【コラム】親権について5 離婚後の親権変更の可否と4つのポイント

質問

離婚時子どもの親権を妻に渡しましたが、最近恋人ができたようで子どもの世話をしていないようです。子どもの親権を取り戻すことはできるのでしょうか。

 

回答

可能ですが、離婚する際に決めた親権の変更には、家庭裁判所の調停・審判を経る必要があります。では、どのような場合に認められて、どのような手続きが必要なのか詳しくみていきましょう。

 

解説

1 親権者変更について

子どもの幸せが第一優先になりますが、親権者は離婚時に決定されていますので、わざわざもう片方の親に変更する必要があるのかどうか、慎重な判断が求められます。現実問題として、親権変更は難しくあえて変更すべき相当な理由がない限りは、変更が認められるケースはあまりありません。

親権の変更が認められるのは子供の利益や福祉を考え、子どもに必要だと判断される場合のみで、具体的には以下のような場合に認められる可能性があります。

  1. 親権者から子供へ暴力や虐待
  2. 養育環境の悪化
  3. 病気や海外転勤
  4. 育児放棄、親権者が行方不明

 

2 親権者変更の手続について

親権変更調停の流れは、①家庭裁判所へ調停の申立て②調停期日の決定③第一回の調停④第二回以降の調停⑤調停の終了です。

申立てには、親権者変更調停申立書、当事者目録、当事者についての戸籍謄本等の書類を相手方の住宅地の家庭裁判所に提出する必要があります。

申立てには、収入印紙代(子ども1人につき1,200円)、郵便切手代(家庭裁判所によって異なる)がかかります。

親権変更の調停が成立した場合、親権者変更の届出を行うことになりますが、調停不成立の場合は審判へ移行することが可能です。

 

3 親権者変更についてのポイント4つ

親権者変更を勝ち取るためのポイントを4つご説明致します。

(1)裁判所が考慮する基準を知るめには

親権者変更にあたって裁判所が考慮する基準を知っておきましょう。

① 親の状況

変更調停を申し立てた側の事情として、養育環境は適切であること、心身が健康であること、子どもに対する愛情があることが考慮されます。変更調停を申し立てられた側の事情としても同じような観点から状況が考慮されます。

② 子どもの事情

子どもの事情としては、子どもの年齢、精神的安定等が考慮されます。

 

(2)調停委員には印象良く接する

調停は話し合いの場ではありますが、話し合いを有利に進めるためにも、発言は事実をしっかり伝えるようにし、服装や身だしなみも好感を持たれるような清潔で常識的なものにするのが望ましいです。

 

(3)家庭裁判所調査官の調査には事前に準備を

家事審判調査官は、家庭や学校を訪問したり、親や子どもへの意見聴取したりして調査を行います。そのため、変更調停を申し立てた側が有利になるように、普段からしっかり準備しておきましょう。

 

(4)弁護士に依頼する

もちろん本人のみで手続きをすることも可能ですが、親権者変更調停を起こす際には、弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士の知識や経験を味方につけることで安心して手続きを進めることができます。

 

4 まとめ

親権者変更についてお困りのことがあれば当事務所にご相談ください。当事務所は茨城県全域にリーガルサービスを提供しており、離婚にまつわる様々な問題解決の実績がございます。些細なことでも丁寧にサポートさせていただきます。

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