Archive for the ‘コラム’ Category
【離婚問題コラム】弁護士会照会を使った慰謝料請求
▶︎ TOPにもどる
1.慰謝料を請求したいけれど相手の連絡先が不明
配偶者の不倫相手に慰謝料請求をしたいけれど、連絡先がわからずどう請求したらよいかわからない、ということもあるでしょう。
そもそも慰謝料は、請求する相手の氏名及び住所が分かっていなければ請求することができません。どこの誰かがわからないと、訴訟を提起することができないからです。このような場合、不倫相手への慰謝料請求はあきらめなくてはならないのでしょうか。
2.断片的な情報がわかっている場合
不倫相手の全部の情報がわからなくても、電話番号やメールアドレスだけはわかる、というように必要な情報の断片だけはわかることがあります。このような場合、弁護士法第23条の2に定められている弁護士会照会制度という制度を利用することで相手の情報を調べられる可能性があります。
弁護士会照会制度とは、弁護士が依頼を受けた事件について、証拠や資料を収集し、事実を調査するなど、その職務活動を円滑に行うために設けられた法律上の制度です。この制度を使うことにより、配偶者の不倫相手の一部の情報がわかれば、その情報をもとに相手を特定し、慰謝料の請求をすることができるようになる可能性があります。
(1)参考条文と注意点
弁護士法 第二十三条の二
|
なお、弁護士は弁護士会に申出ができるというだけであり、照会には弁護士会の審査が必要だという点には注意しましょう。このようにして弁護士の照会の乱用を防いでいるのです。
(2)弁護士会照会制度で照会できること
- 電話番号がわかっている場合は、その番号から契約者の名前や住所を照会することができます。
- 携帯電話のメールアドレスわかっている場合は、その携帯電話番号を照会することができます。そして携帯電話番号がわかれば、①のように名前や住所も照会することが可能です。
3.まとめ
不倫相手の一部の情報しからわからない場合でも、弁護士会照会制度を利用することで、その他の情報を調査して、不倫相手を特定し慰謝料の請求が可能になる場合があります。弁護士会照会制度は弁護士のみが利用できる制度ですので、不倫相手が特定できずにお困りの場合は、早めに弁護士に相談するようにしましょう。茨城県内で離婚問題に強い弁護士をお探しの場合は、ぜひ当事務所にご相談ください。離婚にまつわる様々な問題の解決で経験を積んだ弁護士が、親身になってサポート致します。安心してお任せください。
【離婚問題コラム】離婚後の慰謝料請求
▶︎ TOPにもどる
1.離婚後の慰謝料請求は可能か
先に離婚してしまったけれど、元配偶者に対して慰謝料を請求したい、と思っている方もいらっしゃると思います。離婚する際、慰謝料については話し合いもせず、何も決めずに離婚してしまった等の事情があれば、離婚後でも慰謝料を請求できる可能性があります。また、離婚後に、元配偶者の不倫の事実や不倫相手が発覚した場合、その不倫相手に対しても慰謝料を請求できる可能性があります。
2.離婚後の慰謝料請求の注意点
離婚後の慰謝料の請求については、いくつか注意すべき点もあります。
(1)清算条項付きの合意書を締結していないか
離婚時に、「離婚後は、いかなる名目でも互いに金銭請求しない」「離婚に関しての債権債務が一切ないことをお互いが確認している」のような合意(清算条項)をしていると、離婚後の慰謝料請求は一切できなくなってしまいます。
(2)離婚原因が明確かどうか
離婚での慰謝料請求は、婚姻関係が破綻したことによる精神的苦痛に対する損害賠償請求になります。そのため、慰謝料を請求するためには、夫婦の一方の行為が原因で婚姻関係が破綻したといえることが必要になります。
離婚前であれば、協議離婚に向けて、慰謝料の金額や支払い方法などの取り決めが行われますので、基本的には離婚原因を特定することもあまり重要にはなりません。一方、離婚後に慰謝料を請求するとなると、改めて離婚原因を特定して慰謝料の支払いを決めることに対して、元配偶者が積極的に協力してくれるとは限らず、慰謝料の請求が困難になることもあります。
(3)慰謝料請求権の消滅時効
離婚後でも慰謝料は請求できますが、消滅時効に注意する必要があります。慰謝料の請求は、法的にいうと「不法行為に基づく損害賠償請求」にあたります。民法では、不法行為に基づく損害賠償請求権は、3年で消滅時効にかかることになりますので、離婚成立の日から3年が経過すると、原則として慰謝料の請求は認められなくなります。
3.離婚後の慰謝料の請求方法について
では、離婚後に慰謝料を請求するとして、具体的にはどのような方法で行うのでしょうか。
(1)口頭や内容証明郵便による請求
まずは、口頭で請求をすることが考えられます。元配偶者や不倫相手に対して口頭で請求して、もし払ってくれるようであれば慰謝料請求についてはそれで解決です。ただし、実際には、連絡が取れなかったり、連絡をしても無視されてしまったりすることも多いでしょう。
口頭で請求しても、何ら動きが無いような場合は、内容証明郵便で慰謝料を請求する方法があります。内容証明郵便を使うことによって、心理的なプレッシャーを与えることもできますし、請求する側の真剣さも伝わります。さらに、時効の完成を妨げる効果もあります。
(2) 調停、裁判による慰謝料請求
慰謝料について当事者同士で合意できず払ってもらえないような場合は、調停を申し立てる方法があります。調停の場で話し合いがまとまれば、調停調書が作成され、万が一後日慰謝料の支払いを拒絶されても、強制執行をすることができます。
もし、調停でも当事者同士で合意ができなければ、最終的に裁判で解決を図っていくことになります。
4.まとめ
離婚後の慰謝料の場合、離婚前に慰謝料を請求するのとは違って注意すべき点がたくさんあります。前述のように消滅時効に気をつけなければなりませんし、裁判になった場合に備えて確たる証拠を収集する必要もあります。そのため、思い立ったら早急に準備を開始しなくてはなりません。時間を有効に使って裁判に備えるためにも、早めに専門家に相談するようにしましょう。茨城県で慰謝料請求に強い弁護士をお探しであれば、ぜひ当事務所にご相談ください。離婚問題について経験豊富な弁護士が丁寧にサポート致します。
【離婚問題コラム】慰謝料減額が認められる場合
▶︎ TOPにもどる
1.不倫による慰謝料の相場
不倫による慰謝料の相場はどれくらいなのでしょうか。慰謝料の金額は、不倫期間や離婚の有無によって自動的に決まるものではなく、明確な基準はありません。夫婦の間で合意ができるのであればいくらでもかまわないのです。夫婦の間で最終的に合意ができない場合は訴訟を起こし、裁判で決定することになります。
2.そもそも慰謝料とは
配偶者が不倫をしたことにより被った精神的苦痛に対する損害賠償です。そのため、精神的苦痛が大きいほど、慰謝料の金額も高くなる傾向にあります。ただし、精神的苦痛の大きさはなかなか量ることができませんので、客観的な事実や証拠類から算定されることになります。
具体的には、婚姻期間の長短、婚姻関係破綻の有無、不倫(不貞)期間、配偶者と不倫相手のどちらが主導的役割を果たしたか、未成年者の子の有無のような諸事情が考慮されて、金額が決定されます。
3.慰謝料の減額について
過去の判例等を見てみると、慰謝料の相場は50万円から300万円程度ですが、様々な事情から減額されることがあります。では、減額されるのはどんなケースなのでしょうか。
(1)請求額が不相当に過大である場
不倫(不貞)行為をしたことは事実だとしても、慰謝料の請求額が不相当に過大である場合には、相当な額への減額が認められることがあります。ただし、慰謝料がいくらなら適正なのかは、その事案により異なるため、弁護士に依頼して慰謝料が相当か不相当かについて相談した上で、減額の交渉をすることができます。
(2)不貞行為の立証が不十分である場合
不貞行為に基づく慰謝料について訴訟になった場合、慰謝料の請求権者は配偶者が不貞行為をしていたことの立証をしなくてはなりません。もし不貞行為に基づく慰謝料について、請求権者側の立証が不十分である場合には、慰謝料の請求が認められないことになります。
不貞行為の証拠といえるためには、メールや電話の履歴だけでは足りず、肉体関係があることについての証拠まで必要であり、この点において証拠の取集はなかなか難しいと言えます。そのため、不貞行為の立証が不十分である場合も減額が認められることがあります。
(3)謝罪をする
慰謝料の請求権者に対して、深く反省して真摯な対応をすれば、相手も慰謝料の減額に応じてくれる場合があります。たとえば、夫婦が婚姻関係を続ける場合、今後は不倫相手と接触しないという約束をしたり、謝罪文を書いたりすることで、対応を和らげてもらえることもあります。
4.まとめ
慰謝料についてお悩みがあれば、茨城県全域にリーガルサービスを展開している当事務所にぜひご相談ください。当事務所では、不倫・不貞等の男女間のトラブル解決を数多く手がけております。当事務所では、離婚や慰謝料について経験豊富な弁護士がご相談者様をお迎えいたしますので、安心してお任せください。
不貞慰謝料 ⑥浮気相手にしてはいけない3つのこと
1 浮気相手にしてはいけないこと
配偶者(夫や妻)に浮気をされた場合には、信頼していたパートナーから裏切られ、強いショックを受けるかと思います。浮気をされたとわかったときには、激情に駆られ、浮気(不貞)相手に対して制裁を行いたいと思われるかもしれません。
ですが、浮気をされたからといっても、浮気相手に対して何をしても許されるというわけではありません。激情に駆られて後先を考えずに行動してしまうと、かえってご自身に不利な結果を招くことになりかねません。一旦落ち着いて冷静に行動する必要があります。
2 本当に不貞行為の事実があったのかをよく確認する
離婚にせよ、慰謝料にせよ、相手に請求をするには、法律上の不貞行為があったことが必要になります。不貞行為とは、夫婦の婚姻中に婚姻していない相手と肉体関係を持つことが典型例となります。
そして、不貞行為があったことを裏付けるに足りる、確実な証拠を準備する必要があります。もっとも、不貞行為を裏付けるに足りる証拠が収集できたとしても、以下のような言動を行うことは避ける必要があります。
3 浮気相手にしてはいけないことの具体例
(1)浮気相手の自宅に行く
配偶者に浮気が発覚した場合、カッとなって浮気相手の自宅に怒鳴り込む、または電話越しに感情的に話してしまう、などを考えてしまうかもしれません。ですが、このような言動は控えるようにしましょう。ご自身の不用意な発言が恐喝や脅迫とみなされ、逆に不法行為等に該当するとして訴えられる可能性があります。
(2)浮気相手の両親に慰謝料を請求する
慰謝料は浮気相手本人が負担すべきものであり、両親が肩代わりする義務はありません。請求したとしても法的には無効になります。
(3)浮気相手を退職させようとする
浮気をした配偶者と浮気相手が同じ職場にいる場合、浮気相手に対してこちらから退職を強要することはできません。また、浮気相手の職場や周囲に、浮気(不貞)を言いふらすようなことも控えましょう。そのようなことをしてしまうと、逆に浮気相手の名誉を毀損したとして、損害賠償を請求されるおそれがあります。
また、同様に、浮気相手の職場に電話をかけたり、手紙を送ったりするようなことも控えるべきです。
4 では、どんな制裁ならば許されるのか
配偶者と浮気相手との不貞行為は、もう一方の配偶者の婚姻生活の平穏を侵害するものであり、侵害をされたことにより被る精神的・肉体的苦痛は「金銭」(慰謝料)で償ってもらうことができます。また、不倫(浮気)関係の解消、復縁の禁止等を約束してもらうことや、謝罪を要求することも考えられます。
もちろん、どんな場合でも慰謝料が請求できるわけではなく、①不倫相手が既婚者と分かっていた、②不貞行為があった、③夫婦関係が破綻していなかった、④不貞行為の証拠がある、等の要件がありますが、法で認められた範囲の中で責任をとってもらうようにしましょう。
5 まとめ
感情だけで動いて後々後悔しないためにも、まずは冷静に事実関係を整理し、法的にみて、どのような対応をする必要があるのかを検討するようにしましょう。そのためには、早期に弁護士に相談することをご検討ください。
特に、感情的になっているときには、第三者の見解を参考にして、冷静さを取り戻すことも必要です。不用意に行動し、かえって紛争を大きくしてしまうことは特に避ける必要があります。
当事務所には、浮気や不倫問題に関する案件を多数経験した弁護士が在籍しています。茨城県内で離婚問題や不貞慰謝料請求問題でお悩みの方で、弁護士をお探しであれば、まずはお気軽にご連絡ください。
不貞慰謝料 ⑤妻が浮気していると思った場合
1 妻(嫁)が浮気しているかもしれない。
妻(嫁)の行動が怪しいと思っても、思い過ごしということもあるかもしれません。あくまでも参考程度ではありますが、妻(嫁)が浮気しているかもしれないと思ったら、まずは下記のチェックリストで該当する項目があるかどうか確認することをご検討ください。
【チェックリスト】
① 残業/休日出勤/出張が増えた
② 仕事での飲み会が多くなった
③ 昼間家に電話しても電話に出ないことが増えた
④ 自分のスケジュールを確認してくることが多くなった
⑤ 友達とご飯や友達と旅行に行く回数が増えてきた
⑥ おしゃれになった、着る下着が変わった
⑦ 携帯電話を常に持っている
⑧ メールや電話の履歴を消している
⑨ 会話が減った、不満を言わなくなった
⑩ 帰宅後すぐにお風呂に入るようになった
⑪ 性行為を拒否するようになった
これらのチェックリストに複数個該当するのであれば、妻が浮気をしている可能性も否定できません。
もっとも、チェックリストに該当するということだけで問い詰めても、本当のことを言う可能性は低い上、証拠を早期に削除されてしまう危険性も高まります。
すぐに追及することは控え、まずは証拠を収集するようにしましょう。
2 どんな証拠が必要か
では、具体的にどのような証拠を集める必要があるのでしょうか。浮気の有無を確認する証拠としては、以下のようなものが考えられます。
① 妻(嫁)が浮気相手と交わしたメールやLINE、SNSの記録
② 妻(嫁)が浮気相手と一緒に撮影した写真
③ 領収証やクレジットカード明細(飲食代、ホテル代、交通費等)
④ 相手の男性から贈られたと思われるプレゼント
⑤ 各種履歴(ネットでの検索履歴、カーナビの履歴等)
なお、不貞行為と言えるためには、「肉体関係」(またはその類似行為)があることが必要ですが、一般の人がそこまでの証拠収集をするのは、容易ではありません。また、証拠の収集方法によっては、違法収集証拠として排除される可能性もあります。どのような証拠を集めるべきかということだけでなく、証拠の収集方法についても注意が必要です。
3 離婚や慰謝料を請求するには
実際に離婚や慰謝料を請求するためには、当事者で話し合いをして解決することになりますが、当事者同士で解決ができなかった場合には、裁判で解決を図ることになります。当事者同士での話し合いでも、裁判になった場合でも、解決には証拠が需要な鍵になります。有効な証拠とはどんなものか、一般の型にはなかなか判断がしづらいかもしれません。
早期解決を目指すためにも、まずは離婚問題や不貞慰謝料請求の問題を扱っている法律事務所・弁護士へのご相談をご検討ください。
4 まとめ
浮気の可能性がある、というだけで弁護士に相談をするのは早いかもしれない、と思う方もいらっしゃるかもしれません。もっとも、法的紛争を適切に解決するためには、初動対応が重要となります。お早めに弁護士に相談することで、現時点での紛争可能性がどの程度あるのか、また紛争の程度に応じて最初に行うべきことは何か、を整理することが可能となります。
当事務所は浮気や不倫などの不貞慰謝料請求、離婚問題を多数扱ってきた経験があります。茨城県内で離婚問題や不貞慰謝料請求問題についてお悩みの方は、まずはお気軽にご相談されることをご検討ください。
不貞慰謝料 ④夫が浮気していると思った場合
1 夫(旦那)が浮気していると思った場合
夫が浮気しているかもしれないと思うと、怒りや悲しみが湧き、平静な態度ではいられないかもしれません。
もっとも、本当に夫が浮気をしているといえるか、事実確認をしないことには何とも言えませんので、まずはチェックリストで確認をしてみましょう。以下は、参考程度ではありますが、夫が浮気をしている可能性を検討する際のチェックリストになります。
【チェックリスト】
① 仕事の帰りが遅くなってきた
② 以前よりも、飲み会だから帰りが遅くなるという回数が増えた
③ 残業/休日出勤/出張が増えた
④ 急におしゃれになった
⑤ 携帯電話を常に持っている
⑥ メールや電話の履歴を消している
⑦ 帰宅後すぐにお風呂に入るようになった
⑧ 会話や性行為の回数が減った(しなくなった)
これらのチェックリストに複数個該当するものがあれば、浮気をしている可能性があります。もっとも、浮気の可能性が高まっただけで、頭ごなしに責めたりすれば、夫との関係が悪化して、取返しがつかないことになる可能性もあります。このような場合は、まずは冷静になり、証拠を集めることが重要です。
2 どんな証拠が必要か
では、浮気に関する証拠として、何を集めたらよいでしょうか。以下では、参考例として何点か整理させていただきました。
① 浮気相手と写真(デート中のもの、性的なもの等)
② 浮気相手とのメール、手紙、メモ等
③ 領収証、クレジットカード明細(飲食代、ホテル代、駐車場代、プレゼント代等)
④ 携帯電話の通話履歴明細
⑤ 各種検索履歴(ネット、カーナビ等)
もちろん、上記証拠に限られず、場合によっては関係者からの証言などもあり得ます。また、どのような証拠を集めるべきかということだけではなく、証拠の収集方法にもご留意ください。証拠の収集方法によっては、違法収集証拠として排除される可能性もあります。
3 離婚や慰謝料を請求するには
実際に離婚や慰謝料を請求するためには、浮気や不貞行為を立証できる確実な証拠が必要になります。当事者同士での話し合いで合意できなかった場合には、訴訟を起こして裁判で解決を図っていくことになりますが、その場合は裁判所が判断するに足りる確実な証拠が必要になります。ご自身が証拠だと思っても、証拠として採用されない場合もあります。どのようなものが証拠になりうるのかご不安があれば、弁護士に相談することもご検討ください。
4.まとめ
浮気の可能性がある、というだけで弁護士に相談をするのは早いかな、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
もっとも、紛争を適切に解決するためには、初動対応を適切に行うことが大切です。適切な初動対応を行うためにも、現在の紛争の状態や、今後の流れを整理していただくことが大切です。
わたしたちは、茨城県内に複数の事務所を開設し、茨城県内全域のみならず、他県からも離婚問題や不貞慰謝料請求のご相談・ご依頼を扱ってきた実績があります。
離婚問題や不貞慰謝料請求の問題でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
不貞慰謝料 ③慰謝料請求の時効
1 不倫の慰謝料請求について
(1)法律上の意味
慰謝料とは、精神的苦痛を受けたことに対して支払われる金銭であり、夫婦の婚姻中に、配偶者が自分以外の異性と性的な関係を持った場合に、不倫をした配偶者もしくは不倫相手に対して請求することが可能です。法律上は、「不法行為に基づく損害賠償請求権」(民法709条)に該当します。
(2)不倫による慰謝料はいつでも請求できるか
基本的は以下の①-③の要件をすべて満たした場合に請求できることになります。
① 不倫(不貞行為)の事実
夫婦(婚約・内縁関係)にある男女のどちらかが、配偶者以外の異性と自由な意志で肉体関係を持つ貞操義務違反を不貞行為といい、不倫による慰謝料の請求が認められるためには不貞行為の事実が必要になります。
② 不倫相手の故意・過失
不倫相手が、不倫をした配偶者が既婚者であることを知りながら性的関係を持つか、容易に知りうる状況にありながら知らずに性的関係を持ったことが必要です。
③ 不貞行為時点で婚姻関係が破綻していないこと
「夫婦円満で家庭が平和であること」が守るべき保護法益になりますので、すでに婚姻関係が破綻しているような場合には、慰謝料を請求することはできません。
2 慰謝料請求の時効
(1)慰謝料請求権が消滅するまでの期間
慰謝料請求権が認められるとしても、権利を行使せずに放っておくと、時効によって消滅することになります。
では、どれくらいの期間で消滅してしまうのでしょうか。法律によると、次の2つのうち、いずれかの期間が経過した時点で時効消滅することとなります。
① 不倫関係があったときから20年間(除斥期間)
② 配偶者が不倫をしたことを知ってから3年間(消滅時効)
なお、消滅時効の場合、民法724条により「損害及び加害者を知ったとき」から時効が進行します。具体的には、不倫相手の住所や名前を知ったときから時効が進行することになります。
(2)時効期間が経過しても「時効の援用」をされなければ請求可能
消滅時効について、3年という期間が経過したからといっても、自動的に請求ができなくなるわけではありません。不倫をした配偶者や不倫相手が「3年経過したのでもう慰謝料の請求はできませんよ」と時効の援用をして初めて、慰謝料請求権は消滅することになります。
3 時効を止めることはできるのか
時効が迫っていることに最近気づき、慌てていらっしゃる方もいるかもしれませんが、以下の2つの方法により、時効を止めることができます。とはいえ、消滅時効期間が間近に迫っているような場合には支払い督促や訴訟提起の手続をすることはなかなか容易ではないかもしれません。
(1)消滅時効を一旦ストップさせる方法
「催告」をすることにより、消滅時効を一旦ストップさせることができます。「催告」とは、裁判外で内容証明郵便等を送付して請求しておけば一時的に時効が止まるという制度になります。ただし、時効完成日を6ヶ月だけ先送りにして時間的猶予を与えるという暫定的な効果しかありません。
(2)消滅時効をふりだしに戻す方法
裁判上の請求をした場合には、その時点で消滅時効はふりだしに戻ります。時効期間が迫っている場合には支払い督促や訴訟の提起をするとよいでしょう。
4 まとめ
配偶者に不倫をされて、慰謝料を請求したいと思っている場合、確たる証拠の収集が難しかったり、慰謝料を請求できる権利に消滅時効があったりするなど、ご注意いただきたい点は多々あります。
お一人では不安な手続も、弁護士にご依頼いただくことで安心して対応することができます。
当事務所では、これまでにも多数の離婚問題、不貞慰謝料請求の問題を扱っており、相手との交渉から、訴訟になった場合の手続まで、すべて一括してサポートさせていただきます。
茨城県内で離婚問題・不貞慰謝料請求問題にお悩みの方は、お気軽に当事務所にご相談ください。
不貞慰謝料 ②慰謝料請求の相場と判例
1 不倫による慰謝料請求の相場
配偶者に不倫をされてしまい、慰謝料を請求する場合、実際にはどの程度の金額を請求できるのかは、関心の強いテーマかと思います。
もっとも、慰謝料の金額は、法律で決まっているわけでもなければ、明確な基準も存在するわけでもありません。
したがって、当事者間で合意できるのであれば、原則として慰謝料の金額は自由になります。当事者間で合意できない場合は、訴訟で解決を図っていくことになりますが、おおよそ「不倫が原因で離婚に至った場合」は、100万~300万円程度、「離婚には至らなかった場合」は、50万~200万円程度が相場であると言われています。なお、個別の事情によって増減がありうることはご了承ください。
2 裁判ではどのような事情が考慮されるのか
当事者間で合意できず、訴訟になった場合、裁判所は、様々な事情を総合的に考慮して、慰謝料の金額を算定しています。
では、どのような事情が考慮されるのでしょうか。以下では、いくつかの判断要素を整理いたしました。
(1)夫婦間の事情に関するもの
① 夫婦の婚姻期間の長さ
婚姻期間が長いほど、慰謝料は金額が高くなる傾向にあります。
② 夫婦の間に未成年の子どもがいるかどうか
夫婦の間に未成年の子どもがいることは、慰謝料の金額を増額事情として考慮されることがあります。
③ 夫婦関係が円満であったかどうか
不倫(不貞行為)以前に夫婦関係が破たんしていた場合には慰謝料請求は認められません(平成8年3月26日最高裁判例)。
④ 不倫が夫婦関係に与えた影響
不倫(不貞行為)が直接の原因となって夫婦の別居や離婚という結果に至った場合には、別居や離婚に至らなかった場合よりも慰謝料の金額が増額されることがあります。
(2)不倫をした当事者間の事情
① 不倫の期間
不倫(不貞行為)があった期間が長いほど、慰謝料の金額は増える傾向にあります。
② 不倫の回数
不倫(不貞行為)の回数が多いほど、慰謝料の金額が増えることが多いといえます。
③ どちらが主導的であったか
不倫相手の方が主導的・積極的だった場合には、慰謝料を増額する事情として考慮されることもあり、逆に配偶者の方が主導的・積極的だった場合には、減額する事情として考慮されることもあります。
(3)不倫が発覚した後の事情
① 不倫が発覚して、やめるように言われても関係を続けていた場合
夫婦の一方から、不倫をしている配偶者に対して不倫相手との交際をやめてほしいと申入れがあったにも関わらず関係を続けているような場合には、増額の事情として考慮されることがあります。
② 別れるという約束を破った場合
夫婦間で、不倫をした配偶者が不倫相手とは別れると約束をしたにも関わらず約束を破った場合には、慰謝料を増額されることがあります。
3 実際の判例
では、実際の判例にはどのようなものがあるのでしょうか。
(1)平成4年12月10日東京地方裁判所
|
関係 |
夫の職場の部下である不倫相手の女性に妻が慰謝料請求 |
|
状況 |
夫が不倫関係を主導していた。不倫解消後、夫婦関係は修復していた。不倫相手は、職場を退職するなど社会的制裁も受けている。 |
|
慰謝料 |
請求:500万円 認められた慰謝料額:50万円 |
(2)平成10年7月31日東京地方裁判所
|
関係 |
妻と不倫していた男性に対して夫が慰謝料請求 |
|
状況 |
妻はスナック勤務に勤務していた。妻は夫に対して不満があり、妻が不倫関係に積極的だった。婚姻関係は破綻気味であった。 |
|
慰謝料 |
請求:800万円 認められた慰謝料額:100万円 |
(3)平成28年2月25日東京地方裁判所
|
関係 |
夫と不倫関係にあった女性に妻が慰謝料請求 |
|
状況 |
既に夫婦関係は悪化しており、離婚届も準備はされていた。夫は妻以外の女性と不倫関係にあった。妻は、女性に対し、慰謝料1100万円を請求。完全な破綻とまではいえないものの、破綻しつつあったという状況が考慮された。 |
|
慰謝料 |
請求:1100万円 認められた慰謝料額:90万円 |
4 まとめ
「不倫には我慢できない」「不倫相手に慰謝料を請求したい」と思っても一人ではなかなか動きだせないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。自分一人で不倫相手と交渉することができるのか、精神的に辛く、自分で動く気力がないなどとお悩みの方は、お早めに弁護士にご相談することもご検討ください。
弁護士に依頼することで、不倫相手と直接交渉をすることがなくなりますので精神的な負担も軽減できますし、その後に必要となる示談書の作成や万が一訴訟になった場合の手続きもスムースに行うことができます。
当事務所は、茨城県内に複数の事務所を構えており、県内全域のみならず、県外からも離婚問題や不貞慰謝料請求のご相談・ご依頼を多数受けてきた実績があります。
離婚問題や不貞慰謝料請求のことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
不貞慰謝料 ①離婚せずに慰謝料請求することの留意点
1 離婚しなくても慰謝料請求はできるか
配偶者の不倫(不貞行為)が原因で離婚する場合に、不倫をした配偶者やその不倫相手に対して慰謝料を請求するのはよくあることです。離婚しなければ慰謝料を請求することはできないのでしょうか。
そもそも慰謝料は、不倫(不貞行為)という不法行為によって精神的損害を被ったことの損害賠償であるため、離婚をするか否かに関わらず請求することが可能です。
2 慰謝料の請求相手は誰か
では、慰謝料の請求相手は誰になるのでしょうか。不倫をした配偶者でしょうか?それとも不倫相手でしょうか?
この点、不倫は、不倫をした配偶者と不倫相手の共同不法行為になりますので、どちらに対しても請求をすることができます。とはいえ、離婚しない場合に、夫婦間で慰謝料のやり取りをしたところで、家庭内でお金が動くにすぎず、あまり意味がありませんので、不倫相手に請求することが多いといえます。
3 慰謝料請求の流れ
不倫による慰謝料の請求は以下のような流れで行います。
(1)不倫の証拠を集める
慰謝料を請求するには、不倫をしていたという事実が確認できる証拠が必要になります。
(2)交渉
証拠がそろったら、慰謝料請求の交渉を開始することになります。
交渉方法は法律等で決まってはいないため、どのような方法を選択するかは、事案に応じて検討する必要があります。
不倫相手に対し、請求者の意思を示すとともに、慰謝料請求をしたという事実を残すためには、内容証明郵便を利用し、慰謝料を支払ってほしい旨とその金額を記載した書面を送ることになります。
慰謝料請求の内容証明郵便に対し、相手がこれに応じるようであれば、示談書等を作成して慰謝料の金額を取り決め、期日までに支払ってもらうようにします。
(3)訴訟
当事者同士での話し合いで慰謝料の支払いについて合意に至らない場合は、裁判を起こして慰謝料を請求していくことになります。裁判を起こすには、不倫の内容や、それによって婚姻生活がどのように破壊されたか等を主張し、慰謝料の金額等を記載した訴状と証拠を提出する必要があります。その後、双方で準備書面を提出しあい、主張と反論を繰り返した後、裁判官が判断を下します。
4 不貞行為があれば慰謝料が認められるか
不倫の場合ではどんな場合でも慰謝料の請求が認められるのかというと、そういうわけではありません。以下の条件に該当する必要があります。
(1)不法行為に当たる必要がある
不倫と言っても、各自の価値観によってイメージはまちまちかもしれません。慰謝料は、不法行為に基づく損害賠償になりますので、不倫が不法行為に当たる必要があります。
(2)不法行為に当たるための要件
基本的には次の3つの要件全てを満たす必要があります。
① 不貞行為があること
不貞行為とは、配偶者のある人が配偶者以外と肉体関係を持つことが典型例となります。
② 不貞行為に故意又は過失があること
不貞行為のときに相手が婚姻関係にあることを知っていた(故意の場合)か、知らなかったとしても知らなかったことに落ち度がある(過失の場合)ことが求められます。
③ 不貞行為よって権利の侵害があること
婚姻期間中に、配偶者の一方が他の異性と肉体関係を持てば、夫婦の平穏や円満を保持するという権利・利益が侵害されることになります。
5 離婚しない場合の慰謝料の相場はどれくらいか
慰謝料の金額に決まりはありませんので、当事者同士が合意できるのであれば数十万円から数百万円まで幅広い金額が考えられます。当事者同士での合意が難しい場合には、裁判所の判決に従うことになります。過去の判例をみてみると、離婚しない場合の慰謝料の相場は50万円〜から100万円程度ということもあるようです。
6 離婚せずに慰謝料請求をする場合のメリット・デメリット
離婚せずに配偶者の不倫相手に慰謝料を請求する主な目的の一つには、不倫相手と配偶者との関係を断つことが挙げられます。
離婚せずに不倫相手に対する慰謝料請求をするメリットとしては、①金銭的な賠償請求をする、②不倫をした配偶者との繋がりを断つこと、が挙げられます。
もっとも、離婚せずに不倫相手に対する慰謝料請求をするデメリットとしては、①不倫相手と接触する必要がある、②他方配偶者(不倫した配偶者)が不倫相手から求償される可能性がある、ということが挙げられます。
7 まとめ
配偶者に不倫されたために、精神的に多大な苦痛を受けた方にとっては、不倫相手に対して慰謝料請求をすることは、精神的な慰謝だけではなく、経済的な慰謝、そして他方配偶者との婚姻生活の平穏を回復するための手段といえます。
もっとも、不倫相手に慰謝料を請求することは、必然的に不倫相手との接触が生じる上、他方配偶者と不倫相手との不倫の状況を確認する必要もあるため、より大きなストレスを被ることにもなりません。
一方、不倫相手に対する慰謝料請求を弁護士に依頼することで、弁護士が依頼者の代理人として、不倫相手との交渉や、証拠の整理等を対応することになるため、慰謝料請求に伴うストレスを軽減することが期待できます。
茨城県で、離婚問題や不倫相手に対する慰謝料請求にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
離婚後の公的扶助 ⑤離婚後における医療保険の取扱い
1 医療保険の種類
離婚後に行わなければならない手続には様々なものがありますが、その一つに医療保険の手続があります。必要な手続きを見ていく前に、医療保険にはどのような種類があるかを見てみましょう。
(1)公的医療保険
公的医療保険とは、加入者やその被扶養者が、医療を必要とする状態になったときに、公的機関などが医療費の一部負担をしてくれるという制度です。日本の場合は、誰もが何らかの公的医療保険に加入する「国民皆保険」となっています。
公的医療保険の中にも、以下の種類があります。
① 会社員などが対象の医療保障
【全国健康保険協会】
一般的な民間企業の従業員が加入する医療保険で、協会けんぽが運営。
【各種健康保険組合】
従業員規模が大きい企業の従業員が加入する健康保険組合。
② 自営業者などが対象の医療保障
【国民健康保険】
自営業者などが加入する医療保険で、市区町村が運営。
(2)民間の医療保険
がん保険やその他の医療保険など、必要に応じて共済や民間の保険会社の医療保険に加入していることもあります。
2 離婚したら公的医療保険はどうなるか。
(1)自分自身が会社員または公務員の場合
自分自身が会社員または公務員の場合は、勤務先の被用者保険に加入しています。勤務先に離婚を届け出ると、各種変更の手続きは勤務先にしてもらえます。
(2)自分自身が専業主婦の場合
専業主婦だった場合、離婚後は扶養から外れることになりますので、国民健康保険に加入することになります。手続きをする際には、元配偶者である夫の勤務先から『資格喪失証明書』を発行してもらい、市区町村の役所で手続きをします。また、離婚後に就職するようであれば、会社の健康保険に加入することになります。
(3)配偶者が自営業者であった場合
元配偶者が自営業者等の国民健康保険加入者であり、自分自身も国民健康保険に加入していた方は、そのまま国民健康保険に加入し続けるか、離婚後の就職によって勤務先の健康保険に加入することになります。
(4)子供を母親の保険へ加入させる場合
子どもが元配偶者の会社の健康保険に加入していた場合、両親の離婚後も従来から加入している医療保険に被扶養者として加入し続けることも可能です。
また、当事者の希望により、子供を母親の被扶養者とし、母親が加入する医療保険に加入することもできます。
具体的には、元配偶者を通じて勤務先に依頼し、子どもを健康保険から外す手続きと『資格喪失証明書』の発行をしてもらい、母親の加入している医療保険に応じた手続きをすることになります。
3 離婚したら民間の医療保険はどうなるか
(1)保険の名義変更等の手続
離婚に伴い、苗字、住所、電話番号が変わることがあります。その場合は、婚姻中に契約した保険の名義や支払い口座・クレジットカードなどを変更しなくてはならなくなる可能性があります。
これらの手続きを怠ると、必要な時に必要な保険が受け取れなくなる可能性があります。そうならないためにも、適切なタイミングで変更手続きを行うようにしましょう。
なお、離婚後に必要になる保険の手続きは、①契約者・保険金受取人・支払い口座・クレジットカードの名義変更等の変更②住所・電話番号の変更③印鑑の変更、になります。
(2)保険の見直し
婚姻中は配偶者や家族がいることを前提に保険の内容を決めていることが多いと思いますので、離婚により単身になるのであれば、保険で守っていかなくてはならない範囲やその内容も変わってきますので、保険の見直しをする必要があります。
4 まとめ
離婚が成立した後も、安定した日常生活を送っていくためには、細々とした手続きをする必要があります。特に医療保険については、必要な時に手続きがなされていないと大変なことになりますので、忘れずに手続きをするようにしましょう。不安に思うことがあれば早めに弁護士にご相談ください。
当事務所には様々な手続きにも精通した弁護士が多数在籍しております。親身になってサポート致しますので、ぜひ一度ご連絡ください。
« Older Entries Newer Entries »

