【離婚問題コラム】再婚までの準備16 便法の離婚と再婚

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1.便法としての離婚

「借金の取り立てが厳しいので、一旦離婚して妻を実家に帰し、落ち着いたら再婚したいと思っているが、そのような離婚は認められるか」このような場合でも、夫婦の双方に離婚意思があれば、協議離婚は有効に成立します。以下、解説していきます。

 

2.離婚の意思

離婚の意思とは、婚姻関係を解消する意思のことを言い、夫婦両当事者間に当該意思がなければ、離婚は当然に無効とされます。ただし、ここでいう離婚意思とは、離婚の届け出をする意思で足り、便法としての離婚も有効とされています(判例)。つまり、莫大な借金を背負った夫が強制執行を免れるために、本心から離婚したいと思っているわけではないのに、離婚届を提出し、ほとぼりが冷めたら妻と再婚しようと考えている場合であっても、離婚は有効ということになります。

学説では、離婚意思は「夫婦生活を廃棄しようとする意思が必要」とする実質意思説もありますが、判例では、届出意思説がとられています。

なお、上記の例で、強制執行を免れるために財産分与に仮託して財産処分をしているような場合には、当該財産分与が詐害行為に該当するとして債権者取消権行使の対象になる可能性があることに注意が必要です。

 

2.氏を変更するための離婚と再婚

では、夫婦の氏を変更する目的で、協議離婚の届出をし、再婚と同時に氏を変更することは認められるのでしょうか。たとえば、最初に妻の氏を称していたものを、一旦離婚し再婚することによって夫の氏を称することにするような場合です。

判例の立場によると、この場合も離婚後再婚できるように思われますが、氏を変更するための離婚と再婚は認められないと考えられます。なぜなら、本来、婚姻中に氏を変更することはできませんが、このような離婚・再婚を認めると、実質的に婚姻中の氏の変更を認めることになってしまうからです。

もっとも、離婚後に時間をおいてから再婚し、氏を変更した場合には、有効とせざるを得ませんので、便法を全て認めないということは難しいと言えます。

 

3.まとめ

離婚には様々な事情があり、便法としての離婚を考えざるを得ない事情がある場合もあるかもしれません。茨城県全域にリーガルサービスを提供している当事務所では、さまざまな離婚問題に関するご相談を承っております。当事務所では、様々な分野で経験を積んだ弁護士が多数在籍しております。これまでの経験をいかし、ご相談者様一人ひとりに寄り添った対応を行うことができます。弁護士へのご相談をお考えの方は、ぜひ当事務所にお任せください。

 

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