不貞行為をしたことを理由として慰謝料請求をされた場合、争点となるのは以下のような点です。
① 不貞行為があったか否か
② 不貞行為についての故意または過失があったか否か
また、これらが認められた場合であっても、
③ すでに時効で慰謝料請求は消滅しており、認められないのではないか
④ 不貞行為の当時、すでに婚姻関係が破綻していたのではないか
これらが争点となるといえます。以下、これらについておおまかに見ていくことにしましょう。
① 不貞行為の存在
言うまでもなく、慰謝料請求が認められるためには、不貞行為が存在したといえることが必要です。この不貞行為とは、通常は性交渉、肉体関係を意味します。しかし、裁判上は、必ずしも肉体関係にまで至らなくても不貞行為と認められる場合もあるといえます。
② 不貞行為についての故意または過失
不貞行為に及んだことが故意または過失にもとづいているといえることが必要です。
「故意」とは意図的に、わざとという程度の意味あいですし、「過失」とは不注意でという意味で考えておけば良いでしょう。相手が既婚者であり、夫(妻)がいると知っていながら不貞行為に及んだのであれば故意があったといえます。また、たとえ夫(妻)がいると知らなかった場合でも、普通の注意を払えば分かったはずだという場合には過失は認められます。
③ 消滅時効の抗弁
たとえ不貞行為の存在が認められ、故意または過失があったとしても、すでに不貞行為からだいぶ時間が経過している場合には、もはや慰謝料請求権は時効消滅しており、認められないという主張が認められる場合があります(消滅時効の抗弁)。
どの時点を起算点とすべきかについては裁判例によって類型は分かれていますが、概ね、不貞行為の存在を知ってから3年が経過していれば、消滅時効の抗弁の主張は検討に値するといえますので、詳細についてはぜひ弁護士にご相談されることをお勧め致します。
④ 破綻の抗弁
不貞行為の存在が認められ、この点についての故意または過失もあったとしても、不貞行為当時に婚姻関係が既に破綻していた場合には、慰謝料請求は認められないことになります。
ただ、具体的にどのような場合に「婚姻関係が破綻していた」といえるかは難しい問題です。この点は慰謝料請求に応じるべきか否かの判断を左右する大きな問題ですので、具体的な事情について弁護士にご相談されることをおすすめいたします。当事務所は初回のご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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