【コラム】親権について10 親権と監護権をわけることはあり得る?

質問

妻との離婚を考えていますが、子どもの親権についてもめています。親権は父親である自分が取得し、子どもの日常のお世話等を妻に任せることはできるのでしょうか。

 

回答

親権と監護権を分けることは可能ですが、分けることが認められるのは例外的な場合に限られます。以下、詳しく見ていきましょう。

 

解説

1 親権と監護権

(1)親権とは

未成年者の子どもを監護・養育し、その財産を管理し、その子どもの代理人として法律行為をする権利や義務のことをいいます。具体的には、財産管理権(包括的な財産の管理権、子どもの法律行為に対する同意権)と身上監護権(身分行為の代理権、居所指定権、懲戒権、職業許可権など)を言います。

 

(2)監護権とは

親権の中の身上監護権を指していいます。つまり、親権のうち子どもの世話や教育をする親の権利義務ということになります。

 

2 どのような場合に親権と監護権を分けるのか

親権と監護権は、原則として同一の親に帰属しますが、例外的にこれらを別々に定めることも可能です。具体的には、以下のような場合が考えられます。

  • 親権者としては父親の方が適してるが、監護者としては、子どもが幼いため母親の方が適している。
  • 親権者である父親は、海外への出張が多く子どもの世話や教育がまったくできない。
  • 夫婦の間でどちらが親権者になるかで争いが長引いていて、子どもに良い影響を与えられないので親権者と監護権者を分けたい。

 

3 親権と監護権を分けることの問題点

監護権だけ取得しても、子どもの法律行為の代理人になれない為、不都合が出てくる場合があります。例えば、子どもと一緒に生活して監護しているのは母親である場合に、各種手当の受給については親権者である父親の協力が必要になることや、子どもの氏を監護権者である母の氏にしたいと思っても、親権者である父親の協力が必要になることがあります。父親と母親の関係が良好であればそれほど問題になることはないかもしれませんが、そうではない場合はトラブルになることが予想されます。

 

4 まとめ

子どもの親権や監護権についてお悩みのことがあれば、早めに弁護士に相談しましょう。子どもを思いやる親の気持ちを考えると、手元に子どもをおいておきたいということもとてもよくわかりますが、子どもの幸せを一番に考えるのであれば早めにどうしたらよいのか答えを出す必要があります。

茨城県内で弁護士をお探しであれば、当事務所にご連絡ください。離婚問題の様々な分野に精通した弁護士が丁寧にサポート致します。

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