【コラム】養育費について13 生活保護費・児童手当等と養育費の算定方法

質問

養育費の算定にあたり、生活保護費や児童扶養手当は収入として考慮されるのでしょうか。

 

回答

生活保護費や児童扶養手当等は、養育費の算定に当たり、収入として考慮されません。

 

解説

1 生活保護とは

生活に困窮する人に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした制度です。

厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。

具体的には、日常生活に必要な費用、アパート等の家賃、義務教育を受けるために必要な学用品費、医療サービスの費用などが支給されることになります。

 

2 児童扶養手当とは

父母が離婚するなどして父又は母の一方からしか養育を受けられない一人親家庭などの児童のために、地方自治体から支給される手当です。

手当は、基本の額と、所得に応じてそれに対する支給停止額から決定され、基本の額は、児童扶養手当法第5条と児童扶養手当法施行令第2条の2に定められており、毎年改定されます。

 

3 児童手当とは

児童手当法に基づき、家庭生活の安定と健全育成及び資質の向上を目的とし、養育者に現金給付されるもので、所得が一定額以上の場合支給されません。

 

4 養育費の算定について

(1)生活保護費と養育費について

生活保護は養育費を支払ってもらっても足りない分を補充するものなので、生活保護の支給額を収入として養育費を算定することはできません。

 

(2)児童扶養手当と養育費について

養育費を算定した後に、児童扶養手当がもらえる額が決まるという構造になっており、生活保護費と同様、補充的な性質を持つものになります。

 

(3)児童手当と養育費について

児童手当については、広島高裁平成22年6月24日により、『民法上の扶養義務に淵源を有する養育費の支払いに影響を与えるものではない』との判断がなされています。

したがって、生活保護費や児童扶養手当等は、養育費の算定に当たり、収入としては考慮されないということになります。

 

4 まとめ

養育費の算定には、経験やノウハウが必要です。何かお困りのことがある場合は、専門家である弁護士に相談しましょう。弁護士であれば、知識と経験に基づき適切なアドバイスをすることが可能です。

茨城県で弁護士をお探しの場合は、当事務所にご連絡ください。離婚や養育費にまつわる問題解決において、経験豊富な弁護士が多数在籍しております。些細なことでもお気軽にご相談ください。

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