質問
別れた妻が子どもに会わせてくれません。面会交流をするには、どのようにしたら良いでしょうか。
回答
面会交流は親の一方的な都合だけで拒否・制限できるものではありません。ここでは、3つの方法についてご説明させていただきます。
解説
1 面会交流権とは
面会交流とは、離婚に際して親権または監護権を得られなかった親や、婚姻中であっても別居している親が子どもと交流をはかることを言います。子どもと離れて暮らす親には、子どもの利益や福祉に反しない限り、面会交流権という権利が認められています。
面会交流権は、民法第766条に定められた権利であり、父母が離婚するときには、父または母と子との面会及びその他の交流を協議によって定めるべきとされています。
2 面会交流は正当な理由なく拒否できない
面会交流は、親の権利でもありますが、子どもの健全な成長に必要なものであり、子どもの福祉という側面もありますので、子どもと一緒に暮らしている親の一方的な都合では拒否・制限できません。ただし、面会交流をすることが、子どもにとって悪影響を及ぼす可能性がある場合や子どもが強く拒否する場合など、一定の場合には面会交流を拒否・制限することが可能です。
3 面会交流ができない場合の対処法
では、面会交流について、きちんと取決めをしていたにも関わらず、面会交流をさせてもらえないような場合はどうしたらよいのでしょうか。以下、3つの方法をご紹介致します。
(1)履行勧告
相手方が取決めを守らないときに、家庭裁判所に対して履行勧告の申出をすると、家庭裁判所は、相手方に取決めを守るように説得・勧告をします。履行勧告の手続に費用はかかりませんが、義務者が勧告に応じない場合に履行を強制することはできません。
(2)強制執行(間接強制)
間接強制とは、債務を履行しない義務者に対し、一定の期間内に履行しなければその債務とは別に間接強制金を課すことを決定することで義務者に心理的圧迫を加え、自発的な履行を促すものです。例えば、「取決めたことを守らなかった場合は、その都度〇万円を支払え」といったことを家庭裁判所が命令し、元々の取り決めを履行させようとする制度です。
間接強制の制度を使うためには、調停や審判で、面会交流の頻度、時間の長さ、引き渡し方法等が具体的に決定されている必要があります。
(3)面会交流調停
円滑に面会交流が行えるよう、面会交流調停を行い、新たな取決めを行う方法もあります。子どものためにも、早めに解決できるようにしましょう。
4 まとめ
面会交流についてお困りのことがあれば、弁護士にご相談ください。面会交流は、子どもにとっても必要なものであり、できるだけ早い解決が望ましいといえます。専門家である弁護士であれば、相手との交渉のサポートから、代理人としての手続きまで幅広く対応が可能です。
茨城県で弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご連絡ください。