離婚時の財産分与でマンションと住宅ローンはどうなる?東京の不動産事情を踏まえた解説

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離婚時の財産分与では、マンション等の不動産は原則として時価から住宅ローン残債を差し引いた金額を2分の1ずつ分配します。

Q. 離婚時のマンションの財産分与はどのように行いますか?

離婚時の財産分与において、マンション等の不動産は最も大きな割合を占める資産であることが多く、その取扱いは慎重に検討する必要があります。

基本的な分与方法は、マンションの時価(査定額)から住宅ローンの残債を差し引いた「正味価値」を算出し、これを原則として2分の1ずつ分配するというものです。東京都内ではマンション価格が全国で最も高い傾向にあり、数千万円の資産価値を有することも珍しくありません。

具体的な処理方法としては、(1)マンションを売却して売却代金を分配する方法、(2)一方がマンションに住み続け、他方に持分相当額を金銭で支払う方法、(3)共有名義のまま一方が居住を続ける方法の3つがあります。

東京都内のマンション価格は全国的に高水準であるため、正味価値が大きくなる傾向があります。そのため、分与方法の選択が離婚後の生活に与える影響も大きく、慎重な判断が求められます。千代田区・港区・渋谷区などの都心部では、築20年以上経過しても資産価値が比較的維持されることが多いため、分与計画を立てやすい傾向があります。

Q. 住宅ローンが残っている場合はどうなりますか?

住宅ローンが残っている場合の処理は、マンションの時価とローン残債の関係によって異なります。

マンションの時価がローン残債を上回る「アンダーローン」の場合には、差額が財産分与の対象となります。例えば、時価6,000万円のマンションにローン残債が4,000万円ある場合、正味価値2,000万円の半分である1,000万円が各自の取り分となります。この場合、一方がマンションを取得すれば、他方に現金1,000万円を支払う必要があります。

他方、ローン残債が時価を上回る「オーバーローン」の場合には、正味価値がマイナスとなるため、原則として財産分与の対象にはなりません。この場合、マンションの処理とローンの返済方法を別途協議する必要があります。時価4,000万円のマンションにローン残債が5,000万円ある場合、差額1,000万円は負債であり、これを夫婦でどう負担するかを決める必要があります。

注意すべき点として、住宅ローンの名義変更は金融機関の承諾が必要であり、離婚合意だけでは変更できません。連帯保証人の問題も含め、金融機関との交渉が必要になる場合があります。一方がマンションを取得して住み続ける場合でも、金融機関がローンの名義人を変更することを認めない場合が多いため、その場合は名義人が引き続きローンを返済することになります。

Q. マンションの評価額はどのように算定しますか?

マンションの評価額は、不動産鑑定士による鑑定評価、不動産会社による査定、固定資産税評価額の3つの方法で算定できます。

裁判や調停では、不動産鑑定士による鑑定が信頼性が高いとされますが、費用がかかるため、まずは複数の不動産会社に簡易査定を依頼し、おおよその時価を把握するのが実務上の一般的な進め方です。不動産会社の査定では、同一地域内の最近の売却事例を基に時価を推定します。

東京都内のマンション市場は地域によって価格差が大きく、千代田区・港区・渋谷区などの都心部では築年数が経過しても資産価値が維持されやすい一方、郊外では下落傾向が見られる場合もあります。秋葉原周辺の千代田区岩本町エリアは、再開発により資産価値が上昇している地域の一つです。こうした東京特有の不動産事情を踏まえた評価が必要です。

固定資産税評価額は、市区町村から毎年送付される課税通知書に記載されていますが、これは実勢価格よりも低いことが一般的です。税務上の評価と民事上の評価は異なるため、固定資産税評価額をそのまま財産分与に用いることはお勧めできません。当事務所東京支所では、東京都内の不動産取引に関する相談も多く扱っており、財産分与に伴う不動産の評価・処理について、実情に即した助言を行っています。

Q. マンション分与で売却以外の方法を選択する場合の注意点は?

マンションを売却せずに、一方が住み続ける場合には、以下の注意が必要です。

第一に、住み続ける者がマンションを取得する場合、他方に対して現金で正味価値の半分を支払う必要があります。例えば、正味価値が2,000万円の場合、1,000万円を支払う必要があります。この金額が大きい場合、支払いが困難になる可能性があります。その場合、分割払いにすることも考えられますが、その場合でも合意書に強制執行認諾条項を付けておくことが重要です。

第二に、ローンが残っている場合、ローンの名義人と支払い者の関係を明確にしておく必要があります。住み続ける者が引き続きローンを支払うことが一般的ですが、その旨を明記した合意書を作成しておくことが重要です。

第三に、マンションの名義変更手続きが必要です。離婚に伴い、共有名義から単独名義へ変更する、または相手方の持分を放棄する手続きが必要になります。これには登記申請が必要となり、司法書士に依頼することが一般的です。

第四に、共有名義のままにすることは避けるべきです。共有名義のままでは、将来、相手方が持分の売却を強制する可能性があり、トラブルの原因となります。必ず単独名義に変更することをお勧めします。

Q. 東京の不動産分与で特に注意すべき点は何ですか?

東京都内での不動産分与には、以下の特殊な事情があります。

第一に、価格変動が大きいという点です。東京都内の不動産は、再開発やインフラ整備により短期間で価値が大きく変動することがあります。評価時点により大きな価格差が生じる可能性があるため、いつの時点での価値を基準にするかが重要です。通常は、離婚合意時点での価値を基準とすることが多いですが、その旨を明記しておくことが重要です。

第二に、都心部での家賃相場が高いという点です。マンションを手放し、賃貸に住む場合、家賃負担が大きくなる可能性があります。その場合、マンションの正味価値全額を現金で受け取るのではなく、一部をマンション取得に充てることも検討する価値があります。

第三に、相続財産との混在の可能性です。婚姻期間中に親から相続を受けた不動産がある場合、その不動産は原則として財産分与の対象外となります。しかし、相続後に住宅ローンを組んで改築した場合など、夫婦で改築費用を負担した場合には、その部分は分与対象となる可能性があります。相続財産と婚姻財産の境界が不明確な場合には、弁護士に相談することが重要です。

当事務所東京支所では、東京都内の複雑な不動産事情を踏まえた財産分与のご相談を扱っており、実務的なアドバイスが可能です。

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