近では預金や売掛金の差押えも活用されています。支払い者が転職などで給与収入が変動する場合には、預金差押えが有効です。

当事務所東京支所では、養育費の支払い確保に関する相談も多く扱っており、具体的な強制執行手続きについてアドバイスが可能です。

Q. 養育費の相場は東京ではどの程度ですか?

東京都内での養育費の相場は、以下のとおりです。

子ども1人で、双方の年収が給与所得者の場合: ・双方年収が400万円程度の場合、月額4~6万円 ・義務者年収600万円、権利者年収200万円の場合、月額6~8万円 ・義務者年収800万円、権利者年収300万円の場合、月額8~10万円

ただし、これらは算定表に基づく標準的な金額であり、東京都内での加算要因がある場合には、これらの金額を超えることが多いです。特に、子どもが私立学校に在籍している場合や、親の年収が高い場合には、加算が認められることもあります。

また、支払い者が再婚して新たな扶養義務が生じた場合や、病気により収入が低下した場合などには、減額が認められることもあります。養育費は、変動する生活状況に応じて、定期的に見直すことが重要です。東京都内では、生活費の変動が大きいため、特に注意が必要です。

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